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2019.11.11
2019.11.11
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行動経済学とは、人間がかならずしも合理的には行動しないことに着目し、従来の経済学では示せなかった社会現象や経済行動を人間行動を観察することで説明しようとする新たな経済学です。
人が判断して行動を起こす際の直感と感情を重視し、さらにそのメカニズムを明らかにする学問といえます。
人間の心理に基づく行動に着目しているため、心理学とも深い関係があります。
2002年に行動経済学者のダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞して以来、注目をされるようになりました。
従来の経済学では、人は合理的かつ功利的な判断の下に動くとされていました。
功利的とは、選択肢の中でもっとも得するものを選ぶことを言います。
このような自己の経済利益を最大化させることを唯一の行動基準とする人間のことをホモ・エコノミクスと呼びます。
ただ現実にはこのようなホモ・エコノミクスは存在しません。
人間は感情で動く生き物であり、時に非合理的な行動を選択してしまうからです。
そこで、伝統的な経済学では説明のつかない人間の非合理的な行動について、心理学的な見地も念頭に置きながら理論的に説明する試みがなされるようになりました。
これが行動経済学です。
行動経済学では、合理的でない行動を取るのはランダムではなく、法則があると定義しています。
人間はある一定の法則にのっとって行動しているのです。
この法則を研究するのが行動経済学です。
2020年までに女性の管理職比率30%を目指すという政府目標に向けて、多くの企業が取り組み始めています。
ただ帝国データバンクが2016年8月に発表した調査対象企業の管理職の女性比率は約6.6%でした。
女性は出産、子育てなどキャリアを途中で諦める可能性が高いとはいえ、かなり低い数値です。
本来男女の仕事のパフォーマンスは、そこまで大きな差はないはずです。
女性が昇進していない原因の1つに、男女の行動経済学上の違いが関係している可能性があります。
行動の選択をする際、男女により違いがあることが明らかになっています。
例えば仕事の報酬体系を選ばせると、男性はより競争的な報酬体系を選ぶ一方、女性は固定給に近い報酬体系を選ぶことが多いです。
幼少期を見ても、小学生の短距離走では、男子は競争になるとタイムが上がるのに対して、女子は競争であってもなくてもタイムは変わらなかったことを明らかにした研究があります。
行動経済学での実験では、男性は競争を好み、女性は競争を回避する結果がでています。
ただ女性だけのグループになると、女性も競争を好む傾向になるとの実験結果があります。
置かれている環境により行動に変化が生まれる可能性があります。
近年、採用や昇進にあらかじめ女性枠を設置する企業も出てきています。
批判もありますが、行動経済学上で見ると、差別的な施策ではありません。
なぜなら自然な流れでは女性は争いを避けてしまう可能性が高いからです。
今後女性登用が増えれば、良い意味で男女間でさらに競争が加速すると予想されます。
行動経済学は経済にまつわる人間心理が理論として構築されており、知ることで仕事に活かすこともできます。
人間の行動に関わる心理的効果をもとに、仕事の活かし方を以下にまとめました。
行動経済学の例
数字データの見せ方など判断に利用する「フレーム」を変え、人の心理に働きかける効果です。
いずれも結果は同じですが、言い方を変えるだけで印象は変わります。
このフレーミング効果を利用することで、買うことができそうだと購買意欲を高めることができます。小売業や、営業で使いやすい手法です。
明らかに選ばれない選択肢を加えることで意思決定を変化させる効果です。
上記した選択肢の場合、商品の詳細がわからなければ多くの人は商品Aを選びます。
ただ以下の選択肢になった場合
商品Bが最も選ばれるようになります。
この場合商品Cが「おとり」です。明らかに選ばれないような選択肢を加えることで、本来売りたい商品を売ることができます。
印象的な情報や数値が基準となって、その後の行動に影響を与える効果のことです。
どちらも同じ「特別価格1万円」ですが、下の例の「通常価格3万円」がアンカー(=錨)となり、購買意欲を高めます。
このように、同じ結果でも印象的な情報を与えることで印象を変えることができます。
人が他の人と群れをなそうとする心理です。
この場合、行列ができている方に入りたいと思う人は多いのではないでしょうか。
「多くの人が選んでいる=美味しいはず」という心理が働き、同じ味でも行列店の方が美味しく感じることもあるでしょう。
店の新規開店や飲食店では、この効果を狙って意図的に行列を作る戦略もあります。
人は得をすることを求めるよりも損することを回避しようとする心理現象です。
この場合、多くの人は「a」を選びます。「b」の「50%の確率で100万円を手に入れ損なう可能性」を回避しようとするからです。
確率が0%もしくは100%などの確実性の高いものに価値を感じる心理効果のことです。
この場合、多くの人は「a」を選択します。低確率で高リターンを狙うより、確実にリターンが手に入れられる選択肢を選ぶ傾向にあるのです。
「人は利益を得られる場面ではリスク回避を優先し、損失をこうむる場面では損失を回避する傾向がある」という心理学の理論です。
この場合、多くの人は「a」を選択します。これは「利益を得られない」というリスクを回避しようという心理が働いているからです。
この場合は「b」を選択する人が多くなります。これは「確実に損益を出す」という損失を回避しようとするものです。
このプロスペクト理論は、損失回避と確実性効果を包括する考え方といえます。
現状維持バイアスとは「大きな変化や未知なるモノを避け、現状を維持したくなる」という心理作用です。
この心理作用は、人は利益から得る満足度より同額の損失から得る苦痛の方が大きいと判断することが要因とされています。
この2つの選択肢なら、多くの人が現状維持を選択します。これが現状維持バイアスです。
自分の主観や経験によって、合理的な根拠がないにも関わらず確率論に基づいた予測が歪められてしまう心理現象のことです。
コイン投げで裏表を当てるゲームをします。
6回投げてこのような結果になっていたとします。多くの人は「そろそろ表かな」と予想します。
ただコインの確率は1/2です。当然表が出る確率も1/2のはずです。連続で何回裏が出ても、次に裏が出る確率は下がりません。それでも人は、連続で同じものが出ると確率論に逆らった推理をしてしまうのです。
人のお金の使い方は必ずしも合理的ではありません。人はお金に関して何かを判断する時、自分のなかに小さなフレームを作り、その中で意思決定をします。
例えば、競馬の最終レースでは、1番賭け率の高い大穴に賭ける割合が増えるといいます。
これは1日の収支という小さなフレームを自分の中に作り、1日の中で損をしていたら最終レースで損を挽回しようという心理が働くからです。
現在志向バイアスとは、未来の利益よりも目先の利益を優先してしまう心理のことです。
この質問では、多くの人が「a」を選びます。未来の利益よりも目の前の利益を優先したからです。また、夏休みの宿題を先延ばしにして遊んでしまうのも同じ原理です。
未来のために投資や貯金しないのも同様の心理と言えます。
ブレークイーブン効果とは、損失があるとそれを取り返そうとして普段よりリスクある行動をしようとすることです。
反対に、損失があると普段よりリスクを回避しようとする行動をスネークバイト効果と言います。
どちらも心理に引っ張られて合理的な判断ができなくなる効果です。
行動経済学は、これまでの経済学が前提としてきたホモ・エコノミクス、つまり必ず合理的な行動をする人間を前提としていません。
その意味でより「人間的な」学問といえます。
行動経済学は日々研究や実験が進み、発展しています。
またマーケティングや商品企画など様々な分野で活用されています。
行動経済学を知り、様々な心理的効果を学ぶことで、企業や取引相手の狙いを見つけ出すことができます。