20代で読んでおくべき本「道をひらく」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「道をひらく」についてまとめました。道をひらくの著者である松下幸之助は、経営の神様と呼ばれた人物です。「神様」が伝えたかったのは何だったのでしょうか。

道をひらくはどんな本?

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経営の神様と呼ばれた現在のパナソニック創業者、松下幸之助が社内の機関誌に連載した短編随想録です。日本という国のあり方から人生の教訓まで、松下氏が日々感じたメッセージが11項に分けられて綴られています。

「運命を切りひらくために」「日々を新鮮な心で迎えるために」「ともによりよく生きるために」「みずから決断を下すときに」「困難にぶつかったときに」「自信を失ったときに」「仕事をより向上させるために」「事業をよりよく伸ばすために」「自主独立の信念をもつために」「生きがいある人生のために」「国の道をひらくために」

この本では素直に生きること、謙虚の大切さが繰り返し説かれています。そのうちのいくつかを紹介します。

 

道をひらくの名言1:素直に生きる

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逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。
素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚れを生む。出典:道をひらく

壁に当たったときに、乗り越えられる人と乗り越えられない人がいます。順調に進んでいるときに、そのまま成長する人と足元を救われる人がいます。

自分がどんな状況に置かれていても、それを素直に受け止めて行動することが大切です。否定しようとしたり過剰に自信を持ったりすると「逆境は卑屈を生み、順境は自惚れを生む」ことになるのだと思います。(編集者)

 

道をひらくの名言2:心の鏡

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自分の周囲にある物、いる人、これすべて、わが心の反映である。わが心の鏡である。すべての物がわが心を映し、すべての人が、わが心につながっているのである。
もうすこし周囲をよく見たい。もうすこし、周囲の人の声に耳を傾けたい。この謙虚な心、素直な心があれば、人も物もみなわが心の鏡として、自分の考え、自分のふるまいの正邪がそこにありのままに映し出されてくるであろう。出典:道をひらく

類は友を呼ぶ、という言葉があります。似た者同士が集まることを指します。人は自然と波長が合う者同士で仲良くなるものです。つまり友人関係がそのまま自分を反映しているといえます。

部屋が汚い人、すぐ遅刻する人、ものをなくしやすい人。人の心は行動や物にも影響します。

自分のまわりをよく見てください。人間関係や行動、物の状態などは全て自分の「心の鏡」です。そこで見えた良いことや悪いことを客観的に判断して、今後に活かすことが大切です。(編集者)

 

道をひらくの名言3:手さぐりの人生

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いくつになってもわからないのが人生というものである。世の中というものである。それなら手さぐりで歩むほか道はあるまい。
わからない世の中を、みんなに教えられ、みんなに手を引かれつつ、一歩一歩踏みしめて行くことである。謙虚に、そして真剣に。出典:道をひらく

よく「敷かれたレールを歩む人生は嫌だ」という人がいます。多くの人の場合「敷かれたレールを歩む」ことは選択肢の1つであって、そのレールを歩むかどうかはその人次第だと思います。

きれいに舗装されたレールが敷いてある人生なんてありません。どう生きるかはその人の自由です。ただどういう人生であれ、予想はできても予言はできません。人生は常に先が見通せません。

見えない道を「みんなに教えられ、みんなに手を引かれつつ、一歩一歩踏みしめて行く」ことが、先の見通せない人生を着実に進める方法なのかもしれません。(編集者)

 

道をひらくの名言4:道

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いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。
たとえ遠い道のように見えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。出典:道をひらく

人生いろいろなことがあります。ときには立ち止まってもいいし、後ろを振り返ることも大切だと思います。ただそれは自分の人生であって、他人の人生ではないということをしっかりと自覚しておくことが重要です。

休憩したらまた前を向きましょう。遠回りしても、ゆっくりでも、進むことが大切です。そうすれば「必ず新たな道がひらけてくる」のです。(編集者)

 

当たり前のことを当たり前にする

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書かれていることは学校で習うありふれたこと、言い慣らされたことにすぎません。また同じようなことを言葉を変えて何度も言っています。ですから非常に面白みもなく退屈だと感じるかもしれません。

ただこれらの言葉は、自分が逆境に追い込まれているときに沁みこんできます。特にサラリーマンのように雇われている人で、社長と同じような当事者意識を持てているひとはどれぐらいいるでしょうか?

例えば、会社で使う文房具などの備品。無駄使いしていませんか?貸与された携帯電話で無駄にネットにつないでいませんか?会社のお金で接待と称しながら高いご飯を食べていませんか?

これらはすべて、社長が従業員と一緒に汗水たらして一生懸命働いて稼いだお金で買っているものです。自分が社長ならそんな無駄遣いはしないはずです。こんな些細なことですがこれも当事者意識のひとつです。

そして社長は売り上げに対して全責任を負っています。その責任は従業員とその家族、顧客、出資者すべてに対してです。そのプレッシャーは計り知れないほど大きなものです。

ですから社長は孤独です。

社内で起きるさまざまな問題、いいことも悪いこともすべて、1人で考え、1人で悩み、決断の連続が続きます。そんな日々を過ごすなかで些細な言葉に救われることがあります。それが例えばこの本だったりするのです。

書かれていることは大したことではなく、親や先生からこれまで言われてきたことです。

ただなぜ松下氏はそんなことをあえて伝えたかったのか。それは当たり前のことを当たり前にすることが一番大切だと考えていたからではないでしょうか。

雇われている側が社長と同じ気持ちになれというのはなかなか難しいことです。ただ社長と同じ目線でいることを意識すると、仕事の成長が格段に早くなります。これから転職するにせよ、起業するにせよ、今いる環境で多くの経験を積むこと以外成長はありません。そして成長するスピードが早ければ早いほど、より多くの経験を積むことができます。

特に20代で、人生で大切な普遍的なことを知るにはうってつけの1冊です。ただ書かれていることが納得できるようになるにはこれから様々な経験が必要になります。そのためにも、今勤めているところで社長と同じ目線になることを意識しましょう。その繰り返しの中から、この本の言葉に深く共感できる部分が生まれてくるかもしれません。それが一回り成長した証です。

 

現状を受け入れること:編集後記

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松下幸之助は経営の神様と呼ばれ、多くの人が影響を受けました。パナソニックを一代で築き上げた経営者で、子供の頃丁稚奉公をしていた事があります。

そんな松下幸之助が伝えたかったことは、素直に、謙虚に、今いる状況を見定めて受け入れることだと感じます。自分の人生ですから、あらがっても仕方ありません。

この記事の編集者は20代ですが、先の人生は全くわかりません。まさに「わからない世の中」です。ただそれが問題だとは思いません。先がわからないということは、伸びしろが無限大ということです。今置かれている状況で最善をつくすことが大切だと感じます。

この記事を読んで人生で大切なことを学びたくなったら、是非この本を手にとって見てくださいね。

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