ビジネス

住宅着工件数とは?減少に推移する背景と今後の予測

住宅着工件数は景気を判断することができる先行的な指標です。日本では今後減少していくと予想されます。米国の住宅着工件数は世界経済に影響を与える指標として世界的に注目されています。住宅着工件数に気を配っている人はどれだけいるでしょうか。住宅着工件数は日本ではあまり着目されませんが、軽座状況を測る重要な指標です。この記事では、住宅着工件数から読み取れること、日本での推移や予測、アメリカの住宅着工件数が持つ意味についてまとめました。

住宅着工件数とは?

shutterstock_107483930

住宅着工件数とは

  • 月中に建設された新築住宅戸数を示す統計

です。

 

毎月国土交通省が発表するこのデータは

  • 景気を判断する際の先行的な指標

と言われています。

 

住宅の売れ行きは国民の購買意欲を表していると考えられるからです。

 

住宅着工件数はGDPへ大きく影響

住宅を購入した時に家具や家電製品の購入、自動車の購入もすると考えられますよね。

住宅の購入件数をみることで他の消費への波及も考えられるのです。

 

住宅着工件数は消費に多大な影響を与えるといえます。

日本の消費はGDP全体の約60%を占めていることから、GDPにも大きく影響します。

 

日本の景気を判断する最適な指標

日本では建設や建材といった関連企業が多いことからも経済の良し悪しを判断できるといえます。

 

2015年は国内総支出の約10%は建設投資に使われていました。

  • 約51兆円

です。

(内閣府「平成28年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」より)

 

大規模なお金に関わる指標であることから、日本の景気を判断するのに最適な指標です。

 

住宅着工件数は天候や季節に左右される

住宅着工件数は天候や季節に左右されるといわれています。

雨が多いと住宅が着工されないため、件数が落ち込むことが定説とされているのです。

 

天候や季節の影響を取り除けば、日本経済の見通しが立つといえます。

 

住宅着工件数は特徴的で重要な指標であるにも関わらず、日本ではほとんど報道されていません

一方でアメリカでは良く報道されています。

 

日本の住宅着工件数の推移

shutterstock_323501669

日本における住宅着工戸件数は1960年は100万戸を超えていました。

 

バブルのピークである1988年~1990年にかけては160万戸前後まで増加していました。

戦後、持家政策により持家志向が高止まりしていました。

 

バブル崩壊以降減少

バブル崩壊以降、減少基調に一転します。

 

特にリーマンショックの翌年である2009年には20万戸以上も減少していました。

アベノミクスの影響により2015年には92万537戸に微増したものの100万戸は超えていません。

 

特に「持ち家」は減少しています。

人口減少ということよりも、若者の意識の変化と景気の悪化によるものです。

 

単身世帯、高齢者世帯が増加

日本の人口は減少していますが、世帯数自体は増加しています。

ただ増加しているのは単身世帯や高齢者世帯です。

 

住宅着工件数の増加には繋がりません。

 

若年層の持ち家思考の低下

一方で、住宅の買い手の大部分を占めていた若年層の持ち家志向は年々低下しています。

 

国土交通省によると、持ち家志向は53.1%となっています。

特に20代から40代は賃貸住宅でも構わないと思う割合が多くなっています。

 

バブル崩壊以降の給与の減少から賃貸志向に価値観が変化し始めています。

 

リーマンショック以降、景気の回復が見られていません。

アベノミクスで経済は小康状態になったものの、実際に所得はあまり増えていないのが現状でしょう。

出典:我が国の住生活をめぐる状況「新築・持ち家ニーズ」

 

今後の日本の住宅着工件数も減少の予測

shutterstock_405063064

内閣府では世帯数の低下に伴って、

  • 住宅着工件数は減少する

と予測しています。

 

みずほ総合研究所によると、2020年以降に日本の世帯数は減少していきます。

出典:みずほ総合研究所「世帯数の減少が各地で今後本格化」

 

世帯数の減少は住宅着工件数の減少に直結

別荘を持つといった世帯はあまり多くないと考えられるため、世帯数の減少は住宅着工件数の減少に直結します。

世帯数の減少は日本の内需の減少も引き起こします。

 

非婚、晩婚、高齢化によって、持ち家の割合は更に低下していくでしょう。

高齢化が進むと新たに住宅を買おうという世帯は減少します。

また、単身世帯は借り家志向が高いため、新しい住居を購入する世帯は減少していきます。

 

中古志向の価値観に変遷

新築需要が増えていない要因に空き家が年々増加している状況も挙げられます。

2013年時点では空き家が820万件に増加しました。

 

空き家が増加したことにより、より良質な中古住宅の提供が見られるようになりました。

中古マンションの売買成約件数が伸びていることから中古志向の価値観に変遷していることが実際に見て取れます。

 

2030年までに住宅着工件数は

  • 60万件に低下する

と予測されています。

(三菱UFJリサーチ&コンサルティングより)

 

アメリカの住宅着工件数はどうして重要?

shutterstock_195037544

アメリカの住宅着工件数は世界的に重要な指標です。

アメリカ商務省が毎月第3週に発表しています。

 

アメリカ経済を表す先行的な指標

住み替えを比較的頻繁に行うアメリカでは、住宅着工件数は日本よりも消費に影響を与えるといえます。

特にアメリカのGDPは消費が約70%を占めています。

 

アメリカの住宅着工件数は、世界経済に大きな影響を与えるアメリカ経済を表す先行的な指標であるといえます。

 

世界経済の見通し

アメリカの住宅着工件数が増加した場合、世界経済の見通しが良いといえますから円安ドル高になります。

円安になることで日本の株価は上がりやすくなりますし、円の金利は低下するといえます。

 

更にアメリカ経済が好況であれば、日本からの輸出が増えますので、日本の輸出企業の業績もよくなります

 

生活の温度計

shutterstock_427591999

住宅着工件数はあまり日本では報道されていない指標ですが、私達の生活の温度計にもなるものです。

住宅着工件数の増減が分かれば、景気の良し悪しが分かります。

 

住宅着工件数が増えることで、建築業だけでなく家電メーカーの売上も上がると予想できます。

売上が上がれば、勤めている会社員の給料に一部還元される可能性があります。

また、家電メーカーとの取引をしている企業は取引先が儲かることで、商談が成立しやすくなるでしょう。

 

日本の株価にいい影響を与えることで、企業は時価総額が上がり投資がしやすくなります。

住宅着工件数に注目をすることで、経済を先読みでき仕事の精度をあげることができます。

 

住宅着工件数に注目することをオススメします。