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【入門】ゲーム理論とは?例、囚人のジレンマ、ナッシュ均衡の求め方を解説

ゲーム理論とは意思決定の問題です。ナッシュ均衡とは最適反応をした際の均衡点です。ゲーム理論は新しい学問で、発展の真っ只中です。ゲーム理論は日常で応用できます。ゲーム理論は比較的新しい理論ですが、あらゆる場面で使われてます。ビジネスにも応用可能です。この記事では、ゲーム理論の定義、ナッシュ均衡や代表例についてまとめました。

 
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ゲーム理論とは?

ゲーム理論

ゲーム理論とは、

  • 経済や社会における複数主体が関わる意思決定や行動を数学的モデルで表し、分析する理論

です。

 

何かしたい時に一人だけ得をできることは少ないものです。

必ず、複数の利害関係者がいるからです。

 

どうにかしてみなの満足が最大化する方法が知りたくなるでしょう。

 

そんな時に役に立つのがゲーム理論なのです。

 

前提に合理的経済人

ゲーム理論において「個々の主体は自分の利益を最大化するよう意思決定を行う」ことが前提とされます。

合理的経済人という概念です。

 

何よりも自分の利益を最大化することしか考えないので、他人の為などという概念はゲーム理論では存在しません。

だからといって、自分のことばかり考えてれば良いということではありません。

 

相手の考えを考慮した上で得る「自分の利益」

自分と同じように得をしたいと考える相手がいて、相手の考えや行動を考慮した上で、自分が1番得をする最適な方法を決める必要があります。

 

このようにゲーム理論は相手の意思決定や行動を分析し、自分が最適な行動を選択するとき役立ちます。

 

ナッシュ均衡とパレート最適とは?|求め方と例

ゲーム理論

ナッシュ均衡とは

説明をわかりやすくするために、2人でのゲームを考えます。

 

前項で説明したとおり、相手の考えや行動を考慮した上で、

  • 個々の主体は自分の利益が最大になるような行動=「最適反応

をとります。

 

ゲーム理論において、

  • お互いが「最適反応」を取った戦略

の組が「ゲームの解」となります。

 

つまり、みんなの満足が最大化している状態です。

 

自分の利益を下げないために均衡状態に

ゲームの解では

今選択している戦略から他の戦略に変えてしまうと自分の利益が下がってしまう為、お互いに他の戦略に変更することはなく均衡した状態になるのです。

 

お互いに最適反応を取った組み合わせが均衡している組をナッシュ均衡と呼びます。

 

ナッシュ均衡の求め方の具体例

具体的に考えましょう。

 

以下の表を利得表と言います。

  • 赤がAさんの戦略
  • 青がBさんの戦略

とします。

 

 

戦略1 戦略2
戦略1 4,1 2,0
戦略2 8,3 3,5

 

*(4,1)とは

  • Aさんの利得が:4
  • Bさんの利得が:1

であることを表しています。

 

Aさんも、Bさんも、お互い相手の「2通りの戦略」を考慮に入れないといけないということだけ頭に置いておいてください。

 

Aさんの戦略

Aさんは、Bさんが戦略1戦略2のどちらかを選ぶかわかりません。

ですから、両方のパターンを考えて自分の利益を最大化できる戦略を選択します。

 

【Bさんが戦略1で来ると仮定した場合】

Aさんの持っている2つの戦略での利得はそれぞれ

  • 「戦略1」:4
  • 「戦略2」:8

なので最適反応な戦略は戦略2となります。

 

【Bさんが戦略2で来ると仮定した場合】

Aさんの持っている2つの戦略での利得はそれぞれ

  • 「戦略1」:2
  • 「戦略2」:3

なので最適反応な戦略は戦略2となります。

 

結果、必然的にAさんは、Bさんがどちらの戦略できても

  • 戦略2

という選択に決まります。

 

 

Bさんの戦略

Bさんも同様にAさんの行動を考慮した上で戦略を選びます。

 

【Aさんが戦略1でくると仮定した場合】

Bさんの持っている2つの戦略での利得はそれぞれ

  • 「戦略1」:1
  • 「戦略2」:0

なので最適反応な戦略は戦略1となります。

 

【Aさんが戦略2で来ると仮定した場合】

Bさんの持っている2つの戦略での利得はそれぞれ

  • 「戦略1」:3
  • 「戦略2」:5

なので最適反応な戦略は戦略2となります。

 

Bさんは、Aさんの出方によって戦略を変えなければいけません。

 

しかし、今回の場合はAさんは、Bさんがどうきても戦略2を選択しますので、

  • Bさんは戦略2を選択する

しかありません。

 

 

以上から考えると均衡した組み合わせは以下の表の通りとなります。

戦略2
戦略2 3,5

これがAさんとBさんがお互いに最適反応な戦略を取った組み合わせ、均衡状態になります。

 

