変化しなければ未来はない?元保険屋が見た40代ある3代目社長の人生

キャリア

この記事は寄稿記事です。保険の営業職に勤めていた経験を持つAさんが見た、40代の3代目社長の人生を紹介します。会社を取り巻く環境の変化に合わせ、会社自身も変化しなければなりません。新聞やテレビ、会食する人から情報を仕入れ、時代のトレンドを探っています。会社を守っていくために試行錯誤を続けています

親子3代に渡り会社を経営

shutterstock_124036873

会社を創業することは大変ですが、その会社を永続させることはもっと難しいといいます。それは時代とともに環境が変わり、それに合わせて会社も変わらなければ社会のニーズをつかめないからです。

そんな厳しい状況のなかで、親子3代に渡りうまく経営を行っている会社に出会いました。

私が出会ったのは飲食業を経営する3代目社長です。初代社長は満州から引き揚げて来てから、「現地で食べたラーメンが美味しかった」という理由で製麺所を作りました。徐々に販路を広げ顧客を増やしていきました。

2代目社長はその製麺所を引き継ぐ一方で、自らラーメン屋などの飲食業に乗り出しました。日本人の食生活が豊かになり、ちょうどラーメンブームが巻き起こった頃です。2代目社長の戦略があたり、都内近郊に50店舗を構えるようになりました。

そして3代目に経営をバトンタッチしつつも、自らは会長として会社に残り息子を一人前の経営者に育てようと考えています。

 

父親の言うことは絶対

shutterstock_381472021

3代目社長は大学を卒業後、取引先である大手飲料メーカーに就職しました。そこで3年間営業部に所属し、取引先はもちろん新規顧客の開拓に汗を流しました。業務に必要な教育を受ける、いわゆる丁稚奉公をして社会人の基本を学んできました。

自分としては少なくとも5年ぐらいは会社にいるつもりでした。しかし急遽2代目社長である父親に呼ばれ、自分の会社に入ることになったそうです。その理由ははっきりとしていませんが、「父が長年培ってきた感性でしょう」と本人は話していました。

2代目社長は飲食業に乗り出し店舗の拡大を進めた人らしく、物事の本質をとらえる能力に長けています。また決断したら素早く行動し、1度決めたことは譲らない頑固な人だそうです。そんな父親に息子である3代目も逆らうことはできず、むしろ尊敬しているといいます。

そのため父親の言うことは絶対であり、今までもすべて従ってきていると言っていました。そんなこともあって3年で大手飲料メーカーを退職し、経営者としての修行に入ることになりました。

 

雨が降っても数字が変わらない店にする

shutterstock_50637469

会社に入ると新聞やテレビなどのニュース、特に経済の動向について父親と話す機会が増えたそうです。夜は会食をする機会が多く、銀行や証券会社、同業他社など父親が連れてくるさまざまな業種の人に会っています。そこで生の情報を仕入れ、父親と時代のトレンドを探っているといいます。

毎朝各店舗の前日の売り上げを確認し、極端に落ち込んでいる店舗があれば出向いて原因を調べます。そして調べた結果を父親に報告しています。

会社に入りたての頃、お店の売り上げが前日に比べて落ち込んだ日がありました。「前日は雨が降ったので」と父に報告したところ、ものすごい勢いで怒鳴られたそうです。

「雨が降って売り上げが落ち込むんだったら、毎日雨が降ったらどうするんだ。雨が降ろうが降るまいが、それでも数字が変わらない店にしないといけないんだ。

周りの環境は関係ないんだ。日本が不景気だから自分の会社もダメですなんて言っているようなものだ。どうすればいいか考えてから報告しろ!」

このときに3代目はハッとしたそうです。まだまだ自分には当事者意識がないと感じたそうです。そこから真の意味で自覚が出たと言っていました。

 

変化しなければ生き残れない

shutterstock_316353911

基本的に何店舗も構えているお店を経営するということは、「スクラップ&ビルド」だといいます。伸びない店舗をたたみ、新店舗をオープンさせるということです。

お店を新規にオープンすると新しいもの好きの人たちが集まり売り上げが伸びるそうです。それを繰り返すことで前年数字をクリアしていくといいます。

鍵となるのは新店舗の場所と立地です。「仕事のほぼ6割は不動産屋との打ち合わせ」というくらい、毎日良い物件を探しています。

今は新しいラーメン業態の開発と海外進出の機会をうかがっています。ラーメン業界は次々に新しいタイプのお店が増えており、流行の移り変わりが早いです。

新しい味も時間が経てば真似され、そして飽きられます。そのため新しい味を開発し続けなければ会社の未来はないといいます。

すでに日本の飲食店は世界各地に出店しています。成功したお店と失敗したお店の情報はたくさんあります。今の会社は中小零細企業なので、海外進出において失敗は許されないと危機感も抱いています。

それでも少子高齢化、人口減という日本の未来に指をくわえて見ているわけにはいきません。いずれにせよ時代の流れに対応して柔軟に変化し続けていかなければ生き残れないのです。

40代の3代目社長は先代から受け継いだ会社を守っていくために、どのように変わり続けていくか試行錯誤を続けています。

 

経営者も変わらなければならない

shutterstock_316507238

ブームや流行は目まぐるしく移り変わります。その変化に対応していくことができる会社が生き残っていきます。3代目社長は初代、2代目とつないできた会社を守っていくために、試行錯誤を続けています。

3代目社長はずっと父親の言うとおりにしてきました。しかし「どうすればいいか考えてから報告しろ」と怒鳴られたことをきっかけに、将来は自分が会社を引っ張っていかなければならないことを自覚しました。

会社が変化しなければいけないのと同じように、経営者自身も変わり続けなければ生き残っていけないのかもしれません。

あわせて読みたい