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消費支出の分析から何が見える?推移や問題点は?マーケティングにも使える?

消費支出から他の家計のお財布事情が分かるをご存知でしょうか?消費支出とは食費や住宅費などの生活に必要な家計の支出のことです。近年では減少傾向にあります。この記事では、消費支出の定義、推移や問題点についてまとめました。

消費支出とは?

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消費支出は、食費や住宅費などの生活に必要な家計の支出を示します。

消費支出は日々の生活の中で必要な商品やサービスを購入する際に支払うものが含まれます。生活費、家計費のことです。食料費、住居費、光熱費、被服費、教育費、教養娯楽費、交通通信費、保険医療費などに分けられます。

税金や社会保険料など消費が目的でないものは非消費支出に含まれます。

消費支出、非消費支出、貯蓄とは?

実収入
非消費支出 可処分所得
消費支出 貯蓄

上の図のように、実際の収入から税金などの非消費支出を引いたものは可処分所得と呼ばれます。実際に自由に使用・処分できる所得のことです。

自由に処分できる可処分所得は、消費支出と貯蓄に分けて考えられます。生活の中で使用する消費支出と、将来のためにする貯蓄は、それぞれの家計が自由に選択することになります。

消費支出は総務省統計局が行う家計調査によって使用される指標で、家計調査は毎月実施されています。家計調査は国民の家計の支出を示す重要な調査となり、国の経済政策などの資料となります。

 

消費支出の分析から見えるものとは?

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総務省統計局のホームページによると、家計調査は「国民生活における家計支出の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供すること」が目的です。消費支出の分析は家計の支出の動向を捉え、経済政策や社会政策に活かすことにつながっています。

家計調査の収支項目は約500項目で、家計の収入がどのような支出に使われているかを示しています。

消費支出を分析することで、個人や家族が生活のためにどれだけ支出を行っているのかを把握することができます。一般の家庭がどのような商品にどれくらい使っているのかが分かるということです。

消費動向が分かるわけですから、商品の仕入れ時期や売れる商品の動向といったものが大まかに分かるのです。

出典:総務省統計局「家計調査

 

日本の消費支出の推移は?

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総務省統計局のホームページによると、2人以上の世帯での日本の消費支出は、2019年6月に前年同月比で実質約2.7%減少しました。出典:総務省統計局「家計調査

正確に消費の動向を捉えるために、住居などを除いた消費支出も公開されています。高額で購入頻度が低い自動車や住居は月々の結果で大きく変動するためです。

住居、自動車等購入、贈与金、仕送り金を除いた消費支出は前年同月比で実質約0.6%の減少になります。

消費支出は2016年6月からマイナスで推移しています。

2013年度の住居などを除いた消費支出は前年比で約1.0%の増加となっています。2014年度では約2.5%の減少となり、2015年度でも約2.0%の減少というように減少傾向で推移しています。

消費が停滞している背景

消費が思うように伸びない背景は、賃金の上昇が物価の上昇に追いついてないからです。「毎月勤労統計」によると2015年の実質賃金は約0.9%減少と2012年より4年間連続で減少しています。出典:厚生労働省「毎月勤労統計

収入が増えてないにも関わらず、税金や保険料が物価につられて上昇しています。非消費支出が増加して可処分所得が低下しているのです。

実質可処分所得は2012年2月から2016年2月にかけて1万円以上も低下しています。可処分所得が減り、他に消費に回すだけの余力がないことにより消費が停滞しているのです。

 

消費支出の問題点は?

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消費支出の問題点には、消費支出が使用される家計調査の精度に対する批判が挙げられます。家計調査の精度の低さや項目の偏りに対する批判があります。

精度の低さ

家計調査は月ごとの変動が大きいことが問題視されています。GDP統計や毎月勤労統計などの景気指標との差が激しいことから精度が低いのではないかという批判があります。

精度の低さは市場のエコノミストによる批判が最も多いです。

ただ、家計調査を景気の指標として見るには限界があります。家計調査はもともと家計支出の実態を把握することが目的です。国の施策の資料にはなっても、市場が景気を判断する景気指標として使うのには不向きなのです。

調査世帯や項目の偏り

調査世帯に公務員世帯の割合が過大に含まれています。逆に低所得者層が過少であるなどの問題点も指摘されます。調査世帯に問題がなかったとしても特定の項目に対する調査が困難になるために本当の測定値と異なるという問題点もあります。

家計調査については議論が多く、今後はより正確な精度での家計調査の実施と消費支出の把握が期待されます。

 

消費動向を表す消費支出

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消費支出に普段から注目している人は少ないのではないでしょうか?消費支出は総務省統計局が出している指標です。詳しく分析をすれば、日本の世帯が何にお金を使っているのか分かります。

経済産業省によると、1988年の若年層(34歳以下)と比較して、2002年の若年層は食品に使う所得の割合が減っています。一方で、通信・交通は増えています。消費者はインターネットの発達から通信関係に多く購入するようになったことが分かります。出典:経済産業省「産業活動分析

2002年には既に通信関連の商品が売れ始めていたであろうと予測できていたわけです。消費支出の分析はマーケティングに使えますよね。

経済動向が分かるビジネスパーソンになるために消費支出に目を通してみてはいかがでしょうか?