20代で読んでおくべき本「マネジメント」の書評

書評・レビュー

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「マネジメント」についてまとめました。ドラッガーのマネジメントは、経営学の教科書といわれています。ドラッガーはマネジメントの中で様々なことを主張していますが、そのうちの1つに企業の役割があります。ビジネスパーソンであれば何らかの企業にいると思いますが、その企業は何のためにありますか?

マネジメントってどんな本?

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この本を書いたピーター・ドラッカーは「マネジメント」という言葉を初めて使いました。現代経営学やマネジメントを発明した人です。当時世界的な大企業だったGMを1年半取材し、そのなかでこのマネジメントという言葉と概念をこの世に生み出しました。

私が一番薦めたいドラッカーの考え方は、会社を公のものとしている点です。企業の利益はその社会的な役割を果たしていくための条件であり、利益を上げることが企業の目的ではないとしています。

お金を稼ぐことは手段であり、稼いだお金で何をするのかが大切だと常に問いています。ドラッカーは繰り返し、企業は世の中に貢献する組織でなければならないことを訴えているのです。

 

企業が果たす役割は?

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企業が果たす社会貢献のひとつに雇用があります。

会社は売り上げを挙げるために従業員が必要です。その社員が休みがなく、また毎日毎日疲弊するほど夜遅くまで働いているにもかかわらずお給料がとても安かったらどうでしょう。家族がいれば生活することもままならなくなります。

たくさんお給料をあげればその分会社が成り立たなくなってしまいますが、社会常識でこれぐらい働いていればこれぐらいのお給料は払わないとという金額の基準があります。これぐらい休みがないといけないという法律があります。企業には従業員とその家族を幸せにするという社会的な役割を果たす一面もあるのです。

日本の農政家、思想家の二宮尊徳の言葉にも同じようなものがあります。二宮尊徳は幼少に二宮金次郎と言われた人で、よく小学校に銅像がある人です。

「道徳なき経済は大罪であり、経済のともなわない道徳は寝言である」

ここでいう道徳とは会社の理念であり、経済は利益です。理念がないのに利益を上げるのはダメで、また理念だけで何の利益もないのは現実味がないということです。理念と利益は常にセットでないと会社は存続していかないのです。マネジメントとはそのために必要な概念です。

 

企業の活動の条件と目的とは?

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会社が存続するためには利益を上げなければいけません。ドラッカーはそのために「顧客を創造」しなければいけないと言っています。

こんなのあったらいいな、という世の中の欲求や不満を満たす商品を生み出して、世の中の人がお金を払って買おうと意思決定する、これが顧客の創造です。

そのお金が会社の利益になり、経営を安定させる。その利益で新しい商品を開発するなどしてさらに顧客を生み出し、社会に貢献していく。これがドラッカーの考える企業の活動の条件と目的です。

 

市場価値を高めるということ

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前項の考え方を個人として落とし込むことが大切です。これからキャリアアップしていきたいという場合、自分自身の市場価値を高めていかなければいけません。ある意味自分を買ってもらう顧客を創造しなければいけないわけです。

そのために必要なことのひとつに語学力があったとすると、語学学校に行かなければいけないかもしれません。その資金は会社に貢献した対価としていただくたお給料を使うでしょう。ドラッカーの考え方と同じように、もたらせるお給料(=利益)は、自分を公の存在として価値を高めていくために使うのです。

 

資本主義社会で生きるための道徳

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ドラッカーのマネジメントの根底には社会正義があります。人間の自由と幸福を実現する社会を目指し、企業はその助けにならなければいけないとしています。

このように考えていくと、企業だけではなくその構成員である我々も社会正義を実現するために行動しなければいけないのだと思います。

自分のことだけを考えて行動するのは人間の動物的な本能だと思います。明日食べていくこともままならないのに他人のことも考えるなんてことはできません。そこにゆとりが生まれると社会性を持つことができます。視野が高く、また広くなるからです。

ゆとりとは経済だと思います。お金があれば余裕が生まれ、余裕が生まれれば周りを見渡すことができ、困った人がいれば助けることができるのです。

ドラッカーが説いているのは経営のことなのですが、実はこの資本主義社会で生きるための道徳なのではないだろうかと思います。そんな自分の生き方をあらためて検証するためにもこの本をお薦めします。

 

働くことは幸せにすること:編集後記

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ドラッガーのマネジメントは経営学の教科書として有名な本です。日本の若年層には岩崎夏海著「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーのマネジメントを読んだら」通称「もしドラ」で浸透しました。

ドラッガーは本書の中で、企業のあり方について論じています。ドラッガーによれば、企業は社会貢献のために存在するもので利益を上げることは目的ではなく結果です。ただ企業の存続のためには利益が必要であり、「人間の自由と幸福を実現する社会」のために利益を使うのです。

働く意味も結局のところ企業の存在理由と同じではないでしょうか。社会に貢献するために働き、その対価として給料を受け取る。給料を払う側は労働者に対して貢献するために賃金を払い、給料をもらう側は自分や家族を幸福にするために賃金を使う。これが「幸福を実現する」ことだと思います。

働く意味がわからない、という若手ビジネスパーソンもいると思いますが、つまりは誰かを幸せにするために働いているのです。それは家族かもしれないし、自分かもしれない。働くことによって誰かを幸せにし、受け取った給料でまた誰かを幸せにしているのです。

この記事でドラッガーの考え方が少しでも理解できたら、この本を手にとって見てください。

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