パリ協定とは?|遅れて批准した日本はどうなる?アメリカが離脱表明

パリ協定は京都議定書に続く温暖化対策を定めた国際協定です。2017年6月1日に、トランプ大統領が温室効果ガス排出量世界2位のアメリカのパリ協定離脱を表明し、今後の動向が注目されます。2020年までの温暖化対策を定めた京都議定書に続いて2020年以降の温暖化対策を定めたのがパリ協定です。京都議定書は採択から発効まで7年かかりましたが、パリ協定は採択から発効まで1年足らずでたどり着いています。この記事では、パリ協定について、批准できない理由やそのデメリットについてまとめました。

パリ協定とは?

パリ協定

パリ協定とは、2020年以降の温暖化対策を定めた国際協定です。

すべての国が参加します。

2015年11月30日から12月13日までフランス・パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)によって正式に採択されました。

 

ポスト京都議定書

パリ協定は、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)、通称京都会議で採択された京都議定書に代わる地球温暖化対策の取り組みとして位置づけられます。

京都議定書は2008年から2020年までの地球温暖化対策として策定されたので、京都議定書の後の対策としてパリ協定が定められることになります。

 

パリ協定の目的

環境省「パリ協定の概要(仮訳)」によると、パリ協定の主な目的は

世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること

です。

これを達成することで、気候変動の脅威への世界的な対応を強化することを目的としています。

つまり、世界の平均気温の上昇を2℃(できれば1.5℃)以下に抑えることで気候変動を抑えるということです。

 

パリ協定の中には、上記した目標を達成するために

  • 「主要排出国を含むすべての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること」
  • 「適応の長期目標の設定及び各国の適応計画プロセスと行動の実施」

などが盛り込まれています。

世界の平均気温の上昇を抑えるために、排出量削減目標を作り提出すること、達成のための国内対策をとっていくことが義務付けされたことになります。

 

トランプ大統領がアメリカのパリ協定離脱を発表

パリ協定

2017年6月1日にトランプ大統領は、アメリカのパリ協定の離脱を表明しました。

 

アメリカは、温室効果ガス排出量が世界第2位です。

温室効果ガス排出量削減を目標とするパリ協定の意味を根幹から揺さぶる表明といえます。

 

この表明には、アメリカ前大統領のオバマ氏など、世界各地から懸念の声が上がっています。

 

トランプ大統領の姿勢

トランプ大統領の掲げる「アメリカ・ファースト」では、石炭業などの大量にCO2を排出するアメリカ国内の産業を再興することも挙げられています。

そのためには、厳しい温室効果ガス削減目標が壁になる可能性があります。

 

またトランプ政権には、石油大手エクソンモービルの前会長であるティラーソン国務長官がいます。

ティラーソン国務長官は、就任前から厳しい環境政策に異を唱えている人物です。

 

アメリカのパリ協定離脱の表明の背景にはトランプ政権の思惑があると考えられます。

 

正式な離脱には時間がかかる

パリ協定

アメリカはパリ協定の離脱を表明しましたが、正式に離脱するには

  • 協定発効から3年後より可能

という決まりがあります。

 

パリ協定は2016年の11月に発効したので、

  • 2019年11月から離脱可能

ということになります。

また手続きには1年ほどかかるということで正式な離脱は

  • 2020年11月

です。

 

正式離脱は次期アメリカ大統領選後

2020年11月といえば、アメリカ次期大統領選の後です。

つまり、実際に正式に離脱するかは大統領選次第ということになります。

 

しかし、この表明によりアメリカのパリ協定における発言権は弱まるとみられ、逆に中国、EUの発言権が高まるとみられます。

 

パリ協定の日本の立場

2016114日に発効されたパリ協定に、日本の批准は間に合いませんでした

パリ協定は第21条で

この協定は、世界総排出量の55%以上の排出量を占める55カ国以上の締約国がこの協定を締結した日の後30日目の日に効力を生じる。

と規定されています。

つまりパリ協定発効の条件は以下の2つです。

  1. 批准国が55カ国以上
  2. 批准国の排出量が世界全体の55%以上

ただ20168月の時点ではこの条件はどちらも満たしていませんでした

条件が満たされなければ協定は発効されません。

そのため日本政府はTPP協定などを優先し、パリ協定の優先度を低く見積もっていました。

 

日本の誤算により遅れて批准:ルール作りに参加できず

しかし、実際には

  1. 米中合意(オバマ政権時代)
  2. インド批准
  3. EU一括批准

などにより日本はパリ協定批准に遅れをとってしまいました。

 

これにより、日本はcop22でのパリ協定のルール作りに参加できませんでした。

日本に不利益なルールでも異議を申し立てられないということです。

 

日本はcop22の開催中にようやく批准をしています。

 

アメリカのパリ協定の離脱表明が今後の日本の立場にどう影響を及ぼすのかにも注目です。

 

今後のパリ協定は不透明な状態に

パリ協定

 

パリ協定のアメリカ離脱表明は、パリ協定の効果を著しく下げる懸念があります。

 

国際的に協調することは、温室効果ガスを削減するためには欠かせないことです。

今後のパリ協定は不透明な状態になったといえます。

 

しかし、温室効果ガス排出量第1位の中国は依然としてパリ協定を支持しています。

今後、中国、EUを軸に、批准に遅れ発言権の低い日本も含めてどのようにパリ協定が進んでいくのか注目が集まります。

 

 

あわせて読みたい

カテゴリー