ビジネス

企業倒産件数とは?全国の推移は?景気が良いと倒産が増える?

企業倒産件数とは、株式会社東京商工リサーチが毎月調査し、発表している企業の倒産件数のことです。重要な経済指標の1つとなっています。最近の倒産件数と負債総額はともに減少傾向にありますが、直近では負債総額は増加しました。景気が回復する時に倒産が増えるといわれています。企業倒産件数を調べることで、景気の動向を読み解くことができます。この記事では、企業倒産件数の推移や景気との関係についてまとめました。

企業倒産件数とは?

shutterstock_149094623

企業倒産件数とは、株式会社東京商工リサーチが毎月調査、発表する企業の倒産件数のことをいいます。負債総額が1000万円の倒産統計を「倒産月報」として毎月発行しています。その中の主要な抜粋データを公式ホームページで紹介しています。企業倒産件数は景気を測る重要な経済指標の1つとなっています。

東京商工リサーチは1892年に創業した信用調査会社です。東京商工リサーチの公式ホームページによると、事業内容は以下のとおりです。

  • 調査事業:企業信用調査、海外企業調査、市場調査、各種経済調査
  • 情報事業:企業情報取材・配信、倒産企業取材・配信、M&A情報取材・配信、セミナー開催・公演
  • データベース事業:インターネットを介した企業関連情報提供サービス、電子データや紙媒体による企業関連情報提供サービス
  • 出版事業:雑誌、書籍、ビデオ、CD-ROM

東京商工リサーチにより、全国偉業倒産状況として、全国企業倒産件数、負債総額、産業別倒産状況、都道府県別倒産状況、主な倒産会社が発表されます。月次、半期、年間、年度でまとめた統計です。

出典:東京商工リサーチ公式HP

倒産とは?

shutterstock_304657877

倒産とは、企業が債務の支払いをできなくなったり、経済活動を続けることができなくなったりする状態をいいます。倒産の分類は以下の通りです。

法的倒産 再建型 会社更生法
民事再生法
清算型 破産
特別清算
私的倒産 銀行取引停止
内整理

法的倒産の再建型は、財産をすべて処分するのではなく、一定範囲で財産を残すことを認めて債務者を存続させつつ、債務を圧縮して債務者の経済的再生を目的とする倒産手続きです。

清算型は、債務者の財産をすべて精算して、それによって得た金銭を債権者に可能な限り弁済または配当することを目的とする倒産手続きです。

銀行取引停止とは、6ヶ月以内に2回不渡りを出すと、どこ銀行とも当座取引ができなくなり、企業活動が不可能になることをいいます。企業の支払い能力がなくなったり、債務超過で債務を弁済できなくなったりした場合、法的手続きをとらずに債権者と話し合い、内々に整理を行うことを内整理といいます。

 

全国企業倒産状況の推移は?

shutterstock_105586400

倒産件数

東京商工リサーチによると、過去5年間の倒産件数、前年度比は以下のとおりです(▲はマイナス)。

年度 倒産件数 前年度比
2018年 8110件 ▲3.07%
2017年 8367件 ▲0.16%
2016年 8381件 ▲3.48%
2015年 8684件 ▲9.0%
2014年 9543件 ▲9.42%

2015年度の倒産件数は8684件です。倒産件数は、前年に比べ859件(約9.0%)減り、7年連続で減少傾向にあります。1990年度の7157件以来、25年ぶりに9000件を下回りました。

要因としては、金融機関が中層企業向けの融資の返済計画の変更や返済時期の繰り延べなどに柔軟に応じるといった金融支援効果が挙げられます。また、大手輸出企業を中心とした業績拡大を先導とした景気の底上げも影響したと考えられます。

原油や鉄鋼関連価格といった資源価格の低下により、経営環境が緩和されたことも倒産件数減少につながっています。

出典:東京商工リサーチ公式HP「全国企業倒産状況

 

負債総額

東京商工リサーチによると、過去5年間の負債総額、前年度比は以下のとおりです(▲はマイナス)。

年度 負債総額 前年度比
2015年 2兆358億4300万円 8.94%
2014年 1兆8686億500万円 ▲32.66%
2013年 2兆7749億9200万円 ▲9.77%
2012年 3兆757億1000万円 ▲22.9%
2011年 3兆9906億4000万円 ▲15.5%

2015年度の負債総額は約2兆358億4300万円です。負債総額は、前年に比べて約1672億3800万円(約8.9%)増加し、7年ぶりに前年を上回りました

要因としては、負債額が100億円以上の大型倒産が16件あったことが挙げられます。前年の9件と比べると2倍近く発生していることになります。特に年金資産を運用する株式会社MARUと海運業を営む第一中央汽船株式会社の2件が発生した影響が大きいとされています。負債額はそれぞれMARUが約1313億円、第一中央汽船が約1196億円です。

大型倒産が増えたものの、全体的に見れば負債額1億円未満が7割を占めています。小規模企業が倒産の主流であるといえます。

出典:東京商工リサーチ公式HP

 

企業倒産と景気回復の関係は?

shutterstock_361632284

景気が回復するときには倒産が起こるとされています。

景気が回復して売り上げが増加すると、従業員を増やしたり、設備投資を行ったりします。会社の運転資金が増加していきます。

資金が潤沢であれば問題ありません。しかし、売り上げよりも運転資金がかかってしまい、黒字が出ているにも関わらず倒産するケースがあります。売り上げの回収が支払債務や運転資金の支払いなどに間に合わず、財務諸表上は黒字となっているにもかかわらず倒産してしまいます

一般的に倒産が減ることは良いことと思われています。景気が良くなり企業倒産が減るのは良いことです。ただ経済の循環のために倒産は必要ともいわれています。

新しい企業が生まれる一方で、競争に負けた企業は倒産していきます。しかし金融機関の資金融資などにより倒産しそうな企業を延命させることで、経済が停滞してしまう危険もあります。経済の循環がうまく行かなくなってしまいます。

 

景気の動向を知る方法の1つ

shutterstock_443291575

企業倒産件数とは、東京商工リサーチが毎月調査、発表する企業の倒産件数のことをいいます。

最近では倒産件数は減少傾向にあります。負債総額は減少傾向にありましたが、昨年は約8.94%増加しました。これらのデータから、金融機関による金融支援効果により、倒産しそうな企業を延命させていると考えられます。

東京商工リサーチは地区、産業ごとの企業倒産件数も発表しています。発表の内容を見ることで、その業種や地区をとりまく環境の動向を知ることができます。景気の現状や先行きを調べるために、企業倒産件数を調べる方法があることを覚えておいてください

あわせて読みたい