アメリカ大統領選挙、仕組みは?期間は?誰でも立候補できる?

この記事の結論は「アメリカは代議員や大統領選挙人が有権者の代わりに投票を行う間接選挙制を採用している。選挙は1年かけて行われ、条件を満たせば誰でも立候補は可能」です。アメリカの大統領の任期は4年です。したがって4年に1度大統領選挙が行われます。この記事では、アメリカ大統領選挙の仕組み、期間、立候補についてまとめました。

アメリカ大統領選挙、誰でも立候補できる?

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アメリカ大統領選挙に立候補するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • アメリカ生まれであること(帰化は不可)
  • 14年以上アメリカに住んでいること
  • 35歳以上であること

国籍がアメリカであっても、帰化によってアメリカ国籍となった人は立候補することができません。移民などによってアメリカ国籍となった人は、州知事にはなれても大統領にはなれないのです。

アメリカは民主党と共和党という2大政党が大きな政治的権力を持っており、議員のほとんどは2つの政党のどちらかに所属しています。第3党としてアメリカ緑の党やリバタリアン党などがありますが、150年以上にわたって2大政党のどちらかがアメリカ大統領に就任しています。

無所属で立候補することも可能ですが、2大政党以外から立候補するためには、各州で一定数以上の署名を集める必要があります。署名を集める事が出来なければ、無所属の立候補者はその州では立候補する事ができません。2大政党制が確立されているアメリカでは無所属の立候補者が大統領に就任することは不可能だと言われています。

 

アメリカ大統領選挙、仕組みは?期間は?

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アメリカ大統領選挙は以下のプロセスを経て大統領を選定します。

選挙形態 プロセス 対象 目的
予備選挙 1 党員集会と予備選挙
(1月〜)
党員 党の大統領立候補者を選出
2 党の全国大会
(7月〜8月)
本選挙 3 大統領選挙人を選ぶための一般投票
(11月)
国民  大統領を選出
4 選ばれた大統領選挙人による選挙人投票
(12月)

このうち「党員集会と予備選挙」と「党の全国大会」は、各党が党の代表として大統領に立候補する人物を決める党内での手続きです。日本の選挙のように告示や公示はないので、選挙活動を始める時期は候補者によって異なります。

選挙は大きく「予備選挙」と「本選挙」に分けられます。予備選挙で党の代表となり、大統領選挙に立候補した候補者が、本選挙で各党の代表と大統領の座を争う仕組みになっています。

大統領選挙は、候補者となる党の代表を決める予備選挙も含めればおよそ1年にも及びます。

 

1.党員集会と予備選挙

立候補予定者が大統領選挙に出馬表明すると、各党は一般党員の代表として立候補者に投票する代議員を選出します。

代議員の数は州ごとに各党が設定しており、代議員を選出する方法は投票形式による「予備選挙」や地域党員の合議による「党員集会」など各州の党委員会に任されています。党員は自分が支持している候補者を支持している代議員に投票し、選出された代議員が党員の代わりに立候補者に投票します。

代議員を選出するための予備選挙は、政党登録した有権者だけが投票できる「closed」とよばれる方式と、登録していない無党派層も投票できる「open」とよばれる方式があり、州によって異なっています。「closed」は所属する党員しか投票できませんが、「open」は党員かどうかに関わらず全ての有権者が投票することが可能です。

予備選と党員集会が集中する3月上旬の火曜日は、1日で多くの代議員が獲得できることから「スーパー・チューズデー(Super Tuesday)」と呼ばれ、前半戦最大のポイントとなります。

 

2.党の全国大会

50州で選出された代議員が各党の全国大会に出席し、支持する候補者に投票を行います。この投票で過半数を獲得した候補者が正式に各党の指名候補者となります。全国大会で各党は指名候補を1人選出し、選出された候補者は党の代表として大統領選挙に参加することができるのです。

 

3.大統領選挙人を選ぶための一般投票

各党の候補者が決まると、選出された候補者は9月上旬の国民の休日である「労働祭=laborDay」から一般投票(11月第1月曜日の次の火曜日)に向け選挙戦に突入します。全国遊説やテレビ討論会など数々の戦略が入り混じった戦いは国民の大きな関心事となるのです。

11月の一般投票では、候補者に投票する権利を持つ大統領選挙人を選出します。一般の有権者は、自分が支持する候補者を支持すると表明している大統領選挙人に投票することで意思表示をすることができます。

大統領選挙人は各州の人口などによって割り振られ、合計538人の大統領選挙人が選出されます。選出された大統領選挙人が候補者に投票することで、大統領が選出されるのです。

一般の有権者が投票をするためには

  • 18歳以上でアメリカ国籍であること
  • 市町村の選挙登録事務所に登録すること

以上の2つの条件を満たす必要があります。

 

4.選ばれた大統領選挙人による選挙人投票

一般投票で選出された大統領選挙人は、支持を表明している候補者に投票します。大統領選挙人の過半数である270人の票を獲得した候補者が次期大統領となるのです。

大半の州では、最も多くの大統領選挙人からの支持を集めた候補者がその州の選挙人を全て獲得できる「勝者独占方式(Winner-Take-All)」を採用しています(例外はメイン州とネブラスカ州)。

例えば、A州の大統領選挙人が10人だったとします。候補者Bが投票の結果6人の大統領選挙人から支持を得た場合、候補者BはA州で最も多くの大統領選挙人を獲得したことになり、大統領選挙人10人全ての票を獲得することができるのです。

開票は翌年1月に行われ、正式に新大統領として就任します。

 

間接選挙制を採用している

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アメリカ大統領選挙は、国民が直接投票する直接選挙ではなく、代議員や大統領選挙人を選出することで間接的に投票を行う間接選挙制が採用されています。

ただこの選挙方法には欠点があります。国民からの得票数が多くても大統領選挙人の獲得数次第では選挙に負けてしまう可能性があるのです。

2000年の大統領選挙では、民主党候補であったゴア氏が得票数で共和党候補のブッシュ氏を上回ったにも関わらず、大統領選挙人の獲得数で上回ったブッシュ氏が大統領に就任しました。

近年では、選挙制度を変えようという動きも出てきています。


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