【電通へ就職!】事業内容、鬼十則、売上や利益は?採用や年収は?企業研究まとめ
2016.11.21
2016.11.21
株式会社 電通(英文社名:DENTSU INC.)は、1901年7月1日に光永星郎氏によって創設された日本最大の広告代理店です。汐留に本社ビルがあります。
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・看板・インターネットを媒体とした広告事業はもちろん、スタジオジブリ作品や劇場版NARUTO、テルマエ・ロマエ、永遠の0などの映画製作にも関わっています。
東京オリンピック・パラリンピックのマーケティング専任代理店にも指名されています。
2015年12月31日現在、電通の関係会社を含めた従業員数は国内事業が1万6865人、海外事業が3万459人となります。
2015年12月期の有価証券報告書によると、電通の事業内容は国内事業と海外事業の2つに定義されています。
国内事業では、広告業、情報サービス業、その他の事業が、海外事業では広告業が実施されています。
国内事業
海外事業
電通の公式ホームページによると、電通の広告事業は7つの領域に区別されています。
電通の広告事業
電通には約900人のクリエーターが在籍しており、コンテンツ企画や告知ポスターの制作、展覧会開催などの事業を行っています。
2016年6月に電通のクリエーターの携わった企画コンテンツであるパナソニックのエネループを題材とした「LIFE IS ELECTRIC」が、世界3大広告賞カンヌライオンズのデザイン部門でグランプリを受賞しています。
購買行動に関わる顧客体験価値と購買行動の最大化を目的とし、商業施設やイベント会場における実体験や感動体験の演出を手がけています。
近年ではデジタル技術を駆使したキャンペーンにも積極的で、顔認証で通行人のアクションに反応するデジタルサイネージキャンペーン「Interactive shop window LOOKS」が5億円以上のPR効果を獲得したことで話題になりました。
クリエイティブ、プロモーション、コンテンツなどをかけ合わせ、企業が獲得したい目標の達成や、世の中からの好意的な評価の築くための全体戦略策定・ストーリーづくりの支援を行っています。
プロモーションが個々の商品サービスを対象としている一方で、PRは情報の流通経路やタイミングのデザインを通じて、生活者の企業に対する印象形成をサポートしています。
電通はデジタル化やテクノロジーの進化よるマーケティングエコシステムの変化を「マーケティング・コンバージェンスの進展」と定義しています。
具体的には、新聞・雑誌・テレビを中心としたマーケティングエコシステムに、WEBやスマートフォン、SNS、デジタルサイネージなどのO2O(ネット上からネット外への施策)の影響力が拡大したことにより、企業と消費者の関係が複雑化したことを指しています。
その結果、個々のマーケティング施策を有機的に結びつける必要性を唱えた電通のマーケティングの特徴は、統合的なマーケティングの支援を押し出した「統合マーケティング」です。
WEB、SNSなど各マーケティング領域で高速かつ統合的にPDCAを回すためのKPI(目標値に対する状況を示す指標)設定や、CRM(顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略)やビッグデータ解析の利用に関するシステム導入を支援しています。
スポーツビジネスとエンタテイメントコンテンツを取り扱う事業です。
スポーツビジネスにおいては、国内外の各種スポーツ団体と関係を保持しており、放映権やマーケティング権などの販売権を保有・販売しています。選手の広告出演に関する一連の業務も実施しています。
エンタテイメントコンテンツでは、邦画、洋画、テレビ、アニメ、音楽、イベント、キャラクター各方面のコンテンツホルダーとの関係を保持しています。
コンテンツの企画開発から消費者へ提供するまでのコミュニケーション設計などに関わっています。
マスメディア、デジタルメディアなどそれぞれのメディアに関する長年の経験と知見から、消費者へ効率的に訴求するためのメディアプランニング、メディア戦略策定を行っています。
各メディアとの新規ビジネス開発も活発で、地上波ラジオをインターネット上で配信するradikoの開発にも電通の知見が活用されています。その他、インターネット広告の運営事業も実施しています。
グローバルビジネスはアウトバウンド、インバウンドの2種類に区別されています。
海外進出する日本企業の商品サービスの魅力を、言語や文化の壁を超えて海外消費者へ伝えるための取り組みがアウトバウンド業務です。
一方、海外から日本へ進出を図る企業の、日本市場におけるマーケティング活動支援を行うのがインバウンド業務です。
また、国境を超えた人気コンテンツの展開を担うグローバルコンテンツ業務もあり、2015年4月よりTBSの人気番組「SASUKE」の番組フォーマットを欧州向けに展開しています。
電通グループの基幹業務システムのほか、メガバンクの海外進出などを支援する金融領域、人事や会計の管理領域、ものづくりのデジタル化・効率化を追求する製造業領域を中心に、情報システムのコンサルティング・開発・運用を中心とした事業を行っています。
電通の子会社にあたる株式会社電通国際情報サービスが本事業を担っており、2015年12月期には約812億円の売上高を計上しています。
ビルの賃貸管理、不動産の売買・仲介、損保代理業務などを行っています。商業文化施設「カレッタ汐留」の運営を担当しており、店舗管理や集客に向けた広報・活動を行っているのも特徴です。
電通の子会社にあたる株式会社電通ワークスが本事業を担っています。
