用語解説

合理的経済人とは?消費行動や限界は?グローバル社会で戦える?

合理的経済人とは、最小限のコストで最大限の利益を得ようとする人間のことです。現在の経済学の前提になっています。基本的に消費行動も合理的に行われます。ただ合理性に行き過ぎているとの疑問もあります。現在、世界経済は大きく変動しています。それは経済学における想定を超えるものまであります。その影響で経済学の前提となっている合理的経済人について議論が生まれてきています。この記事では合理的経済人とその消費行動、限界やグローバル社会との関係についてまとめました。

合理的経済人とは?

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合理的経済人とは、自己利益を最大化しようと選択・行動する人間のことです。

簡単にいえば、最小限のコストで最大限の利益を得ようとする人間のことです。「お金は価値のあるものなので、経済活動するときには人間は大事に合理的にお金を使いますよね?」という前提となる人間像を指します。

現在主流となっている経済学では、この合理的経済人の人間像が前提となって理論が成り立っているといえます。経済学や経済活動について考えるときには、前提となる合理的経済人について理解を深めることが役に立ちます。

 

合理程経済人の消費行動は?

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合理的経済人であれば、常に「合理的」な消費をするということが考えられます。あらゆる情報を集め、予算や必要な量を考慮しつつ、最大限の満足が得られるような選択を、適切に迅速に行うということです。

主流派の経済学で消費について考える場合、常に「合理的な消費行動」をすることが前提になっています。ここには心理学的な要素は含まれません。「なんとなくこっちのほうが良さそう」という理由で最も利益を得られる選択以外を選ぶことは想定されていないのです。

私たちは損をしたくないので、合理的に消費行動をとるように動いています。ただ実際にはなかなか損のない消費というものは難しいものです。

 

合理的経済人の限界とは?

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合理的経済人は常に合理的な判断を行うことを前提としていますが、前提となる「合理性」には疑問があります。「本当に常に合理的な判断ができるのか」ということです。

多田洋介著「行動経済学入門」(2003年)に、合理性について小話が出てきます。

経済学者のA氏とサラリーマンのB氏が人通りの多い商店街を歩いていたとき、ふたりの間でこんなやり取りが交わされた。

B氏:おい、そこの道端に500円玉が落ちているぞ!
A氏:まさか、そんなわけないだろう。もし本当に500円玉が落ちているなら、もうとっくに誰かがそれを拾っているはずさ。

「500円玉が落ちているぞ!」といわれたら、どう行動しますか。A氏は経済学の想定する合理的経済人の典型といっていいでしょう。「合理的に」考えるならばA氏のような回答になるかもしれません。しかし、合理的に有り得ないと疑いつつも500円玉を探してしまうのが人間の心理ではないでしょうか。

つまり経済行動の合理性は、人間の心理や情報の制約などの影響から逃れることができないということです。経済的合理性には限界があるといわれているのです。

非合理な部分も経済を考える上では大切だといえます。

 

合理的経済人でグローバル社会を戦える?

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グローバル社会は合理的に経済活動を行うことを前提として発展してきました。グローバル社会においては合理的経済人的な人が多くいるといってもいいでしょう。

グローバル社会において合理的に考えることは共通言語のようなもので、逆に言えば合理的に物事を進めていかなければ、すぐに足元をすくわれてしまうともいえます。

世界には自分の利益、効用を最大化する戦略を持っているビジネスマンがたくさんいます。この中で戦うには、自分も合理的に物事を考えられなければなりません。

 

合理化の是非

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合理化が進められてきたグローバル社会がリーマンショック以後、行き詰まっている事実も見逃してはいけません。

世界では合理的経済人を前提とした政策がうまくいっていません。政府が経済刺激策を取れば、合理的経済人は財布の紐を緩めるはずです。ただ一向に経済動向は上向きにならないという事態が現在起こっています。

これは、合理的経済人の前提に当てはまらない要素が潜んでいることを意味します。

世界経済は新たな局面を迎えているともいえるので、今後の合理的経済人という考え方の推移に目を向けてみるといいかもしれません。


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