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2016.11.27
2016.11.27
インフレとはインフレーションの略で、物価上昇を意味します。物価が上昇すると貨幣の価値は下がります。
世の中でジュース以外に売られているモノがないと仮定すします。100円だった缶ジュース1本が120円に値上がりすれば、20%のインフレとなります。かつては600円あればジュースが6本買えましたが、値上がり、つまりインフレによって「600円÷120円=5本」しか買えなくなりました。
「600円」で買えるジュースの数が減ったので、円の貨幣価値が下がったことがわかります。
身近に見聞きすることの多い「インフレ」と異なり、「供給曲線」は経済について勉強したことがない人にはなじみが薄いと思います。
供給曲線とは、横軸に供給量、縦軸に価格をとった時にできるグラフ(曲線)です。価格が上がれば生産者は儲けやすくなるため供給量が増えます。したがって、供給曲線は右上がりのグラフになります。
供給曲線は常に同じ位置にあるわけではありません。例えば、新たな設備投資が行われたとします。この場合、生産効率が上がるため、同じ供給量でも価格を下げることができます。供給曲線は企業の活動に依存するため、企業活動により移動します。
インフレ供給曲線は、通常の供給曲線と同様に基本的に右上がりの曲線です。縦軸と横軸は以下のように表されます。
で示されるグラフです。
インフレ供給曲線の位置を考える際には、失業率が一定であることを前提とします。インフレ供給曲線には短期のものと長期のものの2種類があります。
2つのインフレ供給曲線
短期的には、国民所得が上がれば上がるほど、インフレ率は高くなります。アベノミクスではインフレ供給曲線をもとに、賃金を引き上げることで物価上昇につなげることを目指しています。短期的にはアベノミクスが考えていることは正しいといえます。
国民所得が上がる、と聞くとわかりづらいので、より単純に、給料が上がると考えてください。
給料が上がると、消費に回せる資金が増えます。そのため、より高額の消費をする人が増えます。多少価格が高いものでも、欲しいモノやサービスなら買ってしまおう、という気になりやすくなるからです。その結果、販売者は安売りをする必要が減り、物価は上昇します。
長期インフレ供給曲線は、右上がりでも右下がりでもなく垂直です。失業率が一定ならば、長期的には国民所得も一定になるからです。前提として失業率一定がどこまで現実的かという問題はありますが、経済学では何らかの前提をもとに思考を進めるのが基本です。
短期インフレ供給曲線はアベノミクスで行おうとしていることを理解するのに役立ちます。ややなじみの薄い用語ですが、政策とのかかわりを見出すことができます。
国民所得が上がればインフレ率も上がるという理論は、必ずしも現実に当てはまるとは限りません。
国民所得を給料に読み替えると、給料が上がれば物価が上がる、という理屈になります。この理屈が成り立たなくなる理由として、以下の2つが考えられます。
「失業率が一定」という前提が崩れます。企業が給料を引き上げるためには、相応の利益が見込めなければなりません。給料を上げれば上げるほど、採用の価値が見出せる人材の割合は減ってしまいます。給料を上げると失業率が高まる懸念があるのです。
給料が上がっても消費意欲が高まるとは限りません。将来に備えて貯蓄に励む人が多ければ、物価上昇にはつながりません。実際、日本では賃金が下落を続けてきたわけでもないのに、長らくデフレ状態が続きましたね。
インフレ供給曲線は耳慣れない言葉です。ただ実際の経済政策について簡単に思考を巡らせるのに大いに役立ちます。インフレ供給曲線は、縦軸にインフレ率または物価上昇率、横軸に国民所得を取る供給曲線です。国民所得が上がれば物価が上がることになります。
「インフレ」や「供給曲線」について理解している人は比較的多くいますが、もう1段階知識を深めることで、アベノミクスを始めとする経済事情を理解する助けにもなりますよ。