つまり、これがナッシュ均衡です。

 

 

パレート最適とは

  • パレート改善:少なくとも1人の状況を改善すること
  • パレート最適:誰かの犠牲なしにはこれ以上誰も状況を改善できない状態

 

パレート最適とは、ある自分の状態をより良い状態に改善するには、他の誰かの状態を犠牲にしなくてはならない状態といえます。

 

パレート最適の具体例

以下のようなゲームを考えます。

戦略1 戦略2
戦略1  3,3  1,4
戦略2  4,1  2,2

このゲームのナッシュ均衡は利得が(2,2)のところです。

 

ナッシュ均衡が何らかの理由でできない場合に

しかし、Bさんが「戦略1しか持っていなかったとしましょう。

 

この場合の

  • パレート最適な組み合わせは「戦略1,戦略 1=(3,3)」

です。

 

 

Aさんが戦略1から戦略2に変えたとき(パレート改善)は、

  • Aさんの利得は3→4(Aさんの利得⬆︎)

になり

  • Bさんの利得は3→1(Bさんの利得⬇︎)

になります。

 

Aさんの状態を改善すると、Bさんが犠牲になっているのがわかります。

 

Bさんが犠牲にならずに2人にとって最適な組み合わせである状態のことをパレート最適というのです。

 

 

ゲーム理論の代表例:囚人のジレンマ

ゲーム理論

「囚人のジレンマ」とは、

  • お互い協力する方がよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる

というジレンマのことです。

 

囚人のジレンマの例

表を見て考えてみます。

表の中の数字は囚人の懲役の年数になっています。

黙秘 自白
黙秘 1年,1年 10年,0年
自白 0年,10年 7年,7年

 

ある2人の強盗犯が警察に捕まり、別々の部屋で取り調べを受けているとします。

  • 犯人A
  • 犯人B

ともに黙秘をすれば懲役はお互い1年で済みます。

これが妥当な手段です。

 

ただ現実問題ではそんなにうまくいくとも限りません。

犯人も人間なのでプロ調査官の巧みな言葉に乗せられて自白する可能性もあります。

 

自分の利益を最大化しよう考え、行動するのがゲーム理論の前提でした。

そうすると黙秘をするより、自白をするほうが得になります。

 

自白すれば自分は無実になり、もう一方の犯人が懲役を請け負うのです。

つまり、他人を犠牲にすれば自分は助かるというインセンティブが与えられているため、結果的には自白を選びます。

 

犯人A犯人Bはともに自白を選ぶため、お互いに黙秘すればよかったものの、お互いに自白してしまうため懲役年数は7年になってしまう、これが「囚人のジレンマ」です。

 

ゲーム理論は日常生活に応用できる?

ゲーム理論

ゲーム理論は私達が普段生活のいたるところで使われています

 

スポーツでも当たり前に使われる

例えばスポーツです。

 

サッカーにせよ、野球にせよ、バスケットボールにせよ、相手の戦略を考慮した上で、勝利という目標を達成するにはどのような戦略を選択するか考えますよね。

 

これは立派なゲーム理論です。

 

ビジネスでも知っておくと有利

スポーツだけでなく、ビジネスにも応用できます。

 

ある企業が新たにA市場に参入することを考えていると仮定します。

もともとA市場にいた企業にとっては競合が増えるので、なるべく参入してほしくありません。

 

市場の状況を把握しながら、共存させるかもしくは参入阻止をするか、これも意思決定の問題になるのでゲーム理論の一部になります。

 

価格を下げて競合企業に競り勝つかなど、価格競争の問題も取り扱うことは可能です。

ゲーム理論は意思決定の問題なのでこのように例を挙げていくと、切りがありません。

 

世の中のあらゆるところに溢れた学問という認識を持っておいてください。

 

ゲーム理論は発展中の学問

ゲーム理論

ゲーム理論は非常に新しい学問領域です。

 

1944年に数学者であるジョン・フォン・ノイマンと経済学者であるオスカー・モルゲンシュテルンの共著書『ゲームの理論と経済行動』によりゲーム理論は誕生しました。

 

1980年代にゲーム理論の中の非協力ゲームが急速に発展したのを機に経済学者の間にも広く浸透しました。

 

ここまで普及したのは、ゲーム理論が汎用性に長けているからです

 

実用性が高く広範囲に有効なゲーム理論

今では、ゲーム理論の対象は経済学だけでなく、経営学や心理学、工学、コンピュータ科学など広範囲になります。

 

ゲーム理論は、大学で先行しない限り学ぶ機会はないと思います。

たとえ大学へ通っていても、経済学専攻などでない限りほとんど耳にする機会はないでしょう。

 

かなり実用性の高いゲーム理論。

本屋などに行けば様々な良い参考書がおいてあります。

 

ぜひ学んで日常で試してはいかがでしょうか。

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