思いやり予算とは?日本の負担額は増える?トランプ氏の要求は?

思いやり予算とは、「在日米軍駐留経費負担」の通称です。日本側の負担額のうちの一部が思いやり予算であり、米軍の住宅建設や光熱費などに当てられています。他の同盟国と比べて日本の負担額は多く、さらに米国次期大統領のトランプ氏は増額を要求する意向を示しています。思いやり予算の問題は多角的に考える必要があります。この記事では、思いやり予算やその推移、他の同盟国の状況、トランプ氏の要求についてまとめました。

思いやり予算とは?

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思いやり予算とは、防衛省予算に計上されている

  • 在日米軍駐留経費負担

のことをいいます。

 

在日米軍の駐留経費を日本が負担している

  • 日米地位協定
  • 在日米軍駐留経費負担特別協定

により「在日米軍基地内で働く日本人従業員の給与の一部」などの費用日本が負担することと決められています。

在日米軍の駐留経費のうち日本が負担している部分の一部が思いやり予算です。

 

原則として、日本が基地の提供に関する経費を負担し、アメリカ側が基地の維持や作戦に関する経費を負担することとされてます。

 

駐留経費の一部が「思いやり予算」

1970年代に円高ドル安などによってアメリカ側の負担が大きくなったため、急激に経済成長する日本に対し経費の負担を求めました。

日本はアメリカの要求を受け入れ、当時の金丸防衛庁長官が「思いやりの立場で対処すべき」と答弁したことから思いやり予算と呼ばれるようになりました。

 

思いやり予算は日本が負担している部分の一部です。

「日本側の負担する駐留経費=思いやり予算」ではないので注意しましょう。

 

思いやり予算の推移は?

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初年度の1978年度には、日本人従業員の福利費として

  • 約62億円

を負担しました。

 

翌年度には、従業員の語学手当や住宅建設費も負担するようになりました。

負担額は

  • 約280億円

に増加します。

 

思いやり予算は年々増加していた

その後の2回の特別協定では、日本人従業員の手当や基本給、光熱費の負担が開始されました。

思いやり予算は年々増加していきます。

 

1996年には日本の要請による在日米軍の訓練移転費の負担も開始し、日本の負担範囲は拡大していきます。

 

1999年度にはピークの

  • 約2756億円

になりました。

 

バブル崩壊にともない減少傾向に

バブル崩壊による景気の悪化にともない、思いやり予算の増加に対する国民からの批判の声が高まりました

日本政府はアメリカ政府に対し、節約努力を求めました。

 

その結果、思いやり予算のは減少傾向が続きます。

 

2015年の特別協定では、2016~2020年度までの5年間で約9465億円の思いやり予算が支払われることが決まりました。

毎年度の平均負担額は約1893億円です。

 

他の同盟国の状況は?

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アメリカ軍の駐留を受け入れている主な国の経費負担額は以下のとおりです。

日本は2016年度、韓国は2014年、ドイツは2013年のものです。

日本 7612億円
韓国 1012億円
ドイツ 563億円

 

他国と比べると日本が圧倒的に巨額の支援をしていることがわかります。

米軍駐留経費に占める割合でも韓国やドイツの30%~40%と比べ、日本は70%ほどとなっています。

 

日本の経費負担額はアメリカと同盟関係にある他の26カ国の総額よりも多いといわれています。

日本は「世界一気前の良い同盟国」と世界から揶揄されています。

 

日米地位協定の問題

経費負担額だけでなく地位協定の内容からも、「日本の気前の良さ」がわかります。

日本にある米軍基地の管理権はアメリカにあります。

日本の政府や法律に規制されることはありません。

 

ドイツやイタリアでは、演習や軍事行為は政府や法律により管理、規制されます。

場合によっては基地内での警察権の行使なども認められています。

 

このことから日米地位協定は「植民地時代の地位協定」と世界から揶揄されています。

 

トランプ氏の要求は?

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アメリカ次期大統領のトランプ氏は日本やドイツ、韓国などの同盟国に対し、米軍駐留経費の負担増を要求する考えを示しています

 

現在日本の負担額は思いやり予算などを含めると

  • 約7600億円

となっています。

 

アメリカ側が今年度予算に計上した負担額は約6000億円です。

トランプ氏の要求を受け入れた場合、日本の負担額は約1.3兆円を超えます。

 

トランプ氏の要求にどう対応するか

トランプ氏は日本側が米軍駐留経費を負担しない場合、「在日米軍の撤退もいとわない」旨の発言もしています。

 

仮に米軍が撤退した場合、日本の防衛費は増えると考えられています。

米軍駐留経費を全額負担するよりもはるかに多い額の防衛費が必要といわれています。

 

アジアでの影響力を維持したいアメリカにとって、日本の米軍基地は重要な拠点になっています。

日本政府は「日本側はすでに多額の負担をしている」として、トランプ氏に再考を促す考えです。

 

多角的に考える必要がある

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思いやり予算とは、「在日米軍駐留経費負担」の通称であり、日本側が負担する駐留経費の一部です。

1970年代の円高ドル安に苦しむアメリカの負担を軽減するために、思いやりの立場で日本が一部を負担するようになりました。

 

2015年の特別協定では日本側は思いやり予算の大幅削減を求めました。

しかしアメリカ側に押し切られ5年間で約133億円増額しました。

 

またトランプ氏のアメリカ大統領就任が決まり、さらなる日本側の負担額増加が求められています。

 

思いやり予算は単なる負担額の増減を考えるのではなく、今後の日米関係やアジアでのアメリカの影響力など多角的に考える必要があります

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