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2019.11.11
2019.11.11
ブレーズ・パスカル(1623年〜1662年)はフランスの哲学者、自然哲学者(近代的物理学の先駆)、思想家、数学者、キリスト教神学者です。
パスカルは早熟の天才でした。
まだ10歳にもならない頃に「三角形の内角の和が二直角」である事や「1からnまでの和が(1+n)n/2」である事を自力で証明して見せたと言われています。
パスカルは「人間は考える葦」という言葉で有名ですが、哲学に限らず、数学や自然哲学の分野においても才能を発揮しています。
パスカルは、同時代のフランスの哲学者、デカルトに影響を受けました。ただ哲学的アプローチはまったく違うものでした。
デカルトが自分の哲学を基礎づけするために神を必要としたのに対して、パスカルはむしろ魂の救済や神への信仰を基礎づけるものとして哲学が必要としました。
そこで、哲学をバカにすることこそ哲学であるという言葉を残しています。つまり、パスカルは実際の人生や人間のために哲学を必要としたのです。
哲学のための哲学ではなく、本当に血の通った哲学を志向していたことがわかります。
パスカルは16歳にして「円錐曲線試論」を書き上げ、19歳の時には歯車式計算機「パスカリーヌ」を完成させ、父の仕事に貢献しようとしたという早熟の人でした。
哲学者としての名言に目が行きがちですが、数学、自然哲学の功績も歴史に残るものです。
パスカルの功績
パスカルが16歳のときに発見した円錐曲線に関する定理です。現在でも、その定理は応用されあらゆる場所で利用されています。
二項展開における係数を三角形状に並べたものです。
実際には以前からあらゆる地域で研究されていましたが、パスカルが今まで知られていた結果をまとめ、確率論へと発展させています。
「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える」というパスカルが考えだした原理です。
自然哲学の分野の才能を示す功績といえます。
パスカルの名言として「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていたであろう」という言葉があります。
日本においては「その鼻が少し低ければ、クレオパトラが外交に使ったとされる美貌も台無しになり、世界の歴史も変わっていただろう」といわれています。
しかし、真意は少し違うといわれています。
フランスでは鼻の高い低いに美醜の概念はなく、パスカルの言葉の正しい訳は「クレオパトラの鼻がもっと短かったなら、クレオパトラの顔(と世界の表面のダブルミーニング)の全表面は変わっていただろう」となります。
つまりパスカルの真意は
という思想を体現する形で、「クレオパトラの鼻」の例えが用いられたとされています。
パスカルの思想をもっとも端的に示す言葉として「人間は考える葦である」という言葉があります。
人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。
(中略)
宇宙が彼をおしつぶしても、人間はかれを殺すものより尊いだろう。なぜなら、彼は自分が死ぬことと、宇宙の自分に対する優勢とを知っているからである。宇宙は何も知らない。だから、われわれの尊厳のすべては、考えることのなかにある出典:パンセ
パスカルの「パンセ」の有名な考える葦についての部分の抜粋です。
という対立する概念の両面をそなえているとパスカルはいっています。どちらか片方ではなく両方を持っているということが重要なのです。
パスカルの人間学はこうした相反する内容を持つ言葉を組み合わせる表現法に貫かれています。つまり、人間や物事は単純に割り切れるものではなく、常に相反するものを抱えているともいえます。
「クレオパトラの鼻」や「人間は考える葦」の言葉からはパスカルの人間に対する考察の深さが垣間見えます。パスカルの考察の深さは現代のビジネスマンにも参考になるものです。
「人間は考える葦」という、相反するものを内包する考え方は重要なものです。効率を重視しすぎると物事の1面しか見えなくなりがちです。
ただビジネスでは1面だけではとらえきれない場面が多々あります。
例えば、効率を重視して会議の数を減らしたとしても、クオリティが下がってしまっては意味がありません。会議を重ねることは手間を増やすことで作業効率が悪くなりますが、その反面クオリティをあげることができます。
物事には表裏があり、それを理解してどのように活用するかが大切なのです。
パスカルの言葉から、物事の多面性を学ぶことは他人と違う視点を養うことの重要さを学ぶことができます。