待機児童とは?現状や対策は?女性のキャリアに影響する?

待機児童とは、保育所に入りたいのに定員がいっぱいのために入所できずに入所を待っている児童の事です。ワークスタイルの変化で保育所のニーズが高まっています。「働きたい」と「子供を持ちたい」は矛盾する考え方でしょうか。ごく自然に生まれてくる思いなのではないでしょうか。待機児童問題には子供だけの問題ではない社会的問題をはらんでいます。この記事では待機児童問題についてまとめました。

待機児童とは?

shutterstock_451242031

待機児童とは、保育所に入りたいのに定員がいっぱいのために入所できずに入所を待っている児童のことです。少子化で子供の数自体は減っているのにもかかわらず、待機児童問題は年々深刻になってきているといわれています。

また、0~2歳児や長時間保育を対象とする層は特に入所が困難とされています。

どのような背景があるのでしょうか。

女性の社会進出

女性のワークスタイルの変化が要員の1つです。これまで子育ての多くを担ってきた女性の社会進出が増加し、雇用形態も変化しました。
リクルートジョブズによると、20歳から49歳の既婚・子どもありの女性の就業率は約40.9%、現在無業だが就業意向がある人は約51.1%となっています。また共働きの世帯も増えています。
不景気などの影響で、出産して退職するのではなく、継続してい働くという選択肢が経済的に現実的な選択となっているのです

核家族化

また、核家族化が進んでいることも原因といえます。

核家族化が進むことで、親世代に子供を預けることができない状況やひとり親が増加しています。このことから子供を預けなくてはならない状況が生まれています。

このように、需要人数の増加にかかわらず、保育士や保育関連施設が不足しているために待機児童が社会問題になってきています。

保育関連施設の種類

保育関連施設の不足は深刻な問題ですが、ここで保育関連施設について整理したいと思います。幼稚園と保育園とは基本的に別のものです。

対象 管轄
保育所 保育に欠ける0歳~小学校入学前までの乳児や幼児 厚生労働省
幼稚園 満3歳~小学校入学までの幼児 文部科学省

このように、対象が重なっているのにもかかわらず、管轄が違うことも問題を複雑化しています。

また、保育園には大きく「認可保育園」と「無認可(認可外)保育園」の2つの種類があります。他にも「認定こども園」と呼ばれる保育園と幼稚園を合わせた施設などがあります。

 

待機児童の現状は?

shutterstock_282381239
2015年9月の厚生労働省の発表によると、待機児童は2010年から4年連続で減少し、2014年には2万1371人まで減少していました。2015年には2万3167人に増加していると発表されています。

都市部に集中

待機児童問題の背景からもわかるように、基本的に待機児童は就業率が高く、核家族化が進む都市部に集中しています。2015年の厚生労働省の発表によると待機児童の多い自治体は以下のとおりです。

順位 都道府県 都市 人数
1 東京都 世田谷区 1182人
2 千葉県 船橋市 625人
3 沖縄県 那覇市 539人
4 大分県 大分市 484人
5 宮城県 仙台市 419人

上位は都市部が占めていることがわかります。

仕事や物が集まる都市部では、便利な反面、保育施設を作るためのスペースの少なさや子供の出す音に対する苦情が出るなど、保育には不利な側面を持っています。

沖縄県に関しては、全国と比較して合計特殊出生率が高いことや、米軍占領下に置かれた歴史から認可保育園の整備の遅れが原因とされています。

保育士の不足

十分な保育施設を自治体が作っても、保育士が足りないために待機児童が生じるというケースも出てきています。

背景には保育士とりまく厳しさがあるといわれています。現在、保育士資格は所持していても保育士として働いていない「潜在保育士」が60万人以上いると言われています。
保育士の離職には、労働条件の悪さ小さな子供を預かる責任の重さ自分自身の子育てにより違う職に就くという背景があります。
このような状況で人手不足によって一層の激務になり、保育士不足の悪循環が生まれている状況です。

 

政府や地方自治体の対策は?

shutterstock_344706137
現在、2017年の待機児童ピークまでに待機児童問題の解消を目指し、40万人の保育の受け皿を確保する「待機児童解消加速化プラン」を打ち出しています。
意欲のある地方自治体に対し強力な支援を行うという内容です。

  • 賃貸方式や国有地も活用した保育所整備(ハコ)
  • 保育を支える保育士の確保(ヒト)
  • 小規模保育事業など新制度の先取り
  • 認可を目指す認可外保育施設への支援
  • 事業所内保育施設への支援

保育士不足と、保育施設不足に対しての支援が中心です。このような対策の結果、申込者が増えたり、待機児童0人の自治体が出てくるなど、一定の効果があったといわれています。

今後も対策は継続してい続けられます。

 

待機児童問題は女性のキャリアに影響する?

shutterstock_151603850

女性のキャリアにおいて、妊娠が大きなターニングポイントになっていることも問題になっています。

産休・育休は働きながら子供を持つという点で一般化してきているといえます。ただ待機児童問題は産休・育休とは別に考えなくてはいけません。

産休・育休を取り仕事ができる状態になったにもかかわらず、待機児童問題で、育休を延長せざるえないというケースが少なからずあります。

職場も計画を立てて事業を進めていきますので、待機児童問題で休業期間の計画を立てられなくなることがキャリアに影響を及ぼしてしまうのです。

不本意な形で、キャリアを断念しなければならない状況があるのです。

 

子供と共に

shutterstock_115992457

現在は、社会のあり方が急激に変化している時代です。

女性の社会進出もその1つといえます。そんな中で「働きたい」という気持ちと「子供を持ちたい」という気持ちの両方を持つのは自然な事だともいえます。

この2つの考えは矛盾するものでしょうか。

子供を育てるという価値も働くという価値も忘れてはいけません。働くという価値と子供を育てるという価値が矛盾せずに実現する社会をこれから作っていく必要があります。


カテゴリー