20代で読んでおくべき本「トレードオフ」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「トレードオフ」についてまとめました。人生は朝起きた瞬間から夜寝る習慣まで選択の連続です。その選択を人に流されずにすることで、目標に対してベストの選択をすることができます。

トレードオフってどんな本?

この本はアメリカの経営学者ケビン・メイニーが書いたビジネス書です。

ビジネスは「上質」と「手軽」の二軸に分けられます。両者を追い求めると中途半端に終わり、自社の墓穴を掘ると言っています。ビジネスモデルの成功と失敗を学ぶとともに、個人としても人生で何を選択していくかを考えるきっかけになる1冊です。

この本はビジネスを「上質」と「手軽」の二軸からとらえているのでとてもわかりやすくシンプルですが、それを裏付ける事例が面白く読み応えがあります。

何かを得るためには何かを捨てなければいけないと言われます。その選択の基準が「上質」か「手軽」かということになります。

 

上質と手軽とは?

高い人気を誇る商品やサービスはたいてい、極めて手軽だが極上とはいえないか、極上だが手軽とはいえないか、どちらかの傾向がある出典:トレードオフ

「上質」であることの基準として「経験」「オーラ」「個性」の3つの足し算によって決まるとしています。

「手軽」であるかの基準として「簡便性」「経済性」の2つの足し算によって決まるとし、手軽であるというのは必要とされると同義であると言っています。

 

上質と手軽の例は?

例えばスターバックスは創業当時、コーヒーを売るだけではなく極上の経験を生み出すことを目指し「わずらわしさに満ちた日常から逃れて、ゆったりとしたひと時を過ごすためのオアシス」を作ろうとしていました。

立地場所や内装もこの理念を表現するためにふさわしいもので、多くの人がその考え方に共感しました。

ところが人気が出るにつれてスターバックスは事業規模を急速に拡大しました。アメリカのいたるところにスターバックスが出店し、いわばどこにでもあるありふれたコーヒーショップになってしまったのです。

つまり上質さが売りだったのに手軽さも手に入れようとして結局どっちつかずになり、ブランド価値が低下してしまいました。

また手軽さで頂点を極めたウォルマートはニューヨークのマンハッタンに進出し、高級な商品をラインナップにそろえてみたことがありました。ただこれも失敗に終わりました。

「上質さ」と「手軽さ」の2つを得ようとするとどっちつかずになり失敗に終わるのです。

 

上質と手軽を判断する5ヵ条

「上質と手軽」の選択を見誤らないために次の5ヵ条をあげています。

  1. テクノロジーの進歩を見落としてはいけない
  2. 商品やサービスの成否は、目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽のさじ加減で決まる
  3. 上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは顧客層ごとに異なる
  4. 商品やサービスを小さく生むと小回りが利くため、テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい
  5. 新しいテクノロジーは必ずといっていいほど不毛地帯で産声をあげる

 

上質と手軽から見る生き方

メイニー氏は企業だけでなく人としての生き方にも言及しています。世の中で活躍している人は上質か手軽のどちらかを極めています

何か1つの分野を極めたスペシャリストになるか、またみじかなところで人に頼られる存在になるか。自分だけの階段を作ってそのてっぺんに身を置くか、競争相手と戦って用意されたポストを奪いにいくか。

既存領域で1番になれないなら、絶対に他人に負けない自分の強みを考えて、それにふさわしい領域を切り開けばよい、と言っています。

自分の強みを見つけるためには自分を客観視できなければいけません。他の人に比べて自分が得意なこと、人が喜んでくれることは何かを考えるということです。

 

人生はトレードオフの連続

トレードオフという言葉は発展して、何かを得るためには何かを失うという意味の経済用語として定着しました。つまり何を選択するかということです。

例えばお昼に焼肉定食とラーメンどちらにしよう迷いました。焼肉定食に決めれば当たり前ですがラーメンは食べられません。お昼ご飯を何にするかは些細ことですが、人生は選択の連続です。

さらに言えば時間とお金を何に費やすかということです。

何を選ぶかには自分の目標が基準になります。目標がなければ行き当たりばったりの選択になり、時間とお金を無駄遣いすることになるでしょう。

友達誘われるがままお酒を飲んで、翌日お金を使いすぎた自分に後悔したことはないでしょうか。たまには羽目を外すことも必要ですが、後悔するお金の使い方はよくありません。

二次会に行くか行かないかを決めることも自分の人生の一部です。人に流されるのではなく、自分の人生の選択は自分で主導権を握りましょう。この本はビジネスモデルを学ぶだけでなく自分の人生を考える1冊ですので、若いビジネスパーソンは必読です。

 

選択は自分でする:編集後記

人生は選択の連続です。朝起きるところから夜寝るまで、常に選択を繰り返しています。選択のときに目指すべき場所が決まっていれば、それに合わせた選択をすることができます。

例えば、会社の先輩に誘われた飲み会で二次会に誘われたとします。その時誘いに乗るか乗らないかは、その後到達したい目標によって変化します。

先輩から何かを学んだりかわいがってもらいたいのならば二次会に行くべきです。反対に社交辞令的に参加した場合や他にやらなければならないことがあるのなら、二次会には参加しないでしょう。

このように、到達したい目標によって選択は変化するのです。この選択は自分でするものです。他人に流されて選択するようでは、自分の目標に従った選択ができているとは言えません。

自分の選択は自分でしてください。そうすれば、目標に向かって最善の選択をすることができるようになります。