政治・経済

連邦準備制度(FRS)とは?仕組みは?利上げする?

連邦準備制度では主に3つの組織が編成されています。連邦準備理事会(FRB)と日本銀行とは違いがあります。FRBはゼロ金利を解除し、利上げを試みています。連邦準備制度は世界経済を考える上で無くてはならない知識です。ただ意外とその実態を把握している人は少ないのではないでしょうか。この記事では連邦準備制度の定義や仕組み、実際に行っている金融政策についてまとめました。

連邦準備制度とは?

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連邦準備制度(Federal Reserve System,FRS)とは、連邦準備法によって創設されたアメリカ合衆国の中央銀行制度のことです。連邦準備制度(FRS)の中心として動いているのが、連邦準備理事会(Fedral Reserve Board,FRB)で、日本の日本銀行に相当します。

連邦準備理事会(FRB)は任期14年の7名の専任理事により構成されます。7名の専任理事は、アメリカ合衆国大統領に任命され 、上院によって認められています。

金融政策の一貫性を保つことが非常に重要としているため、専任理事の任期は14年という長い期間になっているのです。連邦準備理事会(FRB)はどこの党派にも属さず、独立して政策を行います

 

連邦準備制度の仕組みは?

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連邦準備制度(FRS)の元で動く組織は以下の3つがあります。

連邦準備制度の3つの組織

  • 連邦準備理事会(FRB)
  • 連邦準備銀行
  • 連邦公開市場委員会(FOMC)

ここでは連邦公開市場委員会については軽くしか触れませんが、連邦準備制度を理解する上では欠かせない知識となるので是非言葉だけでも覚えておいてください。

連邦準備制度(FRS)では主に連邦準備理事会(FRB)が中心です。連邦準備理事会(FRB)は連邦準備銀行を束ねる中央機関の役割を担っています。

アメリカ国内を12の地域に分け、12行の連邦準備銀行を国内に設置しました。ボストン、ニューヨーク、サンフランシスコなど特に大きな都市に集中して配置されています。連邦準備銀行はFRBの管理の元、それぞれが独立して運営されています

連邦準備銀行はそれぞれの地域の経済学者や専門家の人たちと一緒に協力して、専門知識の共有や地域ごとの展望をお互いに提供し合っています。

商業銀行が顧客に行うサービスと似通ったサービスを行うことからしばしば「銀行の銀行」と呼ばれています。

連邦準備銀行は、その地域にある銀行との紙幣の貸し借りの取引やインターネットを介した取引だけでなく、アメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関である連邦公開市場委員会(FOMC)が行われる2週間前に地区連銀経済報告書を作成するなど、幅広い業務を行う銀行です。

以上のことから、連邦準備理事会(FRB)が12行の連邦準備銀行を束ね、連邦準備銀行が各地域の商業銀行をまとめているという構図になることがわかります。

 

FRBと日本銀行の違いは?

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連邦準備理事会(FRB)と日本銀行には違いがあります。ニュースなどでは連邦準備理事会(FRB)は日本銀行に相当するということを聞いたことがあるかもしれません。この記事の最初の項でも同様の説明をしましたが、厳密には違うのです。

連邦準備理事会(FRB)はアメリカの国内に12行ある連邦準備銀行を束ねる中央機関であり、銀行ではありません。日本銀行は、我が国唯一の中央銀行ですので、銀行か銀行でないかという点でまず違いがあります。

もう1つの違いは業務内容です。日本銀行は紙幣を発行することができる発券銀行ではありますが、連邦準備理事会(FRB)はそもそも銀行でないため、紙幣を発券できません。アメリカでは発券する役割を持っているのは連邦準備銀行になります。

つまり、日本銀行が行う金融政策の実行をアメリカでは連邦準備銀行が担っているのです。

連邦準備理事会(FRB)は日本銀行に相当するとは聞くものの、厳密に見てみると違いがあるのをお分かりいただけたのではないでしょうか。

 

どんな金融政策をしている?影響は?

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連邦準備理事会(FRB)は、2014年10月末をもってリーマンショック後から継続してきた量的金融緩和施策を打ち切りました。国債や住宅ローン担保証券(MBS)などの購入は停止され、現在はゼロ金利政策を解除し、利上げを試みようとしています

最近では大統領選が利上げにどう影響するのか話題になりました。少なからずトランプ氏の大統領選の勝利が今後の連邦準備理事会(FRB)の政策に影響は与えてると予想されます。

またトランプ氏の大統領就任はFRBの今後の人事に影響を及ぼす可能性があります。なぜなら、トランプ氏は選挙中にFRBのイエレン議長の再任を認めないと公言したからです。

ここで議長が変わるということは金融政策が大きく変わる恐れがあることを意味します。これによりトランプ大統領のもとで早期利上げのシナリオを崩されるかもしれません。

一方でFRBは、トランプ氏が大統領に就任する前に利上げを実施することを決めました。

日経電子版の2016年12月15日の記事によれば、2016年12月13~14日に行われたFOMCの会合で0.25%の利上げを発表しました。2017年中に3回の利上げを見込んでおり、引き締めは加速すると予想されています。

FRBの利上げは世界のお金の流れにも影響します。金利上昇で利回りが見込めるドルに資金が集まり、日本は円売りが進みやすくなると予想されます。一方で新興国は資本流出や通貨安のリスクがあります。

FRBは2015年12月におよそ9年半ぶりに利上げを行い、2008年以降のゼロ金利政策を終了しました。ただ直後には世界同時株安となってることから、今後の値動きに注目が集まっています。

 

世界のFRB

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連邦準備理事会(FRB)はアメリカの中央機関ですが、行った金融政策はアメリカだけでなく全世界に影響を及ぼします。なぜならアメリカは世界最大の経済大国だからです。全世界の経済をFRBが決めていると言っても過言ではありません。

ただFRBは、経済の中心だからこそ自国だけが有利に働くような政策をしないよう注意しなければなりません。そうでなければ、世界各国から批判を浴びることになってしまいます。

一国の経済だけではなく、世界各国の経済に影響を及ぼすFRBだからこそ、誰よりも慎重に政策を行っていかなければならないのです。

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