デカルトとは?方法的懐疑や「我思う、ゆえに我あり」はどんな意味?

経済・時事・教養

デカルトは17世紀のフランスの哲学者です。近代哲学の父といわれ、現在の科学の発展の根本にはデカルトがいるといわれています。キリスト教的な中世哲学を打ち破った人物です。もっと根本的に物事を考えたいと思うことはないでしょうか。デカルトは現在のビジネスにも有効な根本的な考えを提示しています。この記事ではデカルトについてまとめました。

デカルトとは?

shutterstock_374135788
ルネ・デカルト(1596年~1650年)はフランス出身の哲学者であり、近代哲学の父といわれています。「我思う、ゆえに我あり」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、これはデカルトが唱えた自分の考え方を示す言葉です。

デカルトの価値は、それまでの中世哲学を否定し、現在につながる科学的な考え方の下地を作ったことにあります。

デカルトの生きた時代

デカルトの生きた時代、中世哲学においては、すべての学問の前提にキリスト教がありました。つまり「神がこの世界を創造した」という前提です。ものを学問的に考える時の根拠を神の存在に求めていたのです。

例えば中世哲学では「空はなぜ青い?」という問に対して「神が青く創造したから」が正解になります。キリスト教社会では、みんながキリスト教を信仰していたので、そこに疑問が生まれなかったのです。

自然科学の台頭

ただデカルトの登場する時代には、自然科学が徐々に台頭しはじめてきました。

キリスト教の権威は弱まり「神がこの世界を創造した」という前提はキリスト教を信仰している地域でしか通用しないローカルな前提であることが知られてきたのです。

つまり、みんなが信じてきた学問の前提が崩壊しつつある時代だったのです。それは、なぜ生きているのかという根本的な前提の喪失でもあるのです。

デカルトが「我思う、ゆえに我あり」といった根本的な動機はここにあったのです。

 

「我思う、ゆえに我あり」の意味とは?

shutterstock_318060599

「我思う、ゆえに我あり」とはデカルトがたどりついた真理ですが、いったいどういう意味なのでしょう。簡単にいえば「私が存在する」という証拠は「私が今存在する理由を考えているから」ということです。

「神がこの世を創造した、ゆえに我あり」

これまでの中世哲学では「私が存在する」という証拠は「神がこの世を創造したから」でした。ただデカルトは、キリスト教社会以外では通じないものは証拠にはならないと考えました。

社会的、宗教的、思想的に異なるものに対しても説明できる根本原理は何かと考えた時に「我思う、ゆえに我あり」にたどりついたのです。

 

方法的懐疑とは?

shutterstock_250862398

デカルトが生きた時代においてはの学問の始まりはキリスト教を信じることでした。ただデカルトは、学問を追究する上ではそれまでの前提を信じることができませんでした。

そこで学問の基礎を明確にし、その意義をハッキリさせるために独自の学問に対するアプローチを考え出しました。それが「方法的懐疑」と呼ばれるものです。

これは誰もが納得する真理にたどりつくための方法としての懐疑です。以下の4つの規則を決めました。

  1. 明証的に真であると認めたもの以外、決して受け入れないこと(明証)
  2. 考える問題を出来るだけ小さい部分にわけること(分析)
  3. 最も単純なものから始めて複雑なものに達すること(総合)
  4. 何も見落とさなかったか、全てを見直すこと(枚挙 / 吟味)

幼少期から無批判に受け入れてきたものを、何もかもいったん疑うという方法で先入観を取り払い、真理にたどりつこうとしたのです。

少しでも疑わしいものは排除し、もう何も確実なものはないというところまで続けられます。その結果、方法的懐疑の最も根本的な原理として「我思う、ゆえに我あり」にたどりついたのです。

 

デカルトの思想をビジネスに活かす

shutterstock_379950592

デカルトが、中世哲学を脱する方法を見てきましたが、これはそのままビジネスにも応用できます。デカルトの方法的懐疑の4つの規則は、現在ビジネスで必要性が高まっているロジカルシンキングの原理そのままです。

デカルトが疑った中世哲学はキリスト教という物語を信じることで、成り立ってきました。現在のビジネスでも、物語を信じすぎることで、明確な利益がおろそかになる場面があります。

デカルトの方法的懐疑は不明瞭な物語から脱し、明確な基準によってビジネスを進めるための方法なのです。

 

普遍的な思考法

shutterstock_339685646

デカルトは、現在でも主流となる思考法の根本的な認識を作りました。デカルトの、常識を疑って新しい原理を見つけるという方法は、様々な場面で応用できる方法です。

また、絶対的なものを配置せずに常に再検証する可能性を確保したことはニュートン力学や相対性理論などの根本原理にもなっており、学問の発展に欠かせないものなのです。

ビジネスにおいても、発展し続けるには再検証の可能性を確保することは非常に重要です。デカルトの考え方を知ってビジネスに応用してみてください。

あわせて読みたい