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1965年の人気企業ランキング、文系と理系で違う?

この記事の結論は「過去50年間で世界は大きく変わったのに、日本の人気企業ランキングは大して変わっていない」です。約50年前の1965年は、戦後20年。はじめての東京オリンピックが行われた次の年です。この記事の読者には、まだ生まれていない方も多いのではないでしょうか。この記事では1965年の時代背景、人気企業ランキングトップ10の企業を文系、理系それぞれまとめてご紹介します。

1965年はどんな時代だった?

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1965年は今から51年前です。戦後20年で、東京オリンピックの翌年です。高度経済成長期のまっただなかの時代でした。

内閣府の「国民経済計算」によると、1965年の日本の名目GDPは32兆7422億円で2018年の16分の1程度です。人口も今より少なく、約9827万人で、増加傾向にありました。団塊の世代が10代後半に差し掛かり、これから働き盛りの人が多い人口構成でした。少子高齢化が社会問題になる時代ではありませんでした。

1964年にOECDに加盟しましたが、人々の暮らしは今よりも貧しかったです。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、サラリーマンの平均年収は44万7600円でした。現在の約10分の1程だったのです。

出典:国民経済計算(1965年 日本の名目GDP)

 

1965年の人気企業ランキング、文系トップ10は?

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リクルートの「就職ブランド調査」によると文系の1965年卒に人気の企業は以下のとおりです。尚、1965年は男女雇用機会均等法の施行前なので、男子学生のみのランキングです。

 

10位 三和銀行

銀行再編前に存在した都市銀行です。大阪を本拠としていました。1949年に東証一部に上場していましたが、2002年に東海銀行と合併しUFJ銀行になりました。UFJ銀行は、2006年に東京三菱銀行と合併し、現在では三菱東京UFJ銀行となっています。

 

9位 住友商事

住友商事は住友グループの大手総合商社です。現在では資源開発や製造事業から流通事業、小売り・サービス事業にいたるまで、幅広い事業を展開しています。いまも大人気企業の1つですね。詳細を関連記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

 

8位 松下電器産業

2008年に社名を変更し、現在ではパナソニック株式会社になっています。松下電器産業は電球用ソケットの製造販売から始まった企業で、現在では大阪府に本社を置く大手総合電機メーカーとなっています。日本を代表する経営者、松下幸之助が創業した企業です。

 

7位 旭化成工業

現社名は旭化成株式会社です。繊維、化学、建材、住宅や医薬品といった様々な事業を行っています。宮城県発祥の会社ですが、2016年現在では東京に本社をおいています。

 

6位 三菱商事

三菱商事のルーツは古く、日本で初めての株式会社といわれた坂本龍馬の海援隊を起源の会社です。いまも人気企業ですね。坂本龍馬の時代から考えると150年の歴史がありますが、戦後に一度解体をしているので正式な設立からまだ65年しか経過していません。三菱グループ内では比較的新しい会社です。幅広い産業を事業領域としており、世界中のお客様とビジネスを展開しています。

 

5位 東京海上火災保険

東京海上火災保険は、現在では東京海上日動火災保険株式会社に社名を変更しています。売上高は日本の損害保険業界でこのころからトップでした。東京海上日動は日本の損害保険会社である東京海上ホールディングス傘下の主な子会社で、三菱グループに所属しています。現在も超人気企業の一つです。

 

4位 伊藤忠商事

伊藤忠商事は傘下に有力企業を多数抱えている総合商社でした。世界最大の繊維商社でもありました。現在では繊維以外でも、生活資材や金融、情報通信といった非資源分野全般に渡るみずほグループの大手総合商社となっています。

 

3位 丸紅飯田

丸紅飯田は丸紅の前身である日本の総合商社です。伊藤忠商事と同じ起源で、分割と合併を繰り返していました。1965年にはスリーエムと称されるように総合商社のトップ3の一角を担っていました。現在ではみずほグループの大手総合商社の一つです。

 

2位 大正海上火災保険

大正海上火災保険は旧・三井海上です。2001年に住友海上火災保険と合併し、現在のは国内大手損害保険会社である三井住友海上火災保険になりました。

 

1位 東洋レーヨン

東洋レーヨンは現在の東レ株式会社の前身です。合成繊維といった化学製品や情報関連書素材を扱う大手化学企業です。1964年には3大合成繊維であるアクリル繊維トレロンの開発に成功しています。

出典:就職ブランド調査 時系列推移(1965年卒~2002年卒)

 

1965年の人気企業ランキング、理系トップ10は?

