20代で読んでおくべき本「未来の働き方を考えよう」の書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「未来の働き方を考えよう」についてまとめました。新卒就活は右も左も分からない状態です。だからこそ転職を前提に考えるという選択肢も必要です。

未来の働き方を考えようってどんな本?

この本はブロガーであるちきりん氏によるキャリア提言です。副題に「人生は二回生きられる」とあります。未来の不安におびえるではなく楽しく人生を送るために40代でオリジナルな人生を再設計することをすすめています。必要なことは3つです。

  1. 自分が手に入れたい人生を明確にすること
  2. 将来のシナリオを複数持つこと
  3. 市場で稼ぐ力を持つこと

これから働き始める人たちや若手の人が自分たちが置かれている未来を知り、どのようなキャリアプラン、ライフプランを描いていくかを考える良書です。

 

自分はどう働く?

少子高齢化もこれからどんどん進んでいきます。また若い人が大企業という堅苦しい働き方ではなく、自分の自由を守れる新しい働き方を模索しています。では自分はどうするか。ちきりん氏はこう言っています。

考えられる選択肢は3つです。
・多大なエネルギーをかけて勝ち組を目指して戦う…戦う道は大変です。数字などプレッシャーも大きく勤務時間も長く疲弊します。
・世の中のあるべき論から降りる…大企業を辞めるといった、いわゆる上昇志向から降りる道ですが周りの人と違う道を選ぶのは勇気がいる選択肢です…
・だからこそ何も変えない静観の道を選ぶのです。出典:未来の働き方を考えよう

ただ静観の道を選んだとしても、これからの日本の多くの企業は今の状況を維持できず、社員もリストラやボーナスカットという苦境に直面していきます。

またお飾りのポストが割り当てられたり左遷されたりと、働き盛りで最も力が発揮される年齢でも働くことそのものが苦境のなっています。

 

職業人生は2回ある

そこでちきりん氏が提言しているのは「職業人生は二回ある」という発想です。働く期間は20代から40代後半までの前期職業人生と、40代後半以降後期職業人生に分けます。

この考え方は寿命が延びる中で正解がない時代を生きる人にとって様々なメリットがあると言っています。

一生の間にふたつの異なる職業人生を選べるのだという意識を最初から持つということです。そうなれば、働くスタイルや職業の選び方が今までとは大きく異なってくるはずなのです出典:未来の働き方を考えよう

人生の最初の選択と2度目の選択をちきりん氏は旅行、家、人生に例えてわかりやすく説明しています。

旅行でフランスに行ったとします。

初めてのフランスではエッフェル塔やルーブル美術館といった有名な観光地を回るパッケージツアーに参加します。でも次にパリに行くのであればまた同じ場所に行きたがる人は少なくなります。

最初の旅行を経たことで自分が何が好きで、反対に何に関心がないかわかります。

不動産を買ったり家をリフォームする場合も同じです。都心部で初めてマンション購入する時にはものすごく時間をかけて検討するのに、最終的には2LDKや3LDKのシステムキッチン付きといった誰でも同じような物件を買おうとします。

最初の家を売って2軒目の家を購入する場合は「中古でもいいから自分の思い通りの間取りを実現したい」と考える人は一気に増えます。

働き方も同じで、初めての就職では必死に考え悩んでも結局みんな同じような仕事や会社を志望します。他人と違うものは選ぶ勇気がないですし、自分基準で選ぶだけの情報持ち合わせていません。

だから周囲の成り行きや環境に応じてなんとなく始まってしまい、結果として多くの人が同じような定番コースを歩み始めてしまいます。

でも最初から「働き方は40代半ばで再設計するものだ」と考えていたら、少し前から「そろそろ次の働き方を選び直すタイミングだな。今度はどんな働き方にしよう」と考え、もっと自然に別の選択肢を選ぶことも可能になるのではと言っています。

要は旅行も家も、そして人生も、1度目の経験をすることで好き嫌いが明確になり、2度目の選択ではよりオリジナルな、自分にあったオーダーメイドのものを選べるということです。

 

2度目の職業選択の3つのポイント

2度目の選択でポイントが3つあると言っています。

2度目の職業選択の3つのポイント

  1. 手に入れたい人生を明確にする
  2. 将来のシナリオを複数持つ
  3. 市場で稼ぐ力をつける

1.手に入れたい人生を明確にする

やりたいことは社会的に意義のあることや、周りが驚くようなことではなく「誰に評価されなくても経済的な見返りがなくてもやり続けたいと思えるほど好きなこと」だと定義しています。

自分の好きなことを追求するのがリスクだと思える人は、そこまで強く「コレがやりたい!」と思えていないと言います。

2.将来のシナリオを複数持つ

最低5つの将来シナリオを持つことをすすめています。例えば営業として就職した場合は以下の5つのようになります。

  • 社内出世を目指す
  • 出世は目指さず一貫した分野でキャリアを極め、途中で中小企業や新興国の企業に移る
  • 何年かごとに業界や会社を変えながら営業スキルを身につけ、外資系企業から営業チームのヘッドとしてスカウトされるような営業のプロを目指す
  • 一定の年齢で組織を離れ、営業代行や営業スタッフの教育を請け負う自営業者になる
  • 技術を持つ仲間と起業し営業部門の責任者として働く

会社がどうなるかなど誰にもわからないからこそ、自分のキャリア形成を自分で考え続ける必要があるとしています。

3.市場で稼ぐ力

市場で稼ぐ力をつけるためには、市場に近いところで働くことが必要だと言っています。市場に近いところとは、新規参入者への障壁が存在しない業界で、顧客と直接向き合いながら働くことです。

最終的にお金を払ってくれる人を意識することで、市場が求めるもの、評価してくれるものを提供しようという意識を鍛えるという意味です。良いものは必ず売れる的な非常識が身についてしまう市場感覚を改めるということです。そうすれば見えない不安に怯えることなく、いつでもどこでも自分の力で稼ぐことができます。

 

会社は自分を守る存在ではない

これまでは会社がなんとかしてくれた時代でしたが、今はすでに会社は最終的には自分を守ってくれる存在ではありません。だからこそ自分の人生を主体的に生きるために必要な資質を鍛えておく必要があります。

会社の愚痴を言っている場合ではありません。自分がどんな人生を送りたいかもう1度考えてみるきっかけになる1冊です。

 

2度目の職業選択のための準備:編集後記

40代で新しい職業選択をすることを前提にするという考え方は斬新で新鮮な発想だと感じました。本当に40代で転職した方がいいのか、と疑問を持ちましたが、本書に出てくる例を見ると納得がいきます。

新卒就活生にとって就職は初めての経験です。働くということがわからない状態でスタートするのですから、全てを理解して就職することは不可能と言っても過言ではありません。

ファーストキャリアを全て理解できていない状態でスタートするので、自分に合わない仕事を選んでしまう可能性があります。その時、40代でセカンドチャンスがあると考えることで、セカンドチャンスを活かすために必要な準備をすればいいことになります。

本書ではそれを「人生を明確にする」「シナリオを複数持つ」「市場価値をあげる」の3つに絞っています。もちろんこれが全てではありません。自分なりに準備をしてください。

この記事を読んで2度目の職業選択という考え方について深めたい人は、この本を手にとって見てくださいね。


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