4代目社長吉田秀雄によって考案された「鬼十則」は電通社員の行動規範として有名です。アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社に英国版が掲げられているほど、外国企業にも浸透しています。
広告業界の市場規模は世界で約52兆円、日本で約6兆円です。世界中の広告市場のうち約12%を日本が占めているのです。
電通の売上高は約2兆円です(2015年3月 連結決算)。日本で一位、世界で五位の売上規模を誇ります。同決算によると、営業利益は1323億円、営業利益率は約6.6%です。
2001年の東証一部上場後、リーマンショックの影響で2009年に当期利益ベースで赤字決算を計上しました。
リーマンショック前の2008年にはグループ2兆円を越えていた売上は、リーマンショック後の2010年に1兆6700億円まで下げました。広告業界は景気の影響を受けやすい産業なのです。
電通のホームページでは採用実績の公開はありませんが、リクナビによると新卒採用人数は2014年卒が135名、2013年卒が136名とされています。募集要項に学部学科の指定はありません。
『DENTSU RECRUIT 2016』によれば、初任給は240,000円で、ボーナス年2回(6,12月)です。
勤務時間 は9:30~17:30で完全週休2日制、 一部フレックス制を実施しています。ただ業界の慣習もあって残業や接待が多いのが実情といわれています。
勤務先は東京、大阪、名古屋がメインで、海外にも子会社があります。
期間(通年) | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 | 従業員数(単体) |
---|---|---|---|---|
2015年 | 1271万9923円 | 13.9年 | 39.5歳 | 7348人 |
2014年 | 1191万7821円 | 13.5年 | 39.1歳 | 7425人 |
2013年 | 1143万4522円 | 13.1年 | 38.9歳 | 7515人 |
2012年 | 1145万5313円 | 12.8年 | 38.6歳 | 7494人 |
2011年 | 1163万2591円 | 13.6年 | 39.1歳 | 6903人 |
有価証券報告書によると、電通社員の平均年齢は約39歳、平均年収は2015年は1271万、2014年は1191万、2013年で1143万、2012年で1145万円とされています。
2013年から2015年にかけて120万円ほど年収が上昇しているのです。
2015年の有価証券報告書によると、国内事業が6.7%増、海外事業が20.6%増という売上総利益の成長が確認できるので、業績による変動が大きな給与体系という特徴が読み取れますね。
30歳で年収900万円ほどであるため、30代の電通社員はサラリーマンの上位2%に入るほどの高所得者ということができます。
他の広告業界の平均年収と比べると、博報堂DYが1052万円、アサツーディ・ケイが766万円、サイバーエージェントが655万円となっています。
平均年収にも業界順位が反映されており、業界トップは待遇も別格といえますね。
電通の就活対策にはどのような準備が必要なのでしょうか。電通の新卒就活試験の特徴と対策をまとめました。
電通で実際に働いている社員の方に話を聞くことが何よりの企業研究になります。
「職場環境」「仕事内容」「同僚や先輩との人間関係」「生活環境」など、気になることを質問してみてください。面接時のアドバイスをしてくれることもあります。
電通の説明会は選考とは無関係といわれていますが、直接社員に会える貴重な機会なので可能な限り参加することをおすすめします。
「やりたい仕事とその理由は」「あなたのキャラクターは」などの一般的な問題から、
など、一風変わった問題が5問ほど出題されます。
性格や思考回路を聞いてくる質問ばかりで正解がありません。率直に自分の考え方を表現するのがポイントといえます。
これまでの面接では「強みと弱み」「他社でなく電通を志望する理由」「入社してからやりたいこと」など、スタンダードな質問がされてきました。
特に同業の博報堂ではなく電通である理由、理系の学生であれば「理系就職ではない理由」などが聞かれたといわれています。
電通の就活で英語力が必要であるとはいえませんが、日本国内産業の成熟化を考えると、これからて働く人には「英語が必須である」といえます。
広告会社はクライアントから、海外進出が求められてきています。電通の事業内容にもグローバルなコミュニケーションサービスと記されています。
この記事を読んで電通で働きたくなった方へのアクションアイテムは
「電通入社後のビジョンを明確にする」です。
志望動機を固め、業界研究、企業研究をすることはもちろん、電通入社後にどのように貢献したいのかを具体的に考えてみてください。
電通では自らの考えを主体的に発信し、周囲を積極的に巻き込み、タフな状況をも乗り越えながら成果を追求する姿勢が強く要求されるということは、先に紹介した吉田秀雄氏の鬼十則にもある通りです。
入社後のビジョンを具体的に考えられたら、面接の前に実際に働いている人に聞いてもらって、フィードバックを得ることをおすすめします。
数人の現役社員からフィードバックをもらえれば、自分の考えや伝えたいこともシャープになりますよ。
国内市場の成長が鈍化しているので、広告業界は世界進出を本格化させつつあります。
ここ数年は日本国内のマーケットへの貢献が仕事の中心となるとは思いますが、20年、30年スパンではグローバルな視点でクライアントのマーケティング課題を解決することを求められるようになる企業です。
「これまで」の日本を創った企業である電通の「これから」を担う人材になってくださいね。