20代で読んでおくべき本「伝え方が9割」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「伝え方が9割」についてまとめました。お願いしてもなかなか引き受けてくれないことってありますよね。もしかしたら伝え方が良くないのかもしれませんよ。

伝え方が9割ってどんな本?

これは元博報堂のコピーライターで、現在は広告代理店の株式会社ウゴカスの代表取締役社長、佐々木圭一氏の著書です。佐々木氏がコピーライターの経験で学んだ人を動かすための伝え方をまとめています

社内、対顧客、友人など毎日の会話をどう伝えていくかで相手の反応が変わります。同じことを言い方を変えるだけで動かなかった人が行動するようになります。

伝え方の大前提は、相手を思いやること、感謝の気持ちです。コミュニケーション能力をレベルアップさせたい若い世代に必見です。

 

NOをYESに変える3ステップ

私たちは1日に22回お願いをしているそうです。その際に相手がNOという答えをYESに変えることができたらいかがですか?依頼や誘い内容は同じでも、伝え方次第で相手の返事がNOにもYESにもなります。NOをYESに変えるには3つのステップがあると言います。

1.自分の頭中をそのまま言葉にしない

デートに誘いたいとき、ストレートに「デートして欲しい」と切り出すのは上手な方法ではありません。

2.相手の頭の中を想像する

1度自分のお願いから離れて、相手の頭の中を想像します。

例:興味ない人とデートしたくない、初めてのものが好き、イタリアンが好き

3.相手のメリット一致するお願いをつくる

好きのものを満たす言葉をつくります。

例:「驚くほど旨いパスタの店があるんだけど、行かない?」

 

頭の中を想像する7つの切り口

前項でまとめた3ステップのうち、最も難しいのは相手の頭の中を想像することです。本書では相手の頭中を想像するための会話の切り口を7つ紹介しています。

NOをYESに変える7つの切り口

  1. 相手の好きなこと(要望を相手のメリットに置き換える)
  2. 嫌いなこと回避(要望をやらない場合のデメリットを伝える)
  3. 選択の自由(2つの選択肢を提示してどちらか選ばせる)
  4. 認められたい欲(要望の前に、相手を認めていることを伝える)
  5. あなたに限定(相手に特別だと伝える)
  6. チームワーク化(自分も一緒に行動すると勧誘する)
  7. 感謝(要望の時に一緒に感謝を伝える)

1:前項での例が当てはまります。

2:「芝生に入らないで」と言うより「芝生に入ると農薬の匂いがつきます」とデメリットを伝えることで、相手は芝生に入らない可能性が高くなります。

3:相手が主体的に選んだという選択の自由を与えることです。「パスタとフォカッチャのお店どちらがいい?」という比較なら簡単に選んでしまいます。デートに行くことが自然に前提になっているのです。

4:「きみの企画が刺さるんだよ。お願いできない?」と言えば相手はしぶしぶだけど認められているという嬉しさもあり、要望を受け入れやすくなります。

5:4の認められたい欲に訴えることと似ています。「他の人はこなくても◯◯さんだけには来て欲しいんです」と限定して頼みます。

6:例えば子供に対して、勉強しなさいというのではなく「一緒に勉強しよう」と伝えれば子供もやる気になるのではないでしょうか。

7:「いつもありがとう」という感謝の言葉から入ると人は断りにくくなるそうです。

そのほかにも人を動かす強い言葉をつくる方法などが紹介されています。

 

本質はテクニックではない

つまるところ、人に何かを伝えるということは相手のことを好きになるというレベルまで考えることではないかと感じます。

こちらの要望を通すという半ば強引な本音を言葉のテクニックで操るという見方もありますが、そう感じてしまうのは自分がやっていることに100%の自信がないことの裏返しです。

例えばあなたが車の販売員だとします。扱っている車をどうしても好きになれないのですが売らなければなりません。社内のコンテストもあり負けたくない。そんな状況でこの7つの切り口を実践したら気持ちがいいでしょうか。おそらく自分の本音を押し殺しているので、やっていることが詐欺のように感じられると思います。

これが本当に自分が好きな車だとどうでしょう。自分は好きだけどこの想いをちゃんとしっかり伝えたいのに伝えられない。何かいい方法はないか。という想いであれば7つの切り口を気持ちよく使うでしょう。

ですから自分の本音に正直になっていないと自分がつらくなり、使われた相手も気分がいいものではありません。この切り口は使わない方がいいと思います。

これらのテクニックを紹介することが本書の趣旨ではありません。先ほどの切り口7で紹介しているように、まずは周りの人への感謝を伝えるのが大前提だいうことです。

自分さえよければいいという考え方では伝わるものも伝わらないのです。相手がどう感じているか。想像力をかきたてて下さい。相手を思いやれるかどうかが伝え方の肝心な残り1割だと思います。

 

テクニックは本心を伝えるためのもの:編集後記

この記事の編集者は小学生の頃引っ込み思案で声が小さかったため、先生によく「相手に聞こえなければ言っていないのと同じ」といわれました。これは本質をついた指摘だと思います。

発信する側がどういう意図で発言や情報公開をしようと、受け取る側がどう感じるかが全てです。良かれと思ってやったことが逆に反感を買う事はよくあると思います。

この本で書かれていることはあくまで自分の本心を伝えるためのテクニックです。自分の心を偽るためのテクニックではありません。大切なのは相手を思いやる気持ちなのです。

自分の本心が伝わっていないと感じている人は、この本を読んで伝え方の知識をつけてみてくださいね。


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