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2005年の人気企業ランキング、今と違う?

この記事の結論は「2005年は就職氷河期で安定志向から企業ブランドが重視された。ここ10年間、日本の人気企業ランキングにランクインする企業に大きな差はない」です。2005年は「失われた10年」と呼ばれた時代でデフレが問題視されており、世の中は不景気でした。この記事では2005年の時代背景、人気企業ランキングトップ10の企業を文系、理系それぞれでまとめました。

2005年はどんな時代だった?

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2005年は愛知万博が催されていた年です。ただ経済はあまり良くありませんでした。「失われた10年」と呼ばれた時代でデフレが問題視されており、世の中は不景気で就職氷河期でした。

内閣府の「国民経済計算」によると、2005年の日本の名目GDPは約503兆9030億円でした。同資料によると、2016年4月〜6月期の日本の名目GDPは約505兆4000億円ですので、現在とあまり変わりません。総務省統計局公式ホームページ「平成22年国政調査公表」によると、人口は1億2805万7352人で戦後初めて前年より人口が減少しました。高齢化率は約23.0%で高齢社会が深刻化しています。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、サラリーマンの平均年収は約488万1800円で減少傾向にありました。ただ国税庁の2014年「民間給与実態統計調査」によると、2014年の日本の平均年収は約415万円ですので、2005年の平均年収は現在よりも高かったことが分かります。

出典:内閣府「2005年度 国民経済計算
出典:総務省「平成22年国勢調査 人口等基本集計結果 要約
出典:国税庁「民間給与実態統計調査

 

2005年の人気企業ランキングトップ10は?

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リクルートの「就職ブランド調査」によると、2005年度新卒に人気の企業は以下のとおりです。

10位 日立製作所

日立製作所は総合電機メーカーです。1910年に久原鉱業所の修理向上として発足したのがはじまりです。冷蔵庫や全自動洗濯機を開発した会社でもあります。当時は電機機関車やエレベーターといった重電機器から扇風機といった家電製品に渡る幅広い商品を製造しています。2005年には人と対話して行動する2輪走行ロボット「EMIEW」を開発し「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」で披露しました。現在は業界首位の売上高を誇る大手重電3社の1つです。

 

9 位 博報堂

博報堂は国内第2位、世界第7位の総合広告代理店です。博報堂DYグループの中核を担う企業でもあります。1895年に教育雑誌の広告取次店として設立されたことに始まる、長い歴史を持つ企業です。2005年には博報堂DYホールディングスが東証一部に株式上場しました。

 

8位 日産自動車

日産自動車は、自動車や船舶の製造、販売および関連事業を主な事業内容としています。世界の様々な国や地域で商品・サービスを提供しています。1933年12月に横浜市に設立された株式会社自動車製造が1934年6月に日産自動車に改称されたことが日産自動車の始まりです。2005年には、パキスタンやウクライナ、シンガポール、台湾など、グローバルな事業展開をしていました。

 

7位 積水ハウス

工業化住宅の建築や不動産に関連する事業を行っている建設会社です。1963年の大手プラスチックメーカーである積水化学工業を母体として設立されました。2005年には「省エネ・防災住宅」が省エネ大賞会長賞を受賞し、「日本国際博覧会」(愛知万博)に「夢みる山」のメンバー企業として参加しています。

 

6位 電通

電通は日本最大の広告代理店です。1901年に設立された日本広告を前身とします。 1975年時点より単独広告会社としてはトップクラスの売上高を誇っていました。2001年に設立100年を迎え、東証一部に上場しています。2002年には東京・汐留に新社屋ビルが完成しました。

 

5位 サントリー

サントリーは日本のアルコールや清涼飲料水の製造・販売を主に行う食料品業界の大手企業です。1899年2月にワインの製造販売を目的とした鳥井商店を創業したことが始まりで、1963 年にサントリーに商号変更しました。2009年より持株会社に移行しサントリーホールディングス変更しています。2005年には「ザ・プレミアム・モルツ」 が日本で初めて、「モンドセレクション」ビール部門で最高金賞を受賞しました。その後3年連続で同賞を受賞しています。

 

4位 東海旅客鉄道

東海旅客鉄道は、運輸業、流通業、不動産業の3つの事業を主に行う企業です。東名阪の大動脈である東海道新幹線を経営しています。1987年4月に国鉄が分割民営化されたことに始まる企業です。2003年には東海道新幹線品川駅が開業しました。

 

3位 ジェイティービー

ジェイティービーは、旅行業界では日本最大かつ世界有数の事業規模を有する旅行会社です。財団法人日本交通公社の営利部門を分割・民営化し、株式会社日本交通公社として創業されたことに始まります。パッケージツアーに代表される旅行業や旅行雑誌の出版業など様々な事業を統括しています。2002年には創立90周年を迎えるとともに、同年6月に開催された日韓共催FIFAワールドカップで公式輸送業務を始めとするさまざまなツアーを取扱いました。

 

2位 トヨタ自動車

トヨタ自動車は日本で最大、世界でトップの自動車メーカーです。1937年に豊田自動織機製作所から自動車部門が分離独立し、トヨタ自動車工業が設立されたことに始まります。トヨタ自動車はその創業以来長い歴史を誇り、現在ではグローバルな事業展開を行っています。2005年にはハリアーハイブリッドやクルーガーハイブリッドなど、ハイブリッド車の販売を開始しています。

 

1位 全日本空輸

日本航空は略称のANAで知られる日本を代表する航空会社です。日本航空と並ぶ主要な航空会社で、特に国内線が充実しています。1958年に前身の日本ヘリコプター輸送株式会社と極東航空株式会社が合併して設立しました。2002年に、前身企業である日本ヘリコプター輸送株式会社から数えて創立50周年を迎えると、2003年にはANAグループ航空会社の国内線・国際線累計旅客数10億人を達成しています。

出典:リクルート「大学生の就職志望企業(採用ブランド調査2005)

 

2005年の新卒は何を基準に企業を選んでいたの?

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リクルートの「就職ブランド調査」によると、2005度新卒が企業選択の際に重視していた視点は以下のとおりです。

順位 重視していた視点 前年比較
1位 自分がやりたい仕事ができる 減少
2位 職場に活気がある 増加
3位 仕事の成果や業績が正当に評価される 減少
4位 仕事や研修を通じて専門的知識や技術が身につく 増加
5位 企業戦略やビジョンが優れている 減少
6位 社会や地域に貢献している 増加
経営者魅力的である 増加
勤務地が便利/通勤が便利 増加
9位 雇用が安定している 増加
給与・福利厚生など待遇が良い 増加

2004年と比較した際に重視している人が増加した視点は以下の点です。

  • 仕事や研修を通じて専門的知識や技術が身につく
  • 家族・友人に自慢できる
  • 企業そのものや商品がブランドとして広く認知

就職氷河期と言われた2005年は、学生は安定を求めて大企業志向の就活生が多くいました。企業ブランドが重視されていたといえます。

出典:リクルート「大学生の就職志望企業(採用ブランド調査2005)

 

ブランド力がつよい大企業偏重

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2005年に男女雇用機会均等法が施行されました。そのため男女学生ともにランキングに含まれています。

経済状況はだいぶ変化したにも関わらず、人気企業ランキングは今と比較してランクインする企業に大きな差はありません。リクナビの「2017 年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング」では、全日本空輸は文系2位、ジェイティービーは文系1位、トヨタ自動車は理系4位、サントリーホールディングスは理系5位にランクインしています。

時代が異なる2005年でもやはりブランド力の強い大企業が人気だったといえます。