用語解説

限界コストとは?ビジネスにおける限界コストは?多い方がいい?

限界コストとは、生産量を増やした時に追加的にかかる費用のことです。固定費と変動費のバランスで経営は成り立っています。限界コストが多ければローリスク・ローリターンといえます。限界コストが少なければハイリスク・ハイリターンです。これから社会人になる人や、すでに社会人の人、ご自分の会社の限界コストの値をご存知でしょうか?限界コストは経営に大きく影響を与える数値です。限界コストを理解して、会社への理解を深めてください。この記事では限界コストの概要や仕組みについてまとめました。

限界コストとは?

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限界コストは「財・サービスの生産量を1単位増やしたときに追加的にかかる費用」です。

 

ここでは、高級ネジを製造する企業を例にとって考えます。

この企業では、ネジを1本追加で製造するのに時給1200円の職人の手で5分かかるとします。

 

材料費(ネジに使う金属)は1本あたり10円とすると、限界コストは

  • 「1200円÷60分×5分+10円=110円」

となります。

 

つまり、ネジ1本を追加で製造するのにかかる費用のことを限界コストというのです。

「モノやサービスを1つ追加で作るときにかかる費用」と定義できます。

この例の場合は、時給1200円の職人の5分あたりの費用と材料費が限界コストになります。

 

ネジ製造工場の家賃や社長の給料などは限界費用に含まれません。

ネジ1本を追加製造しても家賃や社長の給料は上がらないからです。

 

ビジネスにおける限界コストは?

限界コスト

ビジネスにおける限界コストとして考えられるのは、高級ネジ工場の例にもあったように、追加的な人件費や材料費が挙げられます。

まとめて言えば、「変動費」という言葉で表現される費用です。

 

変動費に対して、家賃や社長の給料など製造数にかかわらず一定額が発生する費用を固定費と言います。

ビジネスモデル次第で、変動費と固定費のバランスは大きく異なります。

 

固定費と変動費の違いは?

限界コスト

固定費

固定費は一度支出してしまうと削減が難しい性質があります。

 

たとえば工場建物や機械設備を購入した場合、長期にわたって費用を減価償却することになります。

 

固定費の特徴として、経営悪化時には会計を圧迫する点が挙げられます。

固定費が多すぎると、いざという時に会社が破産に追い込まれやすくなるのです。

 

一般的に、製造業では変動費が多い傾向が見られます。

機械設備が高価で固定費が多いイメージがあるかもしれません。

ただ財の製造には一定の材料が必要です。材料費は基本的に変動費となるため、製造業は変動費率が高くなります。

 

変動費

変動費は製造数の減少とともに減る費用です。

 

例えば、受注が活発な時期に社員を残業させて増産している場合、受注が落ち込むと残業代の支払いが減ります。

変動費はビジネスの浮き沈みによって調整できるのです。

 

固定費が高い業種の代表はサービス業です。

サービス業は、常にサービスを提供できる体制を整えておく必要があります。

また、目に見えないものを提供する業種のため、材料費が存在しません。

したがって、サービス業の経費は固定費が中心となります。

 

限界コストは多いほうがいい?少ないほうがいい?

限界コスト

「コスト」という名称だけから考えると、限界コストは少ないほうがよさそうです。

 

限界コストが少ない=ハイリスク

「コストが少ない」と聞けばよいことのように感じます。

確かに、限界コストが少なければ追加生産する意欲が高まります。

作れば作るほど、どんどん儲けが大きくなっていく様子が実感しやすいからです。

 

ただ限界コストが少ない(≒固定費中心の)ビジネスはハイリスクです。

販売数が減ってしまえば、一気に赤字に転落するからです。

赤字と黒字の境目となる損益分岐点が高いといえますね。

 

限界コストが多い=ローリスク

一方限界コストが多い(≒変動費中心の)ビジネスでは、リスクを抑えることができます。

仮に不況などで販売数が落ち込んでも、固定費が少なければ黒字を確保しやすいからです。

ただ生産数が増えても利益の増え方はあまり大きくありません。

ローリスク・ローリターンともいえるビジネスモデルです。

 

限界コストの多い、少ないは一概にどちらがより良いとは言えません。

どの程度リスクをとれるかによって限界コストの適正水準を判断することをオススメします。

 

限界コストを正確に理解する

限界コスト

「限界コスト」は経済や会計で頻繁に目にする言葉です。

誤解を招きやすい名称だけに、「追加的な費用」であることを正確に理解しておいてください。

 

「コスト」だからと言って、少なければよいとは言い切れません。

限界コストが少ないビジネスモデルはハイリスク・ハイリターンだと覚えておいてください。


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