20代で読んでおくべき本「ゼロ」の書評

書評・レビュー

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「ゼロ」についてまとめました。働くということをどのように考えていますか。「お金をもらうもの」という認識なら、考え方を変えなければならないかもしれませんよ。

ゼロってどんな本?

この本はライブドアの創業者である堀江貴文氏が証券取引法違反容疑で逮捕、実刑判決を受け、その収監後に書かれたものです。

実刑判決を受けて人生が振り出しに戻るゼロという意味合いに取る人が多いかもしれません。ただ内容は全く別です。ゼロからまた1歩進んでいこうという未来志向で堀江氏が考える仕事論が語られています。

働くということは何か。堀江氏は、働くことは人生そのもの、自らに生を充実させるために働くのだと言っています。堀江氏がこれまで語らなかった本音を赤裸々に語っています。

働く意味がはっきりしていない、よくわからない、また働くことに悩む若い世代にぜひ読んでもらいたい1冊です。

 

成功する方法は足し算

服役中、堀江氏はメルマガを通じて購読者からの質問にメッセージを送っていました。その質問は、ラクして成功するためにはどうすればいいかという内容がほとんどだったと言います。

堀江氏は「掛け算ではなく足し算」と言っています。ラクして成功する方法などなく、ゼロに対してイチを足していくような、地道な積み重ねが全てだと言います。

楽して成功する方法を聞く人が多いのは、おそらくこれまでの堀江氏の言動やマスコミなどの報道から、何かメソッドがあってビジネスに成功したという印象があるからだと思います。そうではなく、堀江氏も私たちとなんら変わりないのです。

ただ違うことといえば経験です。その経験を積むために一歩、また一歩と踏み出した差です。それは人によっては一歩進む勇気なのかもしれません。堀江氏はいつでもどこでも一歩進める「ノリの良さ」と言っています。

何かに挑戦できず臆病になっている人たちに対して、失敗して失うものなんてたかが知れているとし、何よりも危険なのは失うことを怖れるあまり一歩も前に踏み出せなくなることだと言っています。

変わりたいと思うならゼロの自分にイチを足すこと、足し算から始めること。この差が堀江氏と私たちの差ではないかと感じました。

そのたった一歩。でもその一歩の積み重ねが大きな差を生むのです。とにかくゼロにイチを足すことがこの本のテーマになっています。

 

労働とお金の関係は?

またここでは、堀江氏の仕事観が子供の頃から現在までどのように変わっていったのか語られています。

かつて堀江氏はパソコンの購入代金を返済するために新聞配達をしたことがあったそうです。

あと何日やれば完済するか。お金さえあればこんなことしなくて済んだのに。この頃働くことは「何かを我慢すること」であり、お金は「我慢と引き替えに受け取る対価」だったと言います。

その後大学生になり、インターネットと出会ってから「カネのため」という意識がなくなり、働くことが「我慢」ではなくなり、お金に対する価値観も大きく変化していったそうです。

ここで堀江氏はこう問いかけます。

あなたはいま、働くことを「何かを我慢すること」だと思っていないだろうか?そして給料のことを「我慢と引き替えに受け取る対価」だと思っていないだろうか?人生のなかで、仕事はもっとも多くの時間を投じるもののひとつだ。そこを我慢の時間にしてしまうのは、どう考えても間違っている。

多くのビジネスマンは、自らの「労働」をお金に換えているのではなく、そこに費やす「時間」をお金に換えている。

お金とは「もらうもの」ではなく、「稼ぐもの」である

人生が豊かになっていかない根本原因は、なによりも「時間」だ。有限かつ貴重な時間を、無条件で差し出さざるを得ない状況。時間以外のリソースをなにも持ちえていない状況が根本原因なのだ。
だから僕はもう一度言いたい。お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に変えていこう。儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう。出典:ゼロ

大企業になるほど、時間を奪われる感覚、時間以外に提供できるリソースがない状況が強くなる気がします。

この本の中でも言っているのですが「宝くじで1億円当たったら何をしますか?」という問いに「南の島でゆっくりしたい」という答えが今の本音なら、仕事を嫌々やっていることになります。今の仕事が好きじゃないということです。

 

もらうことを考えるのは思考停止

人は楽をしたい生き物です。楽してお金をもらうことばかり考えています。

もらうことしか考えられないということは思考停止状態です。なぜかと言えばもらうこと以外「できない」と思い込んでいるからです。

自分は何もできない。どうせ自分はこんなもんだ。この年齢ではもう遅い。要は自由ではないということです。考えることをやめた途端オヤジ化すると堀江氏は指摘します。

考える力を失ってしまったからこそ、カネや権力に執着し、ちっぽけな自由にしがみつこうとすると言います。

 

どのようにお金を稼ぐのか

だからこそ自分に何ができるかを考えるべきです。言ってみれば職人です。これからはサラリーマンであれ職人であること、手に職がなければ生きていけなくなると思います。

多くの企業が、ただいるだけでお給料を持って帰る人を雇う余裕がないからです。ただ会社と従業員の関係がこれまでより健全になると言ってもいいでしょう。

そんなスキルを身につけるために自分が没頭できること、好きで得意なことを見つけることが求められます。

どうやって好きなことを見つけるか。本書でも言っていますが今の仕事に没頭することが大切です。とにかく他の誰よりも働いたといえるぐらい働いてみることです。

やったからこそ、もうこの仕事いやだということもわかりますし、この部分が好きだということもわかるからです。ゼロを読み、自分にとって働く意味を1度考えてみてください。

 

お金を稼ぐという考え方:編集後記

誰しも1度は「楽してお金を稼ぎたい」と思うものです。ただそれは労働とお金の関係を「我慢して労働した対価としてお金をもらう」ものであると認識しているからです。

労働は「我慢するもの」という認識なら、お金は我慢しなければ手に入りません。つまりお金は「時間を投資して我慢することでもらうもの」なのです。

ただ本書ではお金は「稼ぐもの」としています。時間を投資して我慢するのではなく、工夫して自分の力でお金を稼ぎ出すのです。そこに我慢は存在しません。

お金を稼ぐようになるには、一歩踏み出すことです。今からでは遅いと諦めるのではなく、足し算で地道に工夫を重ねることです。

今いる会社でできることはなんですか。まずはそれを考える事が工夫の第一歩です。この本を読んで、足し算という考え方を身に着けてくださいね。