20代で読んでおくべき本「限界を突破する学ぶ技術」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「限界を突破する学ぶ技術」についてまとめました。限界は限界と思い込んでいるから限界なのです。方法を知っていれば限界は突破することができます。

限界を突破する学ぶ技術ってどんな本?

この本は、デジタルハリウッドの教育手法最高責任者を務めるなど、独自の教育手法を確立した羽根拓也氏の著作です。人の成長する力を育成することを目的に、学ぶ技術を紹介しています。

思考停止状態から感情エネルギーに火をつけることなど、学ぶための技術が盛り込まれた内容です。学ぶことに年齢制限はありませんが、特に多くを吸収できる若い世代に読んでもらいたい1冊です。

変化の激しい時代では、強みはすぐに陳腐化してしまう。なぜならすぐにマネされるか誰かがもっとよい方法を見つけようとする力学が働くからだ。出典:限界を突破する学ぶ技術

大切なのは強みを次々に生み出していく「自己成長力」。つまりどんどん変化していくことで成長する力を求められるとしています。その過程で学ぶ技術が必要だとこの本でまとめています。

 

学び方を知らない

そもそも多くの人は学び方について知らないと羽根氏は言っています。ここで出てくるのは英単語の学習の仕方です。

明日までに英単語を100個覚えてくるように先生に言われたとします。そして自分なりにさまざまな記憶法で英単語を覚えようとします。

ただ「その覚え方があなたが現時点で考える最も優れた方法だと自信を持って言えますか」と聞くとほとんどの人は首を傾けるそうです。

羽根氏はここに普段多くの問題を解決できない理由があるとしています。つまり「学び方」を知らないということです。

単語を覚えるという学習のなかでも最も基礎的な「学び方」でさえ確立していない、そんなことについて深く考えたことすらないのです。

これまでの学校教育では「英単語を覚えなさい」と提示するだけであり、どうやって覚えるかという定着のプロセスは完全に学習者任せであったことを述べています。

 

人生の学び方を知る

このような教育を受けてきたために、何かを吸収するということに関して完全に我流のまま大人になってしまいます。学び方を知らないから会社で仕事ができない、見たこともない新しい問題が解決できないと言ってます。

学び方を知り、日々のあらゆる面でわれわれは学び続ける必要があり、さらに言えば人生の学び方を知って成長していかなければ限界を突破できないと言っています。

 

6つの学ぶ技術

学ぶ技術として以下の6つの面のトレーニング手法を述べています。

  • 思考力
  • 感情
  • 行動力
  • 自分力
  • 対人力
  • 組織力

最も大切ですべてのトレーニングの基礎になるのは思考力です。思考力のトレーニングでは成長するための頭の使い方を紹介しています。

通常多くの人は思考停止状態になっているといいます。しかもそうなっていることに気づいていないそうです。このなかでは思考停止状態に陥っている人を「ベルコンワーカー=ベルトコンベアーのライン上で働く人」と呼んでいます。

 

思考停止状態の例

例としてある会社員の1日を挙げています。

休み明け会社に着くとたくさんのメールチェックと返信と整理に追われ、その途中で戦略会議に出席してプレゼンするも70点の出来。そうこうするうちに午後になりお得意様のところへ新人を連れて挨拶回り。そして会社に戻って日報をまとめるともうすぐ終電の時間を迎える。

この状態は、頭を使っているというよりは手元に流れてくる仕事をどうこなすかについてのみ思考をフル回転しているだけです。

本来考えなければならないのは「どうすればもっと作業効率がよくなるか」「工場全体のあり方はどうなのか」です。そして「自分自身の将来」について全く考えることができないと言っています。

考えるとは自分を成長させるために必要なことで、考えることをやめてしまうということは「成長の機会」を逃してしまうことを意味すると言っています。

ほかにも第一志望の会社に落とされた就活生の話を紹介しています。

将来に対して不安や絶望感を感じ、やらなきゃいけないことはわかっているのにどうしたらいいかわからない状態に陥る、つまり何か行動しているようで何もしていないと指摘しています。

 

思考停止状態を抜け出すために

こうした「思考停止」は、将来を左右する重要な分岐点に至った、成長できるかできないかの分かれ道に到達したことを意味し、日常頻繁に訪れると言います。

この状態抜け出すために必要なのは「視点移動」だと言っています。それは新しい趣味を持つことや、今までしたことがないことをすること。そうすると新しい視点(考え方)が生まれ、いままで見てきたものも客観的に見えると言います。

例えば今日1日を振り返って何か新しい体験をしたでしょうか。朝同じ時間に起き、同じ時間に家を出ていつもと同じルートで駅に行き会社に出社。仕事もほぼ同じようなことをして帰宅する。こんな毎日ではないでしょうか。

歳を重ねれば重ねるほど初めての体験は少なくなっていきます。歳を重ねたらその分だけ新しいことをしようと意識的に思わない限り未知のことはできません

新しい体験をすることによって新しい視点を持つことができ、自分の将来といった答えが簡単に出ないような、緊急ではないけど重要なことを考える力が身につくそうです。

覚えただけで使いこなせないものは能力とは呼びません。知識を能力へと変えていくための学ぶ技術がほかにも紹介されているので、もっと成長していくためにどう考えていけばいいかわからないという人、ボトルネックに陥っている人には必読です。

 

限界突破の方法を探る:編集後記

限界を突破するのは難しいことです。なぜならそこが限界だと思いこんでいるからです。ただそれは方法を知らないだけで、方法さえわかれば限界と感じていたものも限界ではないかもしれません。

「ガラスの天井」という言葉があります。女性や社会的マイノリティの人が出世や昇進などをしにくい状況を例えたものです。見えない天井があり、男性やマジョリティの人と比べて昇進できない状況を表しています。

アメリカ大統領選挙でトランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン氏はこの「ガラスの天井」に挑み、もう少しで破る所まで来ました。

「ガラスの天井」は女性やマイノリティにとって「限界」と言われていた部分ですが、ヒラリー・クリントン氏はこれに挑戦したのです。

このように、限界は方法さえわかれば突破することができます。何か自分で限界だと感じたら、視点を変えて突破の方法を探ってみてください。

新しいことをして「視点移動」することで、限界突破の方法を見つけ出せるかもしれませんよ。

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