天皇の生前退位は認められていない?問題や今後の方針は?

生前退位は天皇陛下が崩御する前に攘夷するという意味の造語です。現行の皇室典範では認められていません。現在の天皇制度が崩れることや憲法抵触を問題視する声もあります。しかし、方向性として早期実現が目指されています。2016年8月8日に、天皇陛下は生前退位のご意向が強くにじまれるお言葉を述べられました。ただ生前退位には多くの問題が残されています。この記事では、天皇の生前退位や認められてない理由、現在の公務、問題、歴史、今後についてまとめました。

天皇の生前退位とは?認められていない?

天皇,生前退位

いつもご覧いただきましてありがとうございます。BraveAnswer編集部です。

【退位(譲位)】とは

  • 「君主・元首」が「帝位・王位などの地位」を手放すこと

です。

 

退位は生前に行われるため「生前退位」という言葉は意味が重複してしまいます。

正しい使い方ではありません。

 

生前退位の背景

皇室についての基本法典である「皇室典範」では、皇位の継承は天皇の崩御に限られています。

 

2016年8月8日に現在の天皇である今上天皇が

  • 本来規定がない崩御する前の退位のご意向を示されたことから「生前退位」という造語が生まれた

と考えられます。

 

天皇陛下は生前退位のご意向を示された際に、

「天皇として国事行為を行いつつ象徴としての役割を果たしてきたが、数年前の2度の手術や高齢による体力の低下から職務を務めるのが難しくなることが案じられる。」

と仰せられました。

 

皇室典範における規定

ただ上記したように、皇室典範では天皇の皇位継承は崩御の際に限定されており、生前の継承に関する規定はありません。

 

皇室典範第4条には

  • 「天皇が崩じたときは、皇嗣(こうし)が、直ちに即位する」

とあります。

 

この規定は1889年の旧皇室典範で決められて以来変わっていません

 

戦後に皇室について1947年に定められた現在の皇室典範にも受け継がれています。

 

天皇の生前退位、現在の公務は?

天皇,生前退位

日本経済新聞の2016年10月18日の記事によると、天皇陛下の「お務め」は大きく3つに分けられます。

 

  1. 憲法が定める「国事行為」
  2. 象徴天皇の地位に基づく「公的行為」
  3. 宮中祭祀などの私的活動を含む「その他の行為」

 

2015年にこれらに取り組まれたのは約260日でした。

1年間は約52週間ですので、1週間に5日はこれらを行っていたことになります。

 

国事行為と公的行為を「公務」と呼び、活動の大半を占めています。

 

2015年の1年間で、

  • 内閣から届く書類に署名や押印:約1000件
  • 宮殿や御所で功労者や外国賓客などと面会する「拝謁」「会見」:100件超
  • 地方訪問:17回

でした。

 

【天皇陛下の活動比較(2015年と2004年)】

天皇陛下の主な活動 2015年(81歳) 2004年(70歳)
公務  内閣から届く書類への署名押印 1060件 1080件
 認証官任命式 135人 81人
 宮殿や御所での拝謁・会見・茶会など 161件 156件
 皇后さまとの地方訪問(静養を除く) 17件 14件
 宮中祭祀 22件 35件

 

宮内庁が2009年に、74歳のときの天皇陛下と昭和天皇の公務の量を比較したところ、

  • 赴任・帰国大使の拝謁などは人数:約4.6倍
  • 東京都内や地方に出かける回数:約2.3倍

に増加していました。

 

上記した表からも分かる通り、天皇陛下の仕事量は70代の頃と比較してもほとんど変化はありません

宮内庁は、一部式典で天皇陛下が述べられるお言葉をなくすなど負担軽減に取り組んでいます。

 

天皇陛下のご意向

ただ天皇陛下はご意向を示された際に

「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。」

と仰せられました。

 

天皇陛下は公務に対して天皇の状態が影響してはならないとのお考えを持っていると思われます。

その為天皇陛下は生前退位を実現し、天皇が象徴としてのお務めを全うできるように譲位をしたいと考えられているのです。

 

天皇の生前退位、問題は?

天皇,生前退位

朝日新聞デジタルの2016年7月15日の記事によると、天皇の生前退位が認められていない理由について、1984年4月に80歳を超えた昭和天皇の生前退位に関して国会で質問がありました。

 

その際、当時宮内庁次長を勤めていた山本悟氏は以下の3つを理由にあげています。

 

  1. 退位を認めると上皇や法皇などの存在が弊害を生ずる恐れがある
  2. 天皇の自由意思にもとづかない退位の強制があり得る
  3. 天皇が恣意的に退位できるようになる

 

天皇の生前退位を認めると、天皇が大きな権力を持ったり意に反する天皇の交代が行われたりする可能性があるということです。

 

その他に、天皇自身が退位の意向を示すこと自体が憲法が禁じた

  • 「天皇による政治権力の行使」につながる

との指摘もあります。

 

日本国憲法第1章第4条において、天皇は「国政に関する権能を有しない」とされています。

生前退位のご意向を示すことがこの「国政に関する機能」にあたるのではないかと指摘されているのです。

 

天皇の生前退位、歴史は?

