視聴率とにらめっこ?元保険屋が見た40代テレビ局プロデューサーの人生

キャリア

この記事は寄稿記事です。保険の営業職に勤めていた経験を持つAさんが見た、40代のテレビ局プロデューサーの人生を紹介します。テレビ局のプロデューサーは番組制作の現場総責任者です。視聴率は売り場面積そのものといわれ、プロデューサーは視聴率の良し悪しに気を使っています。トップクラスは年収2000万円ほどです。忙しい反面、魅力的でやりがいのある仕事といえます。

プロデューサーとは現場の総責任者

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テレビ局のプロデューサーという仕事は現場の総責任者です。私が出会った方は、キー局で夕方のニュース番組を担当するプロデューサーでした。

プロデューサーは番組内の予算を与えられ、出演者、番組制作会社、記者、すべてのメンバーを取り仕切り、人事権を持っています。番組内で放送されるものすべての責任を負っているのです。

テレビの番組表を見るとわかるのですが、夕方のニュース番組は午後4時から午後7時までの3時間の枠です。これほど長時間放送する番組は同じチャンネルにありません。

時間が長いということはそれだけ求められるものも大きくなります。プロデューサーに求められるものはただ1つ、視聴率です。

視聴率とは、100万世帯中何%の人がその番組を見ているかという数値を調べたものです。統計学上100万世帯を調べれば日本全体の視聴率がわかるとされています。

 

番組終了間際の視聴率が重要

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夕方のニュース番組の場合、特に番組の終わりにいかに視聴率を上げて次の番組に引き渡すかがプロデューサーの腕の見せ所です。

例えば日本テレビとフジテレビは顕著に現れています。

日本テレビは子供受けする番組キャラクターと一般参加者を写し、その子供1人1人の名前を読み上げます。さらに世代を問わない天気予報を伝えるという巧みな視聴者獲得戦略を用いています。

かたやフジテレビは番組終了間際に放送予定の番組に出演している売れっ子のタレントを登場させ、番組宣伝をしてもらいます。

テレビ局には毎分の視聴率を計測する機械があり、番組が終わると計測器とにらめっこの状態になります。長い放送時間のなかでどのニュースで視聴率が上がったか、どの企画で視聴率が下がったかを調べるのです。

その結果をもとに、特に視聴率が下がった所の原因を徹底的に調べ上げます。場合によっては担当者を外す措置も取らなければなりません。そうして番組内の視聴率を上げるよう努めています。

また次の番組の導入部分の視聴率が高ければ、それだけ視聴者の獲得を有利に進めていくことができます。そのため特に番組終わりの視聴率には神経を使っているそうです。

 

視聴率は売り場面積そのもの

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なぜこんなに視聴率にこだわるのでしょうか。その理由は、視聴率は売り場面積そのものだからです。

番組に提供している広告、番組の始まりと終わりにスポンサー名が流れるタイム広告は関係ありません。視聴率はスポットCMの売り場面積になります。スポットCMはテレビ局が決めた範囲の時間で放送されるCMです。

スポットCMは視聴率1%あたりの単価で売っています。そのため視聴率が高くなればなるほど、視聴率の低い番組に比べ多くの広告を流すことができます。

テレビの広告枠はシェアが下がってきているものの、売り手市場といわれています。局からしてみると視聴率を上げ、収容できるコマーシャルを増やしたいはずです。さらに単価の高いCMを流すことによって、枠効率を高めたいと考えています。

余談ですがACというかつての公共広告機構、現在のACジャパンのCMが流れることがあります。CM出演者や企業の不祥事などにより放送を取りやめたい時に、急遽枠をACに差し替えています。業界では「AC差し替え」と呼んでいます。

 

プロデューサーが進む3つのルート

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こうした熾烈な視聴率獲得競争の先には出世争いがあります。特にニュース番組を担当する社員には3つのルートがあります。

1つはそのまま管理職の道に進み、いずれ役員、社長と登りつめていくルートです。

一方で、現場に残るルートもあります。最終的には解説委員といって文字通りほとんど取材には行かず、ニュースの解説をするベテラン記者として在籍します。

さらにこのどちらにもなれず、異動を繰り返し、最終的に関連会社に出向されて終わるルートもあります。

プロデューサーの進むルートはこれら3つのいずれかです。

 

トップクラスは年収2000万円

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もちろん会社からの評価にもよりますが、毎回トップクラスの評価を受け続けていれば40代で年収は2000万円ほどです。トップクラスの評価を受ける社員は全社員の10%もいないようです。かなり厳しい基準といえます。

ただし、中間クラスの評価でも年収は1700万円ほどです。他の業種と比べればかなり待遇はいいです。

私が出会った方はプロデューサーになってからずっとトップクラスの評価を受け、汐留に億ションを購入しました。独身ですが彼女がいるのでそろそろ落ち着きたいと考えているようです。しかし仕事が面白すぎてそちらに気がまわらないと言っていました。

 

仕事の合間に身体を鍛える

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夕方のニュース番組担当のため、お昼過ぎに出社し夜中まで仕事をしています。夜は会議の連続で、場合によっては徹夜もします。

お盆やお正月、改編期は特別番組の担当プロデューサーにもなるため、1年を通して暇な時期がありません。改編期とは春や秋の新番組が放送されるつなぎ期間で、特別番組が多く放送されます。

プロデューサーは身体を壊して働けなくなったりしたら大変です。次の仕事が回ってくるまでに、もう1度信頼回復しなければなりません。

その方はとりわけ健康管理に気を使っていました。夕方のニュース番組が終わり次の会議までに時間があるときは、契約しているシティホテル内にあるスポーツジム行っていました。

ジムで1時間ほど汗を流し、また会社に戻って仕事をする」と言っていました。

健康管理も仕事のうちです。40代テレビ局プロデューサーはプライベートに不満はあるものの、稼いだお金を持て余す日々を過ごしています。

 

忙しい反面、魅力のある仕事

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テレビ局のプロデューサーは番組を制作する際の現場総責任者です。良い番組を作ることはもちろん、視聴率も気にしなければなりません。

かつてプロデューサーが視聴率を買収し問題になったことがありました。そこまでするほど、視聴率獲得はプロデューサーやテレビ局にとって重要だといえます。

トップクラスの評価を受けているプロデューサーの年収は2000万円ほどです。ただ、稼いだお金を持て余している人も多いようです。

テレビ局のプロデューサーはお金を使う暇もないほど忙しい反面、没頭してしまうほど魅力的でやりがいのある仕事なのでしょう。