森川亮『シンプルに考える』書評|20代で読んでおくべき本

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「シンプルに考える」についてまとめました。シンプルに考えるのは簡単なことではありません。年齢を重ねるほど、どうしても難しく考えてしまいます。そんな時は自分に問いただしてみてください。「結局何がしたいんだ?」

『シンプルに考える』ってどんな本?

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『シンプルに考える』はSNSアプリ「LINE」の社長をしていた森川亮さんの経営についての考え方をまとめたものです。

 

経営となるとSWOT分析やROE、ROAといったさまざまなな方法で戦略を立てようとします。

 

森川さんも同じでした。

 

とにかくいいものを作る

ただ組織のメンバーは誰も理解してくれなかったそうです。

とくにアプリ開発者はとにかくいいものを作りたいという職人集団です。

 

その人達にこう言われたそうです。

 

そんなことより、とにかくいいものをつくることが大事じゃないの?出典:シンプルに考える

 

森川さんをハッとさせた出来事でした。

 

これがこの本のタイトルを象徴しています。

とにかくいいものをつくることだけを考える、価値があるものを世の中に提供することだけを考えるということです。

 

  • 「ビジョンはいらない」
  • 「モチベーションは上げない」
  • 「イノベーションは目指さない」

などなど、いままでの企業では大切だと言われていることも、いいものをつくるためには必要ないことだと言っています。

 

とにかくいいものを作ること

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実は森川さんが言う必要ないことはすべて後付けだったりすることがあります。

 

会社を創業して、売り上げを上げるために従業員を雇って、顧客を見つけて営業して、寝る間も惜しんで働いて、何とか売り上げがあがり会社が回るようになって。

 

ほとんどの会社のスタートはこんな感じだと思います。

 

会社の規模がどんどん大きくなり、いずれは日本を代表する世界企業になったりします。

その手腕に注目しマスコミが取材したり、経営者の語録が出版されたりすると、オブラートに包まれたり、万人ウケするものに加工されたりするものなのだと思います。

 

毎日結果を出すために必死にやって、あとから振り返るとこういうことだったんだろうなということです。

 

稲盛和夫さんもシンプルに考える人

例えば私が好きな経営者に稲盛和夫さんがいます。

 

稲盛さんはビジネスを始めるときには「動機善なるや、私心なかりしか」と心得ています。

そのビジネスをやりたい動機が正しいもので、お金持ちになって遊びたいとかそんな私心から始めてはいけないということ言っています。

 

ですが想像するに、本当に20代でビジネスをしようと会社をつくったころにはそんなことは考えてはいないと思うのです。

何十年か経ってビジネスの要諦がわかってきたころに、その本質が見えてこの言葉が出てきたのだと思います。

 

稲盛さんだって創業当時は気合いだとかビジョンだとかそんなことは考えず、とにかくいい製品を作ること、この1点だけに集中していたはずです。

 

1番大切なことは何?

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私は予約がなかなかとれない1人単価およそ2.5万円の高級寿司店で働いたことがあります。

 

その板前さんたちは経営指標とかまったくわかりません。

 

毎日毎日考えていることはただ1つ

  • 「とにかくおいしい料理をつくること」

です。

 

料理店がお客様に提供するさまざまな価値のうち一番重要なのは「おいしい料理」です。

料理が美味しければお客様は来てくれるし、まずければ来ないというシンプルなものです。

 

立地はどこがいい、宣伝はこうした方がいい、ホームページはこうしなければ効果がない、お店の広さはこれぐらいで、などなど挙げればきりがないのですが、すべて本質ではありません。

 

 

会社でも同じです。

場所や階数はもとより、社是や社内のレイアウトや、さらに言えば勤務時間までも、企業がいいものを提供するための本質ではありません。

 

そんな周辺のことに頭を使い、肝心の1番大切なことに注力していない会社がほとんどだと思います。

 

本質は無駄をそぎ落としたもの

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森川さんはシンプルでなければ戦略でないと言っています。

複雑な戦略だと働いている人達もわからないのです。

 

当時のLINEの戦略は「どこよりも早く、最高のクオリティのプロダクトを出す」というものでした。

料理店のおいしい料理をつくることと同じで、シンプルかつ本質を突いている戦略です。

 

シンプルに考えることは意外に難しい

社会に出ると、会社もそうですが自分自身も「何が1番重要か」ということが、さまざまな周りの情報に溢れているうちにわからなくなってくるときがあります。

 

シンプルに考えることは意外に難しく、なんだかんだ難しく考えてしまうものです。

そうなっているのに気づかないのです。

 

そんなときこの本は自分の大切にしたいことを思い出させてくれます。

本質は無駄なことをそぎ落としたものです。

 

世の中にとって価値があることは何か」です。

 

この1点以上でも以下でもありません。

 

人は雨が降っただけでなんとなく嫌だなと感じる感情の生き物だと言います。

ときにはテンションがあがったり、不安になったりするのも感情です。

 

感情に左右されず、だだひとつ、あなたにとって世の中に価値があると信じることを考えさせられる1冊です。

 

本質を考える:編集後記

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「シンプルに考える」とはつまり「本質を考える」ということだと思います。

 

これは経営だけに当てはまることではありません。

日常生活やビジネスの世界にも関わるものです。

 

企業で言えば本質とは経営理念です。

その企業が何を目指しているのか、どのように社会に貢献するのかが明確にされています。

逆に、経営理念が明確でない企業は本質が捉えられていないと言えます。

 

ビジネスパーソンの人は自分の会社の経営理念を、就活生は目指す企業の経営理念を見直してみてください。

シンプルに考えられていますか。本質が捉えられていますか。

 

日常生活で言えば、シンプルに考えるとは「結局自分はどうしたいか」ということだと思います。

20代の人は特に、恋愛などで悩むことが多いでしょう。

 

そんなときはシンプルに考えてください。

「結局自分はどうしたいか」これが全てです。

 

この記事を読んで、シンプルに考えることに興味を感じた人はこの本を手に取ってくださいね。

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