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銀行業界の研究、市場規模や主要企業、未来予測は?

この記事の結論は「銀行の業界規模は預金・貸出金を見ることで判断する。2016年7月時点の預金は約680兆円、貸出は約467兆円。大きく変化してきた業界であり、今後も技術革新により新しく変化していく可能性がある」です。銀行業界は小説やドラマの舞台になることが多いため、金融業界でも比較的に馴染みがあるものの、実情がよく見えていない業界ではないでしょうか。この記事では銀行業界の研究、市場規模や主要企業、未来予測についてまとめました。

銀行業界の研究、市場規模は?

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全国銀行協会が公表する全国銀行預金・貸出金等速報(2016年7月末時点)によると、2016年7月末時点の全国にある銀行全ての預金は約680兆9252億円、貸出金は約467兆2472億円です。前年度に比べ、預金は約104%、貸出は約102%に増加しました。

預金と貸出を各々見ると、預金では都市銀行5行(三菱東京UFJ、三井住友、みずほ、りそな、埼玉りそな)の伸びが顕著で、約4.2%増加しています。一方、貸出では地方銀行が都市銀行よりも伸びが大きく、約3.9%増加しました。

預金、貸出のどちらとも好調なのが信託銀行です。信託銀行4行(三菱UFJ信託、みずほ信託、三井住友信託、野村信託)は預金が約8.6%、貸出が約6.3%増加していることから、資金が信託銀行の方へシフトしつつあるといえます。

 

銀行業界の研究、主要な企業は?

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金融庁が公表する預金取扱等金融機関(2016年6月24日時点)によると、2015年8月17日時点で194行の銀行が日本に存在しています。中でもメガバンクと呼ばれる銀行が特に国内で存在感を高めています。

メガバンクグループは以下の3つです。

  • 三菱UFJフィナンシャルグループ
  • 三井住友フィナンシャルグループ
  • みずほフィナンシャルグループ

上記3グループに加えて「りそなホールディングス」と「三井住友トラストホールディングス」の計5グループで5大銀行グループとも呼ばれます。

メガバンクグループの特徴はグループ一体経営を推進しているところです。地方銀行とは異なり、銀行、信託、証券、リース、カードなどをグループに取り入れることで複雑なニーズに対しても総合的にサポートできるようになり、顧客との長期的な取引関係を可能にしました。その中でも銀行はグループの顔として代表的なポジションにいます。

各グループの有価証券報告書(2016年3月末時点)によると、5大銀行グループの純利益は以下の表の通りです。

5大銀行グループ 純利益
三菱UFJフィナンシャルグループ 9514億200万円
三井住友フィナンシャルグループ 6466億8700万円
みずほフィナンシャルグループ 6709億4300万円
りそなホールディングス 1838億4000万円
三井住友トラストホールディングス 1669億900万円

都市銀行、地方銀行、信用金庫の違いとは?

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都市銀行とは日本全国の主要都市に支店を構える大きな普通銀行のことです。「メガバンク≒都市銀行」ということになります。都市銀行は一般的に「三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行」の4行のことです。

地方銀行は全国地方銀行協会に所属する銀行であり、主に地方に本店を構えて営業基盤にしている普通銀行のことです。個人や地元の企業との取引関係を結び、地域密着型の営業を展開します。地方銀行は主に地方経済を支える存在として影響力を持っています。

地方銀行には3大地銀と呼ばれる銀行があります。「横浜銀行・千葉銀行・静岡銀行」の3行です。さらに「常陽銀行・京都銀行・福岡銀行」を加えるた6大地銀と呼ばれることもあります。

信用金庫は銀行と異なって、信用金庫法に基づいています。銀行は株式企業として利益を上げることを目的としますが、信用金庫は地域企業や住民が会員となって出資する非営利団体です。会員の相互扶助を目的としますので、銀行よりも貸し渋りが少ないことが特徴です。

 

銀行業界の歴史

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銀行業界は銀行同士の提携・合併を繰り返した歴史を持っており、大きな変動を繰り返した業界といえます。

1988年以降、バブル経済の崩壊や金融ビッグバンと呼ばれる従来の護送船団方式を崩壊させる金融改革によって、銀行同士の合併やグループの再編、異業種の参入など大きな変化がありました。

メガバンクのみに焦点を当てても、多くの合併の歴史があります。

三菱東京UFJ銀行は2005年に「東京三菱・UFJ」が合併して誕生した銀行です。みずほ銀行は2000年に「第一勧業・富士・日本興業」の3行が合併して誕生しました。過去10~20年の間で他の銀行も同様に提携・合併を進めました。

異なる企業文化やシステムを持った複数の銀行が1つの銀行として生まれ変わるわけですから、相当の労力が必要とされます。また、合併前に所属していた銀行の力関係によって行員の出世や勤務地などに影響を及ぼしますので、入行後も相当の覚悟を持っておく必要があります。

 

銀行業界の研究、未来予測は?

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最近の銀行業界はフィンテック、特にブロックチェーンに注目が集まっています。フィンテック(FinTech)は金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた言葉です。技術革新により既存の銀行は高コスト体質から組織の効率化に向けてフィンテック研究に力を注いでいます。ブロックチェーンは取引記録の在り方を大幅に変える潜在力を持ちます。従来の一極集中型の管理方法から複数拠点に分散させることができ、銀行にとってコスト削減につながります。

こうしたフィンテック技術を推進することで将来的に銀行は巨大な組織からよりスマートな組織へと変わる可能性があります。すなわち、それは行員という高コストな資源を大幅にカットする可能性があります。例えば、三菱UFJフィナンシャルグループの2016年5月決算会見で平野信行社長はフィンテックの活用で経費・要員の削減を強く意識すると明言しました。他のグループにおいても同じような方向性を持っていると推察されます。

エリートが集まる安定業界と呼ばれた銀行業界はさらに新たな変革を迎える可能性が示唆されています。

 


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