駆けつけ警護とは?抑えておくべきポイントや反対派の意見は?本当に必要?

駆けつけ警護とは、PKOに参加する自衛隊が離れた場所にいるPKOや民間NGOの職員らが武装勢力などに襲撃されたとき、武器を持って助けに行く任務です。安全性や憲法違反にならないかなど課題が残っています。南スーダンのPKOに派遣される陸上自衛隊員に新任務として追加されました。

駆けつけ警護とは?

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南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊に対して「駆けつけ警護」といわれる新任務が追加されました。

 

駆けつけ警護とは離れた場所にいるPKOや民間NGOの職員が武装勢力などに襲われた場合、緊急の要請を受け保護しに行く任務です。

 

これまで自衛隊は派遣先で邦人から保護を要請されても充分な対応ができませんでした。

不測の事態に対応するための訓練が不十分で、さらに法律や権限が限定されていたためです。

 

こうした事例を踏まえたPKO協力法の改正により、必要な権限の追加や法的な枠組みを整備が行われました。

これにより自衛隊はリスクを減らすための準備や十分な訓練を行うことができました。

 

日経電子版の2016年11月15日の記事によれば、今回南スーダンに派遣された自衛隊員は約350人です。

現在南スーダンで活動している部隊と入れ替わる形で、約半年間活動します。

 

抑えておくべきポイントは?

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今回新任務として追加された「駆けつけ警護」に関して、抑えておくべきポイントは以下の3点です。

今回の「駆けつけ警護」のポイント

  1. 能力の範囲内で、応急的かつ一時的な措置
  2. 他国軍人の警護は想定せず
  3. 「ジュバ及びその周辺地域」に限定

1.能力の範囲内で、応急的かつ一時的な措置

政府が示した「新任務付与に関する基本的な考え方」によると「極めて限定的な場面で、緊急の要請を受け、能力の範囲内で実施」とされています。

「極めて限定的な場面」は、近くに他の国連部隊がいない状況で速やかな対応が求められるときなどです。

自衛隊の派遣部隊長が要請された内容を考慮し、実施するか判断します。実施の際はあくまで能力の範囲内で可能な対応をします。

 

2.他国軍人の警護は想定せず

南スーダンに派遣されている自衛隊は施設部隊であり、治安維持が任務ではありません

他国の軍人が危険な状況にあるときは、南スーダンの警察や軍、国連の部隊が保護に当たります。自衛隊による他国の軍人の警護は想定されていません。

 

3.「ジュバ及びその周辺地域」に限定

2016年11月現在、南スーダンにはジュバ地域を中心に約20人の邦人が滞在しています。そのため不測の事態が発生した場合、ジュバ及びその周辺地域に限定された「駆けつけ警護」が実施されます。

 

駆けつけ警護反対派の意見は?

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「駆けつけ警護」に対しては批判の声もあります。

 

「駆けつけ警護」において武器使用の基準が緩和されため、自衛隊員が戦闘に巻き込まれるリスクが拡大してしまうといわれています。

 

2016年7月にはジュバ付近の難民キャンプの警戒任務を行っていたPKO歩兵部隊が、砲弾による襲撃を受けています。この時中国人の隊員2人が命を落とし、数名が重傷を負いました

 

自衛隊員が戦闘に巻き込まれた場合「隊員の命の危険がある」といった指摘の声が挙がっています。

 

また「駆けつけ警護」は憲法違反になる恐れがあるとされています。

警護の際に自衛隊が「国にあたる組織」を攻撃してしまった場合、憲法違反になってしまいます。

 

「駆けつけ警護」を憲法違反だとして、反対派による抗議デモも行われています。

 

駆けつけ警護は本当に必要?

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「駆けつけ警護」が必要な理由を、政府は活動関係者の安全と自衛隊のリスクの低減のためとしています。

「駆けつけ警護」が新任務として追加されたことにより、自衛隊員は不測の事態における邦人保護の訓練や準備ができるようになりました。

 

また任務に追加されたことで、自衛隊員が不測の事態に陥ったときに迷いなく任務に当たることができるとされています。

「駆けつけ警護」は国際貢献のために必要ともされています。

菅官房長官も「国際貢献に寄与することができる」という点を強調しています。

 

日本はPKO活動に対し、人的貢献だけでなく財政的にも大きく貢献しています。

日本は加盟国の分担金として約11%を負担しており、アメリカについで2番目に多いです。

 

こうした日本の貢献が世界から求められているとはいえ、自衛隊員のリスクを高めてしまう「駆けつけ警護」の必要性については現地の意見も含めて今後も議論しなければいけません

 

懸念や不安は増している

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駆けつけ警護は、離れた場所で武装勢力に襲われているPKOや民間NGOの職員を緊急の要請を受け保護しに行く任務です。

他国の部隊とともに武装勢力から共同宿営地を守る「共同防護」とあわせ、2016年12月12日から実施が可能になりました。

 

「駆けつけ警護」に関しては充分な訓練と準備が行われているとされています。

ただ2016年7月にジュバ付近でPKO歩兵部隊が襲撃されたことからも、自衛隊員のリスクが高まることは避けられないでしょう。

 

「駆けつけ警護」に対する懸念や不安は増しているように思います。


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