経団連とは?会長や政策、歴史に大きな影響を与える背景を解説

ニュースで良く見かける経団連とはどんな組織か知っていますか。経団連とは日本の東証第一部に上場している企業を中心に構成される団体です。日本の政治に大きな影響を与えていました。経団連は就活生にもビジネスパーソンにも影響を及ぼします。この記事では、経団連の目的、会長の経歴や提言している政策についてまとめました。

経団連とは?

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経団連の正式名称は

  • 日本経済団体連合会

です。

 

東証一部上場の大企業を中心とした経済団体です。

加入には純資産が10億円以上などの条件があり、日本の大企業1340社が参加しています。

 

中小企業から成る「日本商工会議所」、経営者が個人的に参加する「経済同友会」と並ぶ「経済三団体」の1つです。

 

経団連の設立

設立は比較的最近です。

2002年5月に経済団体連合会と日本経営者団体連盟が統合して発足しました。

 

経済団体連合会は日本経済の再建・復興を目的とした団体として経済発展していました。

一方で、日本経営者団体連盟は労働問題を専門的に扱う経営者団体として労使関係の構築を行っていました。

 

日本が長期不況下のもと、労使間の対立が目立ったものではなくなったので、2002年5月28日統合されて日本経団連となりました。

 

経団連の目的

経団連は経済界が政治力を持つことを目的としています。

経済界が直面する国内外の広範な重要課題について会員企業の意見をまとめ、政策提言やグローバル化の推進を行っています。

 

具体的には貿易の自由化や税制などについて政府への政策提言をしています。

各国の政府・経済団体、国際機関との対話を通じて、国際的な経済関係の緊密化も図っています。

 

日本の代表的な企業の多くが加入する団体の提言は影響力が大きいといえるでしょう。

ただ、大企業は経団連に加入した場合には政治力が強まる代わりに行動に制限がかかります。

 

主な制限としては、企業への信頼の確立に努めるために経団連が定める企業行動憲章を守る義務があります。企業行動憲章は10箇条からなり、企業の社会的責任を求める内容となっています。

 

経団連の会長は?

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経団連の会長の役割や人物は?

現在の経団連の会長は榊原定征(さかきばら さだゆき)氏です。

 

2014年より4代目の経団連の会長に就任しました。

東洋レーヨン相談役最高顧問でもあります。

 

経団連の会長は国内外の政界関係者と意見交換をする時などに中心的役割を果たします。

日本経済の中心となる企業のリーダーから選ばれる傾向にあります。

更には政界との関わりが深いことから、財界総理と呼ばれます。

 

榊原氏の生い立ち

榊原氏は神奈川県横須賀市生まれです。

情報サイト「PRESIDENT online」によると、大学時代は学費や生活費をアルバイトで稼ぎながら研究にも没頭する努力家だと記されています。

1967年に名古屋大学大学院で修士を修了し、東レに入社しました。

 

東洋レーヨン時代の榊原氏

東レ入社後には、経営企画畑を歩みます。

炭素繊維を主力事業に育て、東レを世界シェア首位に引きあげました。

 

榊原氏は、2002年に東レの社長に就きました。

東レの社長時代には米ボーイング社との交渉を成功させ、次世代ジェット旅客機「B787」向けの炭素繊維の長期供給契約を締結します。経営のグローバル化戦略を加速させました。

 

「ヒートテック」といったのヒット商品の開発や自動車産業への事業拡大も積極的に推進します。

東レを名門に復活させた実力派であるといえます。

 

榊原氏の東洋レーヨン以外の面

2010年に商船三井、2012年に日本電信電話、2013年に日立製作所の代表取締役に、それぞれ就任しています。

また、2007年に産業競争力会議の民間議員を務めていました。

 

榊原氏は政界との関わりも深く、安倍晋三政権とも関係が近いといわれています。

 

経団連はどのような政策を掲げてる?

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経団連は以下の3つの面で政策を掲げています。

経団連の3つの政策

  1. 財政政策
  2. 通商政策
  3. エネルギー政策

1.財政政策

経団連は法人税率20%引き下げを主張しています。

財務省によると、2016年11月現在の日本の法人税は約30%で年々低下傾向にあります。

一方でOECD諸国の法人税の平均が約25%です。

 

経団連には法人税を引き下げることで競争優位性を確立させようという思惑があります。

法人税を引き下げれば、その分コストが抑えられるためです。

 

一方で消費税の引き上げには賛成の立場をとっています。

財政健全化のために大企業から税金をとるのではなく、国民全員で負担しましょうということです。

 

2.通商政策

経団連は自由貿易推進を主張しています。

農業の保護を主張するJAグループとは立場が異なることから犬猿の仲です。

 

自由貿易を推進していることから分かるようにTPPの早期実現も求めています。

2016年7月に榊原会長は安倍首相にTPPに早期承認を求めました。

 

エネルギー政策

経団連は原発推進を主張しています。

経団連では、原子力に関する技術力を持つ企業や東京電力といった主要な電力会社が参加していることが背景にあります。

 

榊原会長は民主党政権時代に決まった「2030年代に原発稼働をゼロ」に反対しています。

朝日新聞によると「安全が確認された原発は、速やかに再稼働すべきだ」と発言していました。

 

原発の早期再稼働を求めています。

 

経団連は歴史に大きな影響を持つ?

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経団連の前身組織であった経済団体連合会は非常に強い影響力を持っていました

 

冷戦時代、経済団体連合会は自民党に政治献金の仲介役を担っていました。

献金を行う経済団体連合は政治家に大きな影響力を持ったのです。

首相をしのぐ権力を持つとも言われていました。

 

バブル崩壊以降、経団連の影響力は低下してきています。

会員企業の業績が悪化したことで政治献金も中止に追い込まれます。

 

さらにプラザ合意で円高が進んだことで企業の海外進出が進みました。

グローバル化の進行に伴い、会員企業の利害関係に違いが多く現れるようになります。

このことにより、経団連の中でも意見が割れ、まとまりがなくなっていきます。

 

日本の経済はサービス化が進んでおり、GDPの約20%しかない製造業を中心とした経団連の政策は現実経済と離れていっています。

 

経団連は影響力を取り戻すために、2014年に政治献金を再開しています。

榊原会長は安倍首相の方針に沿った発言を繰り返しています。

ただかつての影響力を取り戻せるかは未知数です。

 

ニュースで報道される経団連

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影響力が低下したとはいえ、経団連は日本を代表する経済団体です。

 

法人税が年々低下していることからも分かるように、会員企業の利害が一致する政策に関しては影響力は一定数持っています。

一定の影響力を持つ経団連の発言はニュースや新聞でよく報道されます。

 

経団連の決定は就職活動にも影響を及ぼします。ビジネスパーソンにも就活生にも影響力のある団体と言えます。

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