20代で読んでおくべき本「生き方」の書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「生き方」についてまとめました。壁に当たったときやなにかうまくいかない時、自分はなぜ働いているんだろう?と感じるときはありませんか。そんなときは原理原則に立ち返るのが大切です。

生き方ってどんな本?

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この本は京セラを立ち上げた日本を代表する経営者、稲盛和夫さんの著作です。

社会に出て周りを見渡せるような余裕ができれば、ある程度社会に慣れたと言えます。一方で、何か充実しない、何か不安だと感じる時があります。そんなときふと「いったい自分は何のために生きているのだろう。何のために働いているのだろう」と感じてしまいます。

そんなときにはあれやこれやと考えを巡らす前にまず人間の原理原則に立ち返る必要があります。この本はそんなとき人間として生きていく上で大切なことは何かという原理原則を教えてくれます。

 

原理原則とは?

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原理原則とは大昔からずっと長い歴史のなかで変わらない普遍性をもったものです。稲盛さんは経営で行き詰ったときに、そんな普遍性もった人間の原理原則は経営にも役立つのではないかと考えて経営判断の基準にしたそうです。それは親や学校の先生に言われたような当たり前のことです。

嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人には親切にせよ

経営は人間が人間を相手に行なう営みです。そこですべきことやしてはならないことも、人間としての規範にはずれたものではないはずだと考えたそうです。

どんな仕事をしていようが、最終的にはどれだけ正しく生きてきたか、どれだけ幸せに生きてこれたか問われるのだと思います。働くことはそのための手段に過ぎないのです。

どれだけ仕事で成果出し続け、評価されたとしても当たり前のことができなければだめです。人として正しく生きる、そのために人間的に大きくなっていき、正しい考え方で正しい行動をすることができなければ、幸せにはなれません。

 

人として立ち返るところ

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高校時代から注目されプロ野球でも活躍した清原和博さんがいます。覚せい剤を使用し逮捕起訴され、有罪判決を受けたことは周知のところです。

高校一年生から強豪PL学園の4番バッターとして活躍し、その後3年間ホームランを打ち続けて甲子園を沸かしました。鳴り物入りでプロの世界に入り、そこでも通算ホームラン数525本を記録しました。プロ野球の長い歴史のなかでホームラン数第5位と、近代プロ野球で最も高い成績です。

ただ、高い成果を出すことと人として正しく生きることは別のことなのです。世間からの注目を浴びれば浴びるほど、人としても成長していかなければ幸せにはなれません。

ですが、成果を出して周りがちやほやすると勘違いしてしまうのです。心に隙が生まれて、正しい道からそれて行ってしまうのです。

とくに野球というスポーツは世間の注目度も高く、監督も教育者というよりはまず勝つことで人は育つのだという勝利至上主義の考え方を持った人は多いように見受けられます。

勝つことは大切なのですが、それよりもその先の子供達の人生の方がもっと長いですし、もっと大切です。そこで生き抜いていくために必要な原理原則を、指導者が野球の技術的なことと同じ比率で教えていかなければ、その先の人生で真に幸せになることはできません。

勝てばいい、勝てば何をしても許される、という考え方では負けたときに対処できないのです。そのとき立ち返る所が人として正しく生きる原理原則なのです。

 

知識よりも実践

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この本の中で稲盛さんは、知識よりも実践しなさいと言っています。稲盛さんが会社を立ち上げて間もない頃、経営を学ぶために自動車メーカーホンダの創設者である本田宗一郎さんの講演に参加しました。そこで本田さんは、会場に集まった聴衆にこう言ったそうです。

「みなさんここにくる暇があるんだったら一刻も早く会社へ帰って仕事をしなさい」

結局のところ経営するということは、さまざまな経営者から学ぶよりも、自分で試行錯誤していきながらでないとうまくいかないのです。これという答えは存在せず、1人1人でその答えを築いていくことが経営なのではないでしょうか。

偉大な仕事をしうる知恵は経験を積むことによってしか得られません。自らが体を張って取り組んだ実体験こそがもっとも貴い財産になるということなのです。出典:生き方

何か知識を得るためにインターネットで検索することは必要です。経営理論を知ることは大切ですが、それは結局やってみないことには何も始まりません。自分で体得したものではないため、困難にぶつかったときに役に立たないのです。

何か自分を変えるために自己啓発本を読むこともあるかと思いますが、読んだ後何か気分的に変わった気がするだけで、結局は行動して成果を出さなければ何も変わりません。コーラを飲んでスカッと気分転換しただけなのです。

この本は経営本ではありますが、人として正しく生きていくために必要なことは何かを知る1冊です。

 

人生も基礎が大事:編集後記

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何かに行き詰まった時、立ち返るべきは原理原則です。最も基礎的な部分です。基礎が大事だと様々な場面で言われますが、いきていくうえでも基礎が最も大切なのです。

そういう意味で言えば、実践するということも基礎的な原理原則の1つなのではないでしょうか。人生においても、ときには立ち止まることも必要でしょうが、その後歩き出さなければ進むことはできません。これもある意味で実践です。

社会に出てすぐの頃は、これまでの生活との変化に戸惑い、つい学生時代に思いをふけってしまいます。あの頃に戻ってみんなと楽しく飲みに行きたい、遊びに行きたいと感じることもあるでしょう。

ただ、時間は待ってはくれません。常に同じ時間、私たちに与えられています。壁に当たった時、一度立ち止まって原理原則に立ち返ったら、今度は少しずつ実践して歩きはじめてください。実践することでしか進むことはできないのですから。

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