20代におすすめの転職エージェント全15選!選び方は?そもそも使ったほうが良い?転職サイトとの違いは...
2016.12.30
2016.12.30
金融庁の銀行免許一覧によると、2016年10月現在日本国内に日系銀行は141行存在しています。外資系銀行は含まれていません。
その中で平均年収上位10行は以下のとおりです(出典:東京商工リサーチ)。
順位 | 銀行名 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 三井住友銀行 | 830万1000円 |
2位 | 東京スター銀行 | 821万7000円 |
3位 | スルガ銀行 | 798万4000円 |
4位 | 三菱東京UFJ銀行 | 787万3000円 |
5位 | 新生銀行 | 782万円 |
6位 | あおぞら銀行 | 777万円 |
7位 | 静岡銀行 | 766万2000円 |
8位 | 横浜銀行 | 761万4000円 |
9位 | みずほ銀行 | 757万8000円 |
10位 | 阿波銀行 | 745万9000円 |
ランキング1位の三井住友銀行と10位の阿波銀行は約85万円の年収差があります。もちろんランク10位以降になれば給与差は大きくなるので、三井住友銀行はかなりの好待遇であることがわかります。
3メガバンクは全てトップ10位以内に入っています。
地方銀行も4行がランクインしています。3位にランクインしているスルガ銀行は本店を静岡県沼津市に構えています。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2015年の静岡県の平均年収は約465万円です。単純計算すれば、スルガ銀行の行員は県平均の約1.7倍の収入を得ることができます。
以下、ランク5位まで入った銀行の分析です。
三井住友銀行の有価証券報告書(2016年3月末)によると、2012年〜2016年度の過去5年間の経常収益(売上高)、経常利益、当期純利益は以下の表のとおりです。(三井住友銀行連結の結果)
期間(通期) | 経常収益 | 経常利益 | 当期純利益 | 経常利益率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 3兆590億2200万円 | 9303億3200万円 | 6801億6200万円 | 30.4% |
2015年 | 3兆1994億900万円 | 1兆1989億5500万円 | 7369億400万円 | 37.4% |
2014年 | 3兆1059億9200万円 | 1兆2987億3800万円 | 7856億8700万円 | 41.8% |
2013年 | 2兆8106億8100万円 | 9287億1300万円 | 7345億1400万円 | 33.0% |
2012年 | 2兆6879億1100万円 | 8579億1900万円 | 5338億1600万円 | 31.9% |
過去5年間で経常利益を約3711億1100万円伸ばしました。5年前に比べて約112.1%の伸びです。2016年に経常利益が減少したのはマイナス金利政策によって利ざやが減少したことが主な要因です。
有価証券報告書によると、2012年〜2016年の過去5年間の三井住友銀行単体の行員データは以下の表のとおりです。
期間(通期) | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 行員数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 830万1000円 | 13年4ヶ月 | 36歳6ヶ月 | 2万8002人 |
2015年 | 879万5000円 | 14年2ヶ月 | 37歳3ヶ月 | 2万6416人 |
2014年 | 831万8000円 | 12年2ヶ月 | 36歳0ヶ月 | 2万2915人 |
2013年 | 799万1000円 | 12年10ヶ月 | 36歳1ヶ月 | 2万2569人 |
2012年 | 792万7000円 | 12年5ヶ月 | 35歳8ヶ月 | 2万2686人 |
三井住友銀行の平均年収は過去5年間で約37万4000円増えました。約4.5%の伸びです。2016年では平均年収は前年と比べ、マイナスになりました。
三井住友銀行の年収は会社の実績に対して敏感に反映されていることがわかります。マイナス金利政策がいつまで続くのか、マイナス金利下でも利益を拡大できる体制を整えることができるか注視する必要があります。
東京スター銀行の有価証券報告書(2016年3月末)によると、2012年〜2016年度の過去5年間の経常収益(売上高)、経常利益、当期純利益は以下の表のとおりです(東京スター銀行連結の結果)。
期間(通期) | 経常収益 | 経常利益 | 当期純利益 | 経常利益率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 691億200万円 | 174億1900万円 | 110億9200万円 | 25.2% |