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理系は文系とは違う顔ぶれの企業が並んでいます。こちらもリクルートの就職ブランド調査のデータです。

 

10位 日本IBM

日本IBMはIBM Corporationの100%子会社である外資系のITカンパニーです。民間や公的機関にコンピューター関連製品やサービスを提供しています。

 

9位 富士通信機製造

富士通信機製造は1923年に古河電気鉱業とドイツのシーメンスが合弁で設立されました。現在の社名は富士通株式会社です。日本の総合エレクトロニクスメーカーで各種コンピューター、ソフトウェアや通信設備を販売しています。

 

8位 ソニー

1946年に創業した企業です。当時はまだ創業から20年経っていないベンチャー企業でした。日本で最初にテープレコーダーやトランジスタ・ラジオを開発しています。現在では、世界的なブランド力を持つハードウェア事業会社で、ゲームや映画、音楽あどのエンタメ事業や、銀行や保険などの金融関連事業にも多角化しています。

 

7位 旭化成工業

文系のランキングでも7位にランクインした旭化成は、理系ランキングでも7位にランクインしています。文系にも理系にも人気があったことがわかりますね。

 

6位 三菱重工業

三菱重工業は日本3大重工業の1つで、1884年に三菱財閥が長崎造船所を借り受けたことを始まりとする企業です。1964年に戦後分割されていた東、中央、西日本工業を再統合し誕生しました。現在では三菱の中核を担う企業の一つであるとともに、日本最大の機械メーカーでもあります。

 

5位 東京芝浦電気

1939年に芝浦製作所と東京電気が合併したことで誕生した企業です。1965年ではオーディオや電球を販売していました。1984年に現在の社名である株式会社東芝に変更しました。現在では大手重電の1社であるとともに国内最大手の半導体メーカーです。2016年現在、2015年に発覚した不正会計問題で世界で約15,000人の人員を解雇、早期退職優遇措置にしています。

 

4位 三菱電機

1921年に三菱造船(現・三菱重工業)より分離独立したことで設立しました。三菱電機は総合電機メーカーです。設立当時は変圧期や扇風機を製造していましたが、以降は民間法人や公的機関向けの大型重電機器を手がけはじめます。現在では大手重電3社の一角を担っています。

 

3位 松下電器産業

文系ランキングで8位にランクインしている松下電器は、理系ランキングでは2位にランクインしています。文理両方の人気を鑑みると、1965年当時日本で最も人気があった企業といえるでしょう。

 

2位 日本電気

日本電気は、現在「NEC」が略称として使われている電気メーカーです。1899年に日米合弁会社として設立されました。住友グループの一員として戦後は通信関係や電子部品、家電製品や無線通信機器分野に進出していました。現在では、通信機器やコンピューター、ITサービスを主な事業としています。

 

1位 日立製作所

総合電機メーカー、日立製作所は1910年に久原鉱業所の修理向上として発足したのがはじまりです。冷蔵庫や全自動洗濯機を開発した会社です。1965年時点では電機機関車やエレベーターといった重電機器から扇風機といった家電製品に渡る幅広い商品を製造しています。現在は業界首位の売上高を誇る大手重電3社の一つです。

50年前の人気企業は現在も人気企業

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1965年は約50年前ですが、ランクインしている会社は三和銀行以外いまでも存在し、大企業、人気企業として君臨する企業です。一方でこの50年間は、インターネットによる情報革命をベースに、人類史上最も変化があった50年でした。

日本の経済状況、人口構成、世界の状況、世界との関係性等、あらゆる変化が起こっているにも関わらず、人気企業ランキングは大して変わっていないのです。

ランクインしている企業の努力の賜物ともいえますが、就職する側が時代の変化を捉えず、盲目的に大企業を信仰してるという見方もできますね。

 

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