アウグスティヌスとは?思想は?「告白」「神の国」を読む

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アウグスティヌスは4〜5世紀のキリスト教哲学者です。中世最大の教父といわれ、中世世界のものの認識はほぼ彼が元になっているといわれています。人間には自由意志があることや、ものを2択ではなく尺度でとらえることを唱えました。アウグスティヌスは実は現在につながる考え方たくさん生み出しています。アウグスティヌスを知って少し賢くなりませんか。この記事では中世のキリスト教哲学者であるアウグスティヌスについてまとめました。

アウグスティヌスとは?

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アウレリウス・アウグスティヌス(354年〜430年)は、キリスト教哲学者です。アウグスティヌスから中世哲学が始まったとされ、中世最大の教父といわれています。『告白』『神の国』など著作も多数残しています。

教父というと固い印象を持つかもしれませんが、アウグスティヌスは若い頃、カルタゴ大学に進学し勉強はしていましたが、欲望に溺れていたと著書に書いたりしています。

また、若い頃はキリスト教信者ですらありませんでした。

時代背景

アウグスティヌスが生きた時代は、紀元300〜400年代です。この時代はキリスト教がローマの国教になるなど、勢力がどんどん拡大していく時代です。

キリスト教が大きくになるにつれて、キリスト教に様々な人が触れて、様々な解釈が生まれました。本当に正しい教義はどれなのかというキリスト教の教義が曖昧になった時代でもあるのです。

そこで、キリスト教側はキリスト教がいかに正しいかを説く教父という役割を作りました。アウグスティヌスはキリスト教の正しさの論理を組み立てて説く教父なのです。

 

自由意志とは?

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アウグスティヌスはキリスト教の正しさの論理を組み立てるために活動しました。

神は存在するのか

アウグスティヌスはまず、神の存在を証明しました。その論理は簡単です。

「神は存在する。神の存在を問いかけているが、なんで見たことも触ったこともないのに神を知っているのか。それは神という存在を認識しているからだ」

アウグスティヌスはこの論理で「神という概念は存在します」ということを証明しました。重要なことは、アウグスティヌスによってその時代の人に神の存在が証明されたということです。

自由意志

神が存在していることが証明されたことで次の疑問が生まれます。

「神という完璧なものが存在するならば、なんで悪を働く人がいるのか。神が完璧な存在じゃないから悪があるのではないのか」

アウグスティヌスは、自由意志という論理で説明します。

  • 神は人間に自由意志を与えてくださった
  • 善をなすかなさないかは人間の自由意志であり神の意志ではない

自由意志という考え方は後世の哲学にも大きく影響を与えました。

 

罪は悪ではない?

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アウグスティヌスは、そもそも悪は存在しないと考えました。悪と思われることも、実は自由意志によって目の前の善を選択してしまっただけだといっています。

本当はより善きものや、もっとも善きものである神の真理があるけれども、目の前のぶらさがったニンジンに流されることが社会的には罪になるだけであるといったのです。

尺度を作った

アウグスティヌスのもっとも大きな功績は、尺度という概念を作ったことといわれています。

それまでの社会は「ある」か「なし」かの2択で議論が進められてきました。これに対してアウグスティヌスは、尺度という概念を用いて相対的に善悪を判断しました。

社会的に賞賛されたとしても、それが正しいとは限りません。正しいのは神だけです。逆に社会的に悪いとされることも、神が命じるのであればそれは必ず行わなければなりません。行為の正しさの証拠は神にあるからです。

アウグスティヌスは、悪が存在するのではなく、神の求める善がなされなかったために罪になるといっています。つまり、悪というのは善が足りないものなのです。善の尺度が大きくなればなるほど、それは善に近づきます。

絶対的な悪は存在せず、相対的に善が足りないものが悪となるということです。

 

 

「告白」「神の国」とは?

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アウグスティヌスは「告白」や「神の国」などの著作を残しています。

告白

アウグスティヌスが若い頃にした盗みや情欲に流されたことついて告白しながら進められます。この著書で悪と罪について切実な問題であることがわかります。

キリスト教の教父でありながら盗みをしたことや、ギリシャ語の勉強に意欲がないなどキリスト教に不都合なことを書きつつ、キリスト教に目覚めていく過程を描いています。

告白を読むことで、アウグスティヌスの思想の変遷や経緯などがわかります。

神の国

三位一体説への信仰によって結びついた信者は「教会」という「神の国」で永遠の安らぎを得られると説きました。

ローマ帝国という「現世の国」がなくなっても、信者には「神の国」という拠り所があると説き、それがローマ教皇を頂点とした教会の存在であると教えました。

 

アウグスティヌスから今を考える

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アウグスティヌスはキリスト教の教父でしたので、神の存在を肯定するためにざまざまな論理を立てました。論理を立てる過程で現在にもつながる考え方を多く残しています。

アウグスティヌスが何をいいたかったのかということではなく、アウグスティヌスがどのような方法で考えたかということが重要なのです。アウグスティヌスは自らの罪と悪の対する答えをキリスト教に求めました。

ビジネスにおいて、相手に惑わされずに利益を求め考えていく過程でアウグスティヌスがどのようにしたのかを見ることは有効です。

アウグスティヌスは論理的に神の存在を立証しました。これはロジカルシンキングという方法で、現在のビジネスシーンでも通用する考え方です。

アウグスティヌスをビジネスの参考にしてみてはいかがでしょうか。

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