サイレントお祈りをする企業の論理と就活生の対処法

この記事の結論は「サイレントお祈りとは企業が就活生を補欠として扱うこと。企業側にはメリットのある戦略。サイレントお祈りに巻き込まれてしまった場合、待つか待たないかを決め、他社の選考活動を止めないことが最も重要」です。2017年4月入社の面接解禁から2ヶ月、就活生の新たな悩みの1つとなっているのが「サイレントお祈り」です。この記事では、サイレントお祈りの意味やサイレントお祈りをする企業側の論理、就活生がサイレントお祈りに巻き込まれてしまった場合の対処法についてご紹介します。

サイレントお祈りとは?

shutterstock_140446075
サイレントお祈りとは、就職活動中に企業が学生に「合格も不合格も伝えない状態を続けること」を指します。

2週間連絡がなければサイレントお祈りと判断するのが妥当です。「合格でも不合格でも連絡をします」という約束があったのにも関わらず連絡が来ないのがサイレントお祈りです。「合格者にしか連絡しない」という事前の仕切りがあった場合、サイレントお祈りには該当しないと解釈するのが一般的です。

語源はお祈りメール

お祈りメールとは、企業から届く不採用通知のメールです。企業が学生に不採用を通知するメールには「今後のご活躍をお祈り申し上げます」といった定型文が入っていることがお祈りメールの語源です。

サイレントお祈りは、お祈りメールすら来ない状態です。

合格者にしか連絡しないという仕切りなのであれば諦めがつくものの、「合格、不合格どちらの場合でも連絡する」という約束があったなかでの企業側の沈黙(=サイレント)なので、就活生が困惑してしまうのも当然といえます。

 

サイレントお祈りをする企業の合理性は?

shutterstock_334656368
企業が「サイレントお祈り」をするのには合理的な理由があります。

「補欠人員の確保」です。

企業の新卒採用には採用目標人数があります。採用目標人数は大幅に超えることも下回ることも許されません。どちらの場合も採用担当者の評価が下がってしまうからです。

またほとんどの企業では、選考フローに乗ってる学生に優先順位を付けて評価をしています。

たとえば企業が選考に残っている学生をA、B、Cの3つのランクに優先順位を付けているとします。AランクとBランクの学生だけでちょうど採用目標人数に達している場合、Cランクの学生はサイレントお祈りの対象になる可能性が高いです。

Aランク、Bランクの学生から選考辞退や内定辞退が出た場合、Cランクの学生に連絡が来ます。ポイントは企業はあくまで「選考が長引いた」というスタンスで連絡をして来ることです。

この連絡が来るか来ないかは、Aランク、Bランクの学生の動向によって左右されます。数ヶ月後に来ることもあれば、いつまで待っても来ないこともあります(統計データはありませんが、こちらの方が一般的かもしれません。)

優秀な学生に辞退をされてもすぐに次の選考に呼べる、内定を付与できる人員がいる。

「保険の発想」が、サイレントお祈りを選択する企業の合理性です。現状は違法性もないとされています。

 

サイレントお祈りへの対処法は?

shutterstock_393636925
サイレントお祈りに巻き込まれてしまった場合の学生の対処法は2つしかありません。

1つ目は待つと決めること。もう1つは待たないと決めることです。

これまで見てきた通り、企業側にはサイレントお祈りを選択する合理的な理由があります。新卒採用も企業活動なので、合理性があって違法で無い限り、今後もサイレントお祈りが継続したり、規制が入ってもカタチを変えて継続する可能性があります。(サイレントお祈りもオワハラに自粛要請が入ったことによって生まれた背景もあります。)

企業の論理からすると合理的とはいえ、サイレントお祈りは不誠実な行為です。

ただ不採用の通知が来ていないのであれば、入社できる可能性はゼロではありません。学生側が判断するべきは「サイレントお祈りをしてきた企業が自分にとってどれだけ重要なのか」です。

もしどんな不誠実なことをされても入社したい企業なのであれば「何があっても待つ」と決めるのも選択肢の1つです。そのまま連絡が来ない可能性もあるので、他の選考を粛々と進めるのも忘れずにしてください。

「違法性はないとはいえ、サイレントお祈りをしているような不誠実な企業では働きたくない」という意見も一理あります。この場合はすんなりと見切りを付けて、他企業の選考に切り替えましょう。他の会社の選考を進めていくうちに連絡が来ることもあるので、その時はその時の状況に併せて判断すれば良いのです。

一番やってはいけないのは、サイレントお祈りにショックを受けