生命保険

生命保険の営業中にされたひどい対応②

この記事は寄稿記事です。保険の営業職に務めた経験のある40代ビジネスパーソンの方が営業中にされたひどい対応についてまとめています。営業はほとんどの場合断られてしまいます。そのため営業職のビジネスパーソンは様々な工夫をしますが、中には顧客にとって気に入らない方法もあるかもしれません。

独自の営業方法

「生命保険の営業中にされたひどい対応①」で、保険の営業方法は人から人の紹介で商談をしていく「紹介の無限連鎖法」とお伝えしました。

ですが現実は、このやり方で人と会い続けるのは限界があります。社内のメンバーはそれぞれ試行錯誤を繰り返し、独自のやり方で仕事をしていました。

そんな中で私が他のメンバーからシェアされたのは飛び込み営業です。といっても普通の飛び込みではなく、飛び込むことを事前にお知らせする飛び込みです。

 

GZTKというやり方

まず帝国データバンクで企業情報を買い、エリアごとに毎週20件会社をピックアップし、その社長宛に手紙を書きます。

便箋と封筒は鳩居堂で売っているような和紙のもので、社名が入った封筒ではありません。その便箋に筆ペンで書いていくのですが、そこにちょっと工夫を入れます。

自己紹介で社名と名前、そして保険という単語をいっさい使わず、福利厚生、退職金対策で多くの企業様にお役に立っていることをまず書きます。そして電話するのは失礼かと思いお手紙を書いたことお許しくださいと伝えます。最後に、今度あらためて御社にお伺いいたしますのでご対応何卒お願い致します、と会社に行くことをしれっと書くわけです。

しかも帝国データには社長の自宅の住所が載っていますので、会社ではなく社長の自宅宛に送付します。また差出人には私の家の住所を記載していました。社名と住所を書くと開封すらしてもらえない可能性が高いからです。

こうして事前に訪問することを伝えてから会社を飛び込むと、もちろんインターホン越しに断られることがほとんどなのですが、先方の第一声は「あー、あの手紙の」という第一印象になります。普通に飛び込むよりは印象が断然違います

週に1日だけやっていた活動でしたが、ここから商談になる確率は約3%でした。1番大きな商談では、年間保険料2500万円のご契約に至ったものもありました。

事前に飛び込みを知らせるという意味で、その頭文字をとって私は勝手にGZTK(ジーゼットティーケー)と呼んでいました。

 

社長との面会

ある日、ある不動産会社を訪問してその入り口でインターホンを鳴らしました。

「◯◯生命の◯◯と申します。◯◯社長いらっしゃいますか?」

「どういったご用件でしょう?」

「1度こちらから社長宛にお手紙を送らせていただいているので、お話いただければわかると思います」

何百件と訪問した中で編み出した想定問答で、このフレーズで会えなかったことはほとんどありませんでした。

「お待ちください」

ここは社長に会えるな、そう確信した次の瞬間、社長がやってきました。しかも怒鳴り声で。

「てめえかこんな姑息なことしやがって!ちょっとこい!」

私は目をパチクリさせながら社長に導かれるまま応接室へ。もちろん座ることはありません。そこから延々と説教です。約1時間。

その内容は、俺の家の住所をなぜ知っている。なぜ会社の住所を知っている。このやり方は上司がやれといったのか。会社はこのやり方を知っているのか。俺は保険が嫌いだ。しつこい保険の営業も嫌いだ。こんなやり方をする保険の営業はもっと嫌いだ。概ねこんな内容でした。

確かにやり方は姑息かもしれません。社名がわからないように、また保険会社とわからないようにしてご自宅に手紙を送っているのですから。

しかし自宅も会社の住所も一般に公開されているものであり、不法に得たものではありません。またそこまで会社と保険のことを否定される筋合いもありません。むしろ事前に訪問することを伝えているわけですから、来たらそこで普通に断っていただいて結構なのです

何百と訪問した会社の中でこの1社だけでしたが、腹が立ったことは今でも忘れません。

 

営業の仕事は断られること

営業という仕事が嫌いだという人のイメージの1つに、前項のような事態を想像しているかと思います。

営業の仕事はある意味断られることです。断られることに受け入れてくれる人に近づくことができます。ただ断られ続けるというのは決して楽しいものではありません。むしろ辛いことです。

先方は保険という商品であったり保険を売っている営業パーソンが嫌だと言っているだけで、私のことを否定している訳ではありません。しかし何回も断られ、たまにこんな嫌なことがあったりすると、本当に精神的なダメージを負います。

ですからGZTKとかアホみたいなことを言っていないと楽しくならないのです。

 

商談の練習として認識する

このやり方は商談になる確率としては低いですが、営業として何も知らない初対面の人とどう会話し、どう切返し、どうやって商談まで持っていくかというその場での瞬発力が鍛えられました。目の前の人との空気を自分でつくる練習になりました

怒鳴った社長も、会社がうまくいっていなかったのかもしれません。またその日の朝、奥さんと喧嘩したのかもしれません。たまたま虫の居所が悪いところに自分がやってきたのかもしれません。

いずれにせよ社長の何かのストレスが発散できたのならそれでよかったのではないでしょうか。ただ自分が社長と同じ立場だとしてもああはならないし、しないなと感じた出来事でした。

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