就職

1975年の人気企業ランキング、文系と理系で違う?

この記事の結論は「1965年と比較して安定成長期に入ったため、サービス業や建設業が人気になりつつあった。ランクインする企業は現在と大きく差はない」です。1975年は今から約40年前。オイルショックに見舞われるも安定成長期をむかえており、経済の見通しが明るかった時代です。この記事では、1975年の時代背景、人気企業ランキングトップ10の企業を文系、理系それぞれまとめました。

1975年はどんな時代だった?

shutterstock_207078817

戦後30年である1975年は、第一次オイルショックから高度経済成長期が終わり、安定成長期にはいった時代です。

内閣府の「国民経済計算」によると、1975年の日本の名目GDPは約147兆7682億円で、2016年現在の3分の1以下です。人口は約1億1194万人で、増加傾向にありました。団塊の世代が働ける年齢になったことで、労働者の割合が多い人口ボーナスになるとともに、高齢者の割合が7%をこえる高齢化社会に変遷していく時代でもあります。

年次統計によると、サラリーマンの平均年収は約205万3800円です。10年前の1965年の約4.6倍で、現在の2分の1でした。高度経済成長が終わったものの日本経済の見通しが明るかった時代であったといえます。

出典:国民経済計算(内閣府)
出典:国勢調査「昭和50年国勢調査/人口総数
出典:年次統計「サラリーマン年収

 

1975年の人気企業ランキング、文系トップ10は?

shutterstock_152862707

リクルートの「就職ブランド調査」によると、文系の1975年度新卒に人気の企業は以下のとおりです。1975年は男女雇用機会均等法の施行前なので、男子学生のみのランキングです。

出典:就職ブランド調査 時系列推移(1965年卒~2002年卒)

 

10位 電通

電通は日本最大の広告代理店です。1901年に設立された日本広告を前身とします。 1975年時点の単独広告会社としてはトップクラスの売上高を誇っていました。現在でも人気の企業の1つで、「2015年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング」によると、2015年の人気企業ランキングでは文系で5位でした。詳細を関連記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

出典:2015年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング

 

9 位 日本交通公社

日本交通公社は1912年に創設された「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」を前身とする財団法人です。旅行業界では日本最大かつ世界トップクラスの事業規模を誇るJTBの親会社でもあります。旅行や観光に関わる自主的な調査や公共団体から依頼された調査を行う企業です。2012年には公益財団法人へ移行しました。JTBグループは近年でもトップの人気を誇っています。

 

8位 日本放送協会

日本放送協会はNHKと呼ばれる特殊法人です。日本で初めて放送業務を開始した社団法人東京放送局、社団法人名古屋放送局、社団法人大阪放送局を統合した日本放送協会が社団法人として成立しました。1950年に特殊法人化しています。ラジオおよびテレビで公共放送を行う法人で、全国的な放映を行ってきました。2015年でも100位以内にランクインしています。

 

7位 東京海上火災保険

東京海上火災保険は、現在では東京海上日動火災保険株式会社に社名を変更しています。売上高は日本の損害保険業界でこのころからトップでした。東京海上日動は日本の損害保険会社である東京海上ホールディングス傘下の主な子会社で、三菱グループに所属しています。1965年でも人気企業5位にランクインし、現在も超人気企業の一つです。

 

6位 丸紅

丸紅は日本の総合商社です。伊藤忠商事と同じ起源で、分割と合併を繰り返していました。1965年にはスリーエムと称され、総合商社のトップ3の一角を担っていました。現在ではみずほグループの大手総合商社の一つです。1965年でも文系3位にランクインしており、人気企業の地位を維持していました。

 

5位 三菱商事

三菱商事は三菱グループの商社部門で大手総合商社です。設立から65年間続く大企業ですが、三菱グループ内では比較的新しい会社です。幅広い産業を事業領域としており、グローバルにビジネスを展開しています。1965年でも文系6位にランクインしています。

 

4位 朝日新聞

朝日新聞社は全国紙「朝日新聞」を運営する新聞社です。1879年に大阪に創立されたのが始まりです。新聞以外にも雑誌・書籍の出版や芸術の展示公園、スポーツ大会の開催などの事業活動を行っています。

 

3位 三井物産

三井物産は三井グループの大手総合商社です。日本初の総合商社でもあり、明治初期からあらゆる商品の取り扱いを行ってきました。現在でも金属、機械・輸送、食品、化学やエネルギーといった幅広い分野を扱っています。いまも大人気企業の1つです。詳細を関連記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

 

