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外資系生命保険営業のリアル①転職した経緯は?

この記事はキャリアについての寄稿記事です。外資系生命保険の営業職として10年間勤務された経験を持つAさんより頂いた、キャリア体験談を基に構成しています。1記事目の今回は、転職した経緯についてのお話です。どんなきっかけで転職をしたのか、転職を決意するまでの経緯が詳細に語られています。

生命保険の営業への転職理由は?

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「来週どこかで会おう」

学生時代の体育会部活動の同期から、一本の電話がありました。その友人は大手ゼネコンから外資系の生命保険会社に営業職として転職し、業績もよく、営業所長に昇進していました。指定されたお店が高級中華料理店だったこともあり、貧乏だった学生時代からすると随分羽振りがよくなったな、という印象を持ちました。当時の私は33歳でした。

会ってすぐに私の仕事の状況を聴かれました。私は当時、放送局に勤めていました。30代になり社内ではエースと呼ばれ、仕事が楽しくて仕方ありませんでした。

ただ、上司の姿に将来の自分を重ね合わせたとき、不安がありました。

このままでいいのだろうか。自分はこのまま年齢を重ね、上司のようになるのだろうか。

放送局は給料も良く、上司のようなキャリアを歩むのも決して悪くはなかったのですが、「このままでいいのだろうか。」という気持ちから、「自分の可能性を試してみたい。」という感情が芽生えました。

友人は「お前ならできるよ。一緒に働かないか?いきなり誘うことはないから、まずは支社長の話を聴きに来ないか?」と提案してきました。

学生時代、トレーナーとスウェットばかり着ていたその友人が、オーダースーツを身にまとい、シルクのネクタイに高級腕時計をしている。

その変貌ぶりに、「こいつはどんな会社に勤めているのだろう」と興味を持ちました。彼からの提案に即答し、支社長に会ってみたいと思っている、自分がいました。

 

頑張っても頑張らなくても変わらない人生でいいのか

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「こんにちは!」

社内に入ると社員の方々が仕事の手を止め、わざわざ立ち上がって元気よく挨拶をしてくれます。こちらが気後れするほど、元気な挨拶でした。

支社長室に入ってしばらくすると、支社長がやってきました。支社長は42歳、パリッとした仕立ての良いスーツに高級腕時計、ピカピカに磨き上げられた革靴、髪型は短髪、肌は程よく日焼けをしていて、見るからに仕事ができそうな印象を持ちました。

支社長の話は、生命保険業界の現状と自分たちの理念についてでした。保険に対する不信感を払拭する、生命保険業界を変えるんだという熱い話でした。

素晴らしい話でしたが、話の内容よりも支社長の雰囲気に惹かれました。自分も同じくらい歳をとったら、こんな雰囲気を出せるのか。話を聞きながら、そのことばかり考えていた記憶があります。

支社長にはその後3回会いました。活躍している営業の方を交えて話を聞いたり、具体的な報酬体系についての説明があったりしました。報酬体系を聴くと、学生時代の同期や支社長のパリッとした姿に合点がいきました。

支社長に、こう聴かれました。

「あなたは今の会社にいても活躍するでしょう。

ただ、将来は見えていますよね。

頑張っても頑張らなくても変わらない人生、あなたはそれで頑張れますか?」

不安を覚えながらも、自分の可能性を感じ、自分の心に火がついた瞬間です。その後、営業所長による2時間を超える面接があり、自分のこれまでの仕事ぶりや本音を洗いざらい聞かれました。

長時間なので本音をオブラートに包んでいてもすべて見抜かれてしまいました。営業所長の面接を通過すると役員面接がありますが、よほどのことがない限り採用になります。

 

すべては計算通りだった

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こうして、外資系生命保険会社に転職したのですが、入社後に驚いたことがあります。

学生時代の同期が私と会った目的は、そもそもヘッドハンティングでした。
負けず嫌いの私の性格を見越して、高級中華料理店を予約した。
競争意識をあおるために、高級腕時計とオーダースーツを着て来てきた。

支社長は私と会う前に、散髪に行っていた。
支社長室で私が待っている間に、靴を磨いていた。
会社のメンバーに、しっかり挨拶をするよう伝えていた。

第一印象ですべてが決まる。外資系の保険会社で営業職で働く人は、すべて第一印象を想定し、そこに向けて準備をします。常に演技の練習をしているということです。

それに嫌悪感を持つ人もいるでしょう。そこまで考えているのかと感心する人もいるでしょう。

私の場合、それがわかった時には、がっかりしたことを覚えています。なんだか見下されたような感覚でした。

一方で、そこまでやってまで結果を出す人は、どんな人なんだろうという興味も湧きました。私は人に興味を持ち転職を決めたので、結果を出す人から学んで成長したいとも思いました。

外資系生命保険の営業職は、そこまで徹底的にやらなければ、生き残れない世界なのです。

細部へのこだわりが人の人生を変えた:編集後記

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オーダースーツ、シルクのネクタイ、高級腕時計を身にまとった同級生が、高級中華で「お前ならできるよ」と言ってくる。

Aさんが友人の仕事に興味を持ち、支社長に会いにいったのは、この友人の存在が大きかったと思います。

無意識のうちに対抗意識を燃やし、「自分にもできる」という情熱が湧いてくる。支社長の「頑張っても頑張らなくても変わらない人生で良いのか」という問いに、心に火がつく。

結局すべては計算通りの演出だったわけですが、その演出には、33歳のエース社員が安定した放送局の仕事をやめてまで、保険業界に飛び込ませる力があったのです。神は細部に宿るという言葉の通り、友人と支社長の細部にまでこだわった演出が、一人の人生を変えたのです。

次回の記事では、外資系生命保険営業のリアルな仕事内容、働き方についてのお話をまとめてお送りします。

▶②働き方と仕事内容

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