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フロンティア市場の特色は?先進国の市場との違いは?投資のリスクや予測は?

フロンティア市場とは発展途上国の市場のことです。経済成長率が高いこと、若者の人口比率が高いこと、債務残高が少ないことなどから、投資に関する注目が集まっています。経済や政情が安定していないことや流動性が低いことに不安も残る地域です。先進国の経済成長が鈍化するなかで、資本主義社会は新たな成長分野を求め続けています。その中でフロンティア市場は新たな価値となろうとしています。この記事では、フロンティア市場の特色、投資やリスクについてまとめました。

フロンティア市場とは?

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フロンティア市場とは、中・低所得国の市場を示します。明確な定義はありませんが、先進国や新興国とは違う発展途上国での市場が、一般的にフロンティア市場と呼ばれます。

フロンティア市場に含まれる国はアジアやアフリカ、中東、中南米などで多く分布しています。現時点ではフロンティア市場は発展段階ですが、フロンティア諸国の経済成長率は先進国よりも高くなっています。フロンティア市場は今後のさらなる経済成長が予測され、市場への投資の増加が見込まれています。

 

先進国の市場との違いや特色は?

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フロンティア市場の経済成長率の高さには、要因となる特色がいくつかあります。株式市場も今後の成長の余地が大きいといえます。

IMFは、フロンティア諸国の今後の経済成長率は先進国の成長率を上回ると予想しています。特にスリランカやベトナム、ケニアなどの成長率は大きく予測されています。

フロンティア市場の主な成長要因は以下の3つです。

フロンティア市場の3つの成長要因

  1. 人口
  2. 債務
  3. 天然資源

1.人口

フロンティア市場は先進国と比較してその人口に特色があります。

先進国は高齢化が進んでいますが、フロンティア市場の諸国は人口構成が若いことが経済成長の要因の1つです。生産年齢人口も増加傾向となり、他の国と比べて低賃金となる傾向が強く、低コストでの生産拠点としてメリットがあります。

2.債務

フロンティア市場は、先進国より債務の残高が少ないこともメリットとして挙げられます。先進国では政府債務の膨張が問題となり、経済成長を鈍化させる原因となっています。一方でフロンティア市場では、債務残高が少ないために投資のリスクも低くなります。

財務省公式ホームページによると、2015年11月のOECD「Economic Outlook」の試算では、2016年の対GDP比で日本の債務残高は約232.4%と最も多く、ギリシャが約200.0%、イタリアが約159.9%となっています。

IMFのデータでは、2012年末での政府債務残高の対GDP比は先進国全体で約120%となりましたが、新興国とフロンティア国は合わせて約47%でした。

3.天然資源

フロンティア諸国は先進国より原油や天然ガスなどの天然資源が豊富です。原油生産国の中でもサウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウェート、ナイジェリア、カザフスタン、カタールはフロンティア諸国となっています。

国によっては天然資源に恵まれない国もありますが、豊富な天然資源は先進国と比較したフロンティア市場の特色となり、市場への投資の今後の増加が考えられます。

 

フロンティア市場への投資のリスクは?

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フロンティア市場は今後の高い成長率が見込まれる一方、投資にはいくつかのリスクが伴います。フロンティア市場への主な投資リスクは以下の3つです。

フロンティア市場への3つの投資リスク

  1. 政治情勢
  2. 流動性
  3. 情報

1.政治情勢

一般的にフロンティア諸国では、先進国と比較して経済や政治事情が安定していないことが特徴です。政局が不安な状況では投資のリスクが高まり、不安定さがデメリットとして生じます。

2.流動性

フロンティア市場は先進国の市場より流動性が低いこともデメリットとして挙げられます。フロンティア諸国では経済や政治のシステムに関する整備が遅れる傾向があり、金融システムの整備の遅れは株式の流動性を下げる原因となります。

3.情報

先進国の市場に上場する企業と比較すると、フロンティア市場では公開されている情報が少ないことも投資のリスクを高めます。決算報告書などの情報の入手が限られるため、信頼度の高い情報をどのように得るかが重要となります。

 

今後の予測は?

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フロンティア市場は今後の経済成長が期待され、世界の市場への影響にも注目されています。これまでは先進国や新興国という概念が一般的でしたが、フロンティア市場の拡大に伴い、市場の在り方にも変化が生じています。

一方で、フロンティア市場の全ての諸国に今後の高い経済成長が予測されるかというと疑問も生じます。フロンティア市場の諸国の間でも経済成長率の差が見られ、今後の推移に注目されます。

IMFでは、アジア・アフリカ諸国の成長率は相対的に高くなる一方で、欧州のフロンティア諸国の成長率は鈍化することも予測されています。欧州のフロンティア諸国は生産年齢人口の割合が低い傾向にあり、ユーロ圏とのつながりによって貿易面で経済成長が鈍化する可能性もあります。

今後はそれぞれの諸国での経済成長が期待されますが、ユーロ圏の経済事情と合わせて、特に欧州のフロンティア諸国の成長に注目されます。

フロンティア市場は、高い経済成長率や低い債務残高、経済成長に有利な人口構成などの魅力がありますが、まだ不明瞭な側面も見られます。フロンティア市場の定義が明確でないことや、フロンティア諸国間での経済成長率の差、政治情勢など、全体として不安定な印象が残るといえます。

一方で基本的な投資の環境は整っているので、今後はフロンティア市場の不安定さもある程度解消されると考えられます。

 

日本の今後を担う?

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今までは発展途上国や新興国としてカテゴライズされていた国が、新たな市場として大きくなりつつあります。不安要素は残りますが、今後の成長が期待されています。

日本では少子高齢化などにともなって今後経済は縮小していくことが予想されます。日本が経済大国として生き残っていくために、フロンティア市場をうまく活用することが大切になるかもしれません。

フロンティア市場は日本だけでなく世界中が注目しています。今後の日本との関係性も含めて、継続して注目していくべき市場です。