2位 伊藤忠商事

伊藤忠商事は傘下に有力企業を多数抱えている総合商社で、世界最大の繊維商社でもありました。現在では繊維以外でも、生活資材や金融、情報通信といった非資源分野全般に渡るみずほグループの大手総合商社となっています。1965年時点でも文系4位にランクインしていた人気企業です。

 

1位 日本航空

日本航空は略称のJALで知られる日本を代表する航空会社です。全日本空輸と並ぶ主要な航空会社で、特に国際線が充実しています。1953年に設立された会社です。「2015年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング」によると、2015年では文系で4位となっており、今でも絶大な人気を誇る企業の一つです。

出典:2015年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング

 

1975年の人気企業ランキング、理系トップ10は?

shutterstock_84577975

理系も1965年と同じような企業が並んでいます。リクルート「就職ブランド調査」のデータを参考にしています。

 

10位 大林組

大林組は大手総合建設会社5社のひとつです。1892年に創業されました。甲子園や日本バンコク博覧会の主要施設の建設を手がけています。三和グループに属しています。

 

8位 鹿島建設

鹿島建設は大手総合建設会社5社のうちのひとつです。1840年に創業し、1930年に法人設立しました。最高裁判所や両国国技館、フジテレビジョンなどの施工を手がけた企業です。現在では超高層ビル事業を得意としています。

 

8位 日本電信電話公社

日本電信電話公社はかつての三公社五現業のひとつです。日本の通信事業最大手であるNTTグループの前身でもあります。1868年に官営による電信サービスが東京〜横浜間で行われたことに始まり、1952年に特殊法人として日本電信電話公社が設立されました。1985年に民営化されます。

 

6位 東京芝浦電気

1939年に芝浦製作所と東京電気が合併したことで誕生した企業です。オーディオや電球を販売していました。1984年に現在の社名である東芝に変更しました。現在では大手重電の1社であるとともに国内最大手の半導体メーカーです。2016年現在、2015年に発覚した不正会計問題で世界で約1万5000人の人員を解雇、早期退職優遇措置にしています。

 

6位 日本電気

日本電気は一般的にはNECが略称として使われている電気メーカーです。1899年に日米合弁会社として設立されました。住友グループの一員として戦後は通信関係や電子部品、家電製品や無線通信機器分野に進出していました。現在では、通信機器やコンピューター、ITサービスを主な事業としています。

 

5位 松下電器産業

2008年に社名を変更し、現在ではパナソニックという社名となっています。松下電器産業は電球用ソケットの製造販売から始まった企業で、現在は大阪府に本社を置く大手総合電機メーカーです。1965年で最も人気あった松下電気は、1975年でも継続して人気がありました。

 

4位 ソニー

1946年に創業した企業です。当時は創業から30年程度の企業でした。日本で最初にテープレコーダーやトランジスタ・ラジオを開発しています。現在では、世界的なブランド力を持つハードウェア事業会社で、ゲームや映画、音楽あどのエンタメ事業や、銀行や保険などの金融関連事業にも事業を広げ、経営を多角化しています。1965年で理系8位、2015年では理系10位にランクインしている人気企業です。

 

3位 富士通

富士通は富士通信機製造を前身とした企業です。1923年に古河電気鉱業とドイツのシーメンスが合弁で設立されました。日本の総合エレクトロニクスメーカーで各種コンピューター、ソフトウェアや通信設備を販売しています。1965年でも理系9位にランクインしました。

 

2位 日本IBM

日本IBMはIBM Corporationの100%子会社である外資系の企業です。民間法人や公的期間を対象にコンピューター関連製品やサービスを提供しています。1965年でも理系10位にランクインしています。

 

1位 日立製作所

総合電機メーカー、日立製作所は1910年に久原鉱業所の修理向上として発足したのがはじまりです。冷蔵庫や全自動洗濯機を開発した会社です。1965年時点では電機機関車やエレベーターといった重電機器から扇風機といった家電製品に渡る幅広い商品を製造しています。現在は業界首位の売上高を誇る大手重電3社の1つです。1965年も同様に理系1位にランクインしていました。

 

安定成長期でも人気企業は不変

shutterstock_146743694

1975年では1965年と比較して、給料や名目GDPが増加し、人口構成や世界状況等が大きく変遷しました。文系はサービス業、理系では建設業への人気が出てきていました。生活に余裕がでてきたことでサービス業への人気が増え、住宅需要の増加からゼネコンへの人気が高まったといえます。

しかし、伊藤忠商事や日立製作所といったの1965年人気企業は1975年でもあいかわらずランクインしています。安定成長期にあった1975年でもやはりブランド力の強い大企業が人気だったといえます。また、このときの人気企業ランキングは順位は前後するものの今と大きく変化していません。