2015年 | 765億9300万円 | 249億6100万円 | 164億9400万円 | 32.6% |
2014年 | 651億9700万円 | 149億2600万円 | 101億7400万円 | 22.9% |
2013年 | 679億7200万円 | 106億2300万円 | 45億400万円 | 15.6% |
2012年 | 754億1800万円 | 86億400万円 | 26億7600万円 | 11.4% |
東京スター銀行の収益は過去5年間で約63億1600万円減少しました。一方で、経常利益は約88億1500万円の増加です。結果からみればより利益率の高い経営状況になりました。
有価証券報告書によると、2012年〜2016年の過去5年間の東京スター銀行単体の行員データは以下の表のとおりです。
期間(通期) | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 行員数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 821万7000円 | 6.8年 | 40.8歳 | 1552人 |
2015年 | 821万2000円 | 6.6年 | 40.8歳 | 1435人 |
2014年 | 810万5000円 | 6.6年 | 41.0歳 | 1298人 |
2013年 | 828万5000円 | 6.5年 | 41.5歳 | 1198人 |
2012年 | 733万1000円 | 6.1年 | 41.2歳 | 1151人 |
過去5年間で平均年収は約88万6000円上がりました。平均年収が最も高かった2013年度から一度減少に転じましたが、再び平均年収が上がってきています。
東京スター銀行は平均勤続年数から見て分かるように、中途入社の行員が多くいます。ゆえに平均年収も高いと推察されます。
スルガ銀行の有価証券報告書(2016年3月末)によると、2012年〜2016年度の過去5年間の経常収益(売上高)、経常利益、当期純利益は以下の表のとおりです。(スルガ銀行連結の結果)
期間(通期) | 経常収益 | 経常利益 | 当期純利益 | 経常利益率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 1394億3000万円 | 563億9500万円 | 367億1700万円 | 40.4% |
2015年 | 1311億1400万円 | 534億500万円 | 328億9100万円 | 40.7% |
2014年 | 1212億9200万円 | 461億1000万円 | 276億700万円 | 38.0% |
2013年 | 1112億4100万円 | 362億4700万円 | 212億4100万円 | 32.6% |
2012年 | 1072億9700万円 | 297億1700万円 | 155億6000万円 | 27.7% |
スルガ銀行の収益は過去5年間で約321億3300万円増加しました。経常利益率の変化が顕著であり、2015年に40%を超えました。無駄な支出を抑えていることがわかります。
有価証券報告書によると、2012年〜2016年の過去5年間のスルガ銀行単体の行員データは以下の表のとおりです。
期間(通期) | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 行員数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 798万4000円 | 18.1年 | 42.0歳 | 1567人 |
2015年 | 793万1076円 | 18.1年 | 41.9歳 | 1577人 |
2014年 | 797万6720円 | 18.0年 | 41.9歳 | 1576人 |
2013年 | 772万6005円 | 18.0年 | 41.8歳 | 1575人 |
2012年 | 761万4185円 | 17.6年 | 41.1歳 | 1599人 |
過去5年間で平均年収は約36万9815円増加しました。日銀主導のマイナス金利政策で各銀行が利ざやの縮小によって苦戦しているものの、過去5年間で2016年の平均年収が最高額になっています。
スルガ銀行は行員の平均勤続年数の長さに伴い、平均年収が高いものと考えられます。新卒で就職する際には若手行員がいくら年収をもらっているか確認することをオススメします。
三菱東京UFJ銀行の有価証券報告書(2016年3月末)によると、2012年〜2016年度の過去5年間の経常収益(売上高)、経常利益、包括利益は以下の表のとおりです。(三菱東京UFJ銀行連結の結果)
期間(通期) | 経常収益 | 経常利益 | 当期純利益 | 経常利益率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 4兆337億9600万円 | 1兆837億100万円 | 6858億3500万円 | 26.9% |
2015年 | 4兆289億4400万円 | 1兆2212億円 | 7316億2200万円 | 30.3% |
2014年 | 3兆5994億2800万円 | 1兆2175億3400万円 | 7543億2300万円 | 33.8% |
2013年 | 3兆4193億700万円 | 1兆709億2800万円 | 6735億1400万円 | 31.3% |
2012年 | 3兆2959億1400万円 | 9317億900万円 | 5443億2400万円 | 28.3% |
三菱東京UFJ銀行の経常収益は2012年から2016年までの5年間継続して増加を続け、約7400億円増加しました。約22%の増益です。ただ、経常利益は2015年以降減少傾向にあります。利ざやが縮小しています。
三菱東京UFJ銀行の有価証券報告書(2012年3月末〜2016年3月末)の提出会社単体の社員データは以下の表のとおりです。
期間(通期) | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 社員数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 787万3000円 | 14.5年 | 37.8歳 | 3万4865人 |
2015年 | 791万6000円 | 14.7年 | 38.0歳 | 3万5214人 |
2014年 | 798万6000円 | 14.9年 | 38.2歳 | 3万7527人 |
2013年 | 800万5000円 | 14.9年 | 38.2歳 | 3万6499人 |
2012年 | 808万3000円 | 14.9年 | 38.1歳 | 3万5480人 |
平均年収は過去5年間で減少傾向にあり、およそ21万円減少しています。好調であった2014年度においても平均年収が下がっています。
マイナス金利政策下ではさらに経営を圧迫すると考えられるため、三菱東京UFJ銀行の平均年収は今後も下がるのではないかと推測されます。
新生銀行の有価証券報告書(2016年3月末)によると、2012年〜2016年度の過去5年間の経常収益(売上高)、経常利益、包括利益は以下の表のとおりです。(新生銀行連結の結果)
期間(通期) | 経常収益 | 経常利益 | 当期純利益 | 経常利益率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 3757億3200万円 | 620億9000万円 | 609億5100万円 | 16.5% |
2015年 | 3973億9400万円 | 730億8200円 | 678億7300万円 | 18.4% |
2014年 | 3752億2800万円 | 441億4700万円 | 413億7400万円 | 11.2% |
2013年 | 3860億7900万円 | 544億9500万円 | 510億7900万円 | 14.1% |
2012年 | 4132億3200万円 | 167億5000万円 | 64億3000万円 | 4.1% |
過去5年間で新生銀行の経常収益は約375億円減少しました。一方で、経常利益は約453億4000万円増加しており、増益傾向にあります。利益率を改善しました。
新生銀行の有価証券報告書(2012年3月末〜2016年3月末)の提出会社単体の社員データは以下の表のとおりです。
期間(通期) | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 社員数 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 782万円 | 10.3年 | 41.2歳 | 2314人 |
2015年 | 770万8000円 | 10.2年 | 40.8歳 | 2231人 |
2014年 | 754万8000円 | 10.6年 | 40.7歳 | 1901人 |
2013年 | 758万7000円 | 11.0年 | 40.4歳 | 1751人 |
2012年 | 768万8000円 | 11.6年 | 40.3歳 | 1590人 |
過去5年間で平均年収は約13万2000円増加しました。2012年から2014年まで減少傾向にあったものの、2015年で2012年と同水準程度まで持ち直し、2016年では最高額になっています。
平均勤続年数が下がっている一方で平均年齢が上がっていることから、新生銀行でも中途採用が積極的に行われており、転職者が平均年収を押し上げていると推察されます。
ランキングから分かるように、銀行は世間から見て平均年収が高いです。
ただ銀行業界だけで見ると、「行員の平均年収が高い銀行=規模が大きい・知名度がある銀行」の等式は成り立たないことが理解できたと思います。
銀行が公表しているデータを分析することによって、なぜ平均年収が高いのか、今後の平均年収はどう変化しそうかといった仮説を立てることができます。
平均年収を1つの志望の軸にしている場合、志望する銀行データを分析することをオススメします。