用語解説

おとり効果とは?意味や具体例、対処法は?マーケティング活用の注意点は?

この記事の結論は「おとり効果とは、明らかに選ばれない選択肢を紛れ込ませることで、意思決定を変化させる効果のこと。いろいろな場面でおとり効果は利用されている。対処するには単価を計算し、自分に必要な量を考えることが重要」です。知らない間に買わなくてもいい物やサービスを購入していませんか?売り手はあらゆる手法で、消費者からお金を引き出そうとします。この記事では「おとり効果」とは何か、おとり効果の例や対処法についてまとめました。

おとり効果とは?

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「おとり効果」という言葉をご存知ですか。皆さんは「おとり効果」のせいで買い物をする際に不必要なものを買わされている可能性があります。

「おとり効果」とは、明らかに選ばれない(見劣りのする)選択肢を紛れ込ませることで、意思決定を変化させる効果のことです。

「おとり効果」を知ることで、意識的に不必要な買い物を回避できるようになります。裏を返せば、ご自分が商品を売る立場に立った時には戦略の1つとして考えることができるようになります。

そんなに簡単におとりには引っかからないと思う人もいると思いますが、おとり効果の事例を見ていくことで、この効果の有効性を確認できます。

 

おとり効果の例は?

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おとり効果の例1「新聞購読」

新聞購読を事例に見ていきます。

  • ネットのみ=2000円
  • ネット+紙=5000円

という選択肢を見た場合、どちらの選択肢を選びますか。調査の結果、60%以上が「ネットのみ」を選ぶ結果になりました。安い方を選ぶ傾向にあるということですね。

ここで「おとり効果」を使ってみましょう。

  • ネットのみ=2000円
  • 紙のみ=5000円
  • ネット+紙=5000円

ここでは「紙のみ=5000円」が「おとり」です。明らかに高く、選ばれない選択肢になります。この調査の結果では、「ネットのみ=2000円」が20%弱で、「ネット+紙=5000円」を80%以上の人が選ぶという結果になりました。

「ネットのみ」よりも3000円多く消費者に拠出させることに成功しています。安売りになっているわけではないのにパッと見て安売りになっているように錯覚してしまいます。

「おとり効果」のすごいところは、新聞の内容が良くなった、質が高くなったということではなく、ただ選択肢を増やすだけで消費者を動かしてしまうことです。選択肢の「おとり」が消費者の意識に働きかけているのです。

おとり効果の例2「ランチセット」

おとり効果には「極端の回避性(松竹梅の法則)」という効果もあります。3つの値段が違う商品があった場合、真ん中の値段の商品が多く選ばれるという法則です。

例えば以下の2つのランチセットがあったとします。

  • Aセット:600円
  • Bセット:800円

この場合多くの人は「Aセット:600円」を選びます。では上記した2つの選択肢に「Cセット:1200円」を追加するとどうでしょうか。

  • Aセット:600円
  • Bセット:800円
  • Cセット:1200円

この場合「Bセット:800円」の販売数が最も多くなります。

その商品の価値が分からない時、人は「安い商品より高い商品の方が品質が良いはず」と勝手に思います。一方で最も高い商品に対しては「BセットとCセットの400円の差はなんだろうか」と考えます。その結果、多くの場合は最も高い商品と最も安い商品に手を出さなくなるのです。

この例でも、値段は変わっていないのに真ん中の選択肢が安くなったように感じられます。選択肢を増やすことで消費者の心理を動かしたのです。

このように事例を見ていくと、思い当たる節がある人もいるかもしれません。おとり効果では選択肢を増やすことで特定の選択肢の印象を良くする効果があるのです。では、どうやって「おとり効果」に対処すればいいのでしょうか。

 

おとり効果の対処法は?

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「おとり効果」はあらゆるマーケットで使われており、完全に逃れることは難しいかもしれません。ただある程度の対処をすることは可能です。おとり効果には以下の2つが有効です。

  1. 単価を計算する
  2. 自分に必要な量を知る

前項で例に出した「新聞購読」を例に、対処方法を検討します。

  • ネットのみ=2000円
  • 紙のみ=5000円
  • ネット+紙=5000円

1.単価を計算する

「おとり効果」に対処する基本です。選択肢が与えられた時にまず単価を計算してください。そうすることで、本当に必要な対価を考えることができます。

「新聞購読」の例の場合、単価は以下の通りです。

  • ネット=2000円
  • 紙=5000円
  • ネット+紙=2500円

「ネット+紙」の場合、合計5000円で2つの商品が提供されるため、1つの商品あたりの単価は2500円になります。

2.自分に必要な量を知る

次に、単価から自分に必要な量をかけて考えます。「ネット」しか見ないのであれば紙は明らかに不要です。「ネット+紙」は紙の単価が安いためお得に感じますが、必要なものが「ネット」だけであった場合、無駄な2500円を払っている上に「ネット」の単価は単体よりも高くなります。

ただ対処をしたとしても「おとり効果」から逃れることは難しいです。自分の目的にとって必要のないものを買わないことが重要です。

 

マーケティングで注意することは?

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マーケティングにおいて「おとり効果」を利用する場合には、何をどれだけ売りたいのか明確にしておくことが重要です。

ただ、選択肢を3つにして価格帯を設定しても、売りたいものが明確でなければ売れないものを残してしまい、利益を最大化することができなくなってしまいます。「おとり効果」はある特定の選択肢の印象をよくするものです。特定の選択肢が明確でなければ効果を発揮しません。

まずは意図を明確に理解し、戦略を練ることをオススメします。

 

賢い消費活動を

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「おとり効果」という考えを知るだけで、売り手の意図に思考を巡らせることができるようになります。

ご自分が売り手になる場合でも、いろいろな方法で買ってもらおうとすると思います。ものを売る仕組みを理解していくことで、売り手としても消費者としても自分の考える価値にあった消費をすることを助けてくれます。

常に自分の目的にそった選択をすることで「おとり効果」に左右されない自己決定を行うことができます。


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