銀行の自己資本比率はどれくらい?バーゼル3とは?

この記事の結論は「自己資本比率をとは総資産における自己資本の割合のこと。銀行の場合この指標で経営の安全性を見ることができる。簡単に銀行を倒産させない為にバーゼル3という自己資本比率に関する国際統一基準がある」です。経済政策では銀行に関する政策を多く見る機会があると思います。その中でも、自己資本比率は銀行の経営状況を扱ううえで重要な指標になります。この記事では、自己資本比率やバーゼル3についてまとめました。

自己資本比率とは?計算方法は?

自己資本比率

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企業が持っている資金には、大きく2種類の資金があります。

  • 返さなくてもいいお金=自己資本
  • 返さなくてはならないお金=他人資本

企業はこの2つを運用して、事業を行うことになります。

自己資本比率とは、「自己資本」と「他人資本」を合わせた「企業の持っているすべてのお金=総資産」の中の「自己資本」の割合のことです。

自己資本比率は「自己資本比率=自己資本÷総資産」で算出することができます。

 

銀行の自己資本比率は?

自己資本比率

銀行における「自己資本」は株式発行時に株主から得たお金や過去の利益の蓄積などです。「他人資本」は預金者からの預金です。預金は預金者がおろしたい時に返済しなければなりません。

銀行は「自己資本」と「他人資本」を合わせた「総資産」を他の企業や個人などに貸し出し、金利を得ることを事業の中心としています。

「総資産=貸付金」と考えるとわかりやすいです。

例えば以下の2つの銀行があったとします。

  • A銀行:総資産100兆円(自己資本10兆円+他人資本90兆円)=自己資本比率10%
  • B銀行:総資産100兆円(自己資本5兆円+他人資本95兆円)=自己資本比率5%

2つの銀行で6兆円の不良債権が出た場合、A銀行は自己資本が10兆円あるので、不良債権の穴埋めをできます。一方でB銀行は自己資本が5兆円しかないので穴埋めができません。

自己資本比率は銀行経営の安全性を見るうえで重要な指標であることがわかります。

銀行の他人資本は預金です。預金はおろしたい時におろせなければいけないので、B銀行は預金の払い戻しができないという状態(=倒産の可能性)に陥ってしまいます。

自己資本が少ないとリスクが高くなるということです。

貸付けている額が大きければ倒産する企業も当然多くなるので、不良債権化する額が大きくなります。「貸付金(=総資産)に対して自己資本の割合が大きい方が安全=自己資本比率が高い方が安全」となります。

自己資本比率を上げるには、

  1. 自己資本を増やす(返済不要な資金を集めることは簡単にはできない)
  2. 他人資本を減らす(簡単にできるが貸し渋りにつながる)

の2つの方法があります。

 

バーゼル3とは?

自己資本比率

銀行の安全性は国内、海外も含めて経済活動を行ううえで非常に重要なので、銀行が簡単に潰れないために国際的に統一した自己資本比率の値を規制する枠組みがあります。

それがバーゼル3です。

バーゼル3とは、バーゼル銀行監督委員会が公表している銀行の自己資本比率等の国際統一基準です。日本を含め多くの国の銀行で採用されいる基準です。

バーゼル合意は1988年に最初に策定され(バーゼル1)、2004年に改定されました(バーゼル2)。2007年夏以降の世界的な金融危機が原因で再度見直しに向けた検討が進められ、2010年に新しい規制の枠組み(バーゼル3)について合意が成立しました。

バーゼル銀行監督委員会の常設事務局が国際決済銀行(Bank for International Settlements=BIS)にあることから「BIS規制」とも呼ばれています。

バーゼル3による自己資本比率は以下の通りです。

  • 取引先が国内のみの場合の自己資本比率値は4%
  • 取引先が海外にもある場合の自己資本比率値は8%

 

銀行の自己資本比率の平均は?

自己資本比率

金融庁の「証券取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム(EDINET)」によると、日本の銀行(148社)の自己資本比率の平均は約9.31%(2014年1月28日現在)です。日本において最も自己資本比率が高い業種は「原油・天然ガス鉱業」の約71.83%となっています。

業界別に見ると「銀行・信託業」の自己資本比率平均は44業種中43位なので、銀行は他の業種に比べても自己資本比率が低いことがわかります。

各銀行の有価証券報告書(2016年3月時点)によると、日本のメガバンクの銀行別の自己資本比率の状況は以下の通りです。

順位 銀行 自己資本比率
1 三井住友銀行 18.19%
2 三菱東京UFJ銀行 15.66%
3 みずほ銀行  15.46%

*バーゼル3による自己資本比率は通常の有価証券報告書に記されるCF上の計算とは違い、リスク資産のみを分母にしたより厳格な基準で算出

 

銀行の安全性をはかる指標

自己資本比率

銀行は預金をするための機関として接している人がほとんどだと思います。ただ自己資本比率を詳しく見ることで、銀行の違った側面が見えてきます。

銀行は預金者が預金したお金をどのようにつかっているのか、国際的な銀行の役割とはなにか、など様々なことを考えるきっかけにもなります。銀行と仕事をする場合や経済や政策を見るときにも、自己資本比率の仕組みについて理解していると非常に役立ちます。


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