天皇,生前退位

現在は天皇の生前退位の制度はありませんが、皇室の歴史をさかのぼると、昭和天皇までの124代の天皇のうち半数近くで生前退位(譲位)が行われてきました。

 

これまでに

  • 生前退位は58回あった

とされています。

 

平安時代は頻繁に行われた

NHK NEWS WEBによると、譲位は645年に35代皇極天皇が孝徳天皇に対して行ったものが最初とされます。

その後平安時代になると譲位は頻繁に見られるようになり、江戸時代にかけて譲位による皇位継承が半数を大きく上回るようになりました。

譲位した天皇には、最高の天皇という意味を表す「太上天皇(通称「上皇」)」の尊称が贈られます。

 

明治時代に皇位継承を崩御だけに

ただ明治時代半ばに大日本帝国憲法とともに定められた旧皇室典範で、

  • 譲位が強制されて政治的混乱を招いた時代があったこと

などを理由に皇位の継承は天皇の崩御だけに限られました。

 

その後1947年に今の皇室典範が制定された際にも譲位の制度化を巡る議論がありましたが、同様の理由で見送られています。

 

最後に譲位が行われたのは江戸時代後期の1817年で、光格天皇が仁考天皇に譲位したのを最後に

  • 約200年間譲位は行われていません

 

天皇の生前退位、今後は?

天皇,生前退位

2016年10月17日に天皇の生前退位を議論する政府の有識者会議が始まりました。

「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」と名付けられたこの会議では、天皇陛下が象徴としての務めを果たすことが難しくなることを案じられていることから、以下の8つに焦点を絞って議論をする予定です。

論点 内容
象徴天皇制 憲法上の天皇の役割
国事行為や公的行為などの公務のあり方
負担軽減 天皇が高齢となった場合の負担軽減策
摂政の設置の是非
国事行為の委任の是非
生前退位 天皇が高齢となった場合の生前退位の是非
退位を恒久制度とすべきか
退位後の地位や活動

負担軽減に関して、摂政を設置するという案に対して天皇陛下は

「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません」

と述べられ、否定的な立場を示されています。

 

各項でまとめたように現行の皇室典範では生前退位は記載がありません。

 

典範改正か特例法か

生前退位を行う場合は以下のどちらかの対応が必要となります。

  • 典範を改正する
  • 今の天皇にのみ認める特例法を設置する

政府は特例法を設置する方向で検討していますが、それでも天皇の退位後の呼称や活動範囲の規定に関して議論が必要です。

 

また新しい元号や皇太子のくらいが空位になることに伴う「皇太弟」の規定など、多くの論点が生まれています。

 

法制化の流れ

日本経済新聞の2016年10月18日の記事によると、今後想定される生前退位の法制化の流れは以下の表のようになると予想されています。

日程 活動
2016年10月17日 有識者会議初会合
2016年10月27日 第2回会合、ヒアリングする専門家の人選などを決定
2016年11月中 皇室制度や憲法の専門家など十数人から3回に分けてヒアリング
年内〜2017年1月初旬 論点整理を公表
与野党で議論、衆参両院議長などが意見を集約
2017年3月末 有識者会議が提言取りまとめ
2017年春〜初夏 生前退位の実現に向けた法案を国会提出、成立
2018年中 生前退位

政府が視野に入れる2017年の通常国会での法整備のためには有識者会議が2017年の春までの提言をまとめる必要があります。

議論を生前退位に絞っていることから皇室制度全般に議論が拡散するのを避ける狙いがあると見られており、早期解決を目指していると考えられています。

 

特例法の流れ

2017年6月現在では、上記の日経新聞のスケジュール通りに特例法を成立させるという方法で対処するという流れで進んでいます。

 

今後の動きに注目が必要です。

 

生前退位の早期実現が目指される

天皇,生前退位

歴史的に見れば生前退位は当然のように行われていましたが、近年は全く行われていません。

最後に譲位が行われたのは約200年前です。

 

天皇陛下はご高齢になったことから象徴としてのお務めを果たせなくなることを懸念しており、生前退位のご意向を強くにじませています。

ただ現行の皇室典範では生前退位は規定がなく、皇室典範の改定もしくは特例法の設置をしなければ生前退位は実現しません。

 

今の天皇である今上天皇は、戦争を経験し、初めて「国民の象徴」として即位した天皇です。

 

82歳となった現在も精力的にお務めをなされています。

 

「国民の象徴」として国民に愛されている天皇陛下のご意向を尊重し、問題の早期解決が目指されています。

 

新聞を読んで世界の動向を知る

ビジネスに限らず、人生を豊かにするためには世の中の動向を知っておくことも大切です。

身近な方法としては、新聞を読むこともひとつの手段です。

英語圏の情報であれば、

ウォールストリート・ジャーナル日本版 世界最大の経済新聞
ワシントンポスト 世界的影響力のあるアメリカを代表する新聞のひとつ
AFP通信 世界最古のフランスの新聞社
ジャパンタイムズ 日本最古の英字新聞

など日本からでもアクセスできる新聞紙があります。

日本であれば、

日本経済新聞 日本最大の経済新聞
読売新聞 1874年創刊 世界最多の発行部数
朝日新聞 1879年創刊 日本第2位の発行部数
毎日新聞 1872年創刊 日本三大紙のひとつ
東京新聞 1942年創刊 中日新聞社発行

など、様々な視点の新聞があります。様々な角度から物事をみるためにも一通り目を通しておくことをお勧めします。

 

英語を身につけることで情報の壁を突破する

また、現在は英語さえ身につけていれば、インターネットで世界の情報にアクセスできる状況でもあります。

英語を身につけることで情報を手に入れる幅が格段に広がります。世界で起きていることを、現地の人の目線から知ることができるからです。

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など、英語学習の場も充実してきているので学びの幅を広げてみてはいかがでしょうか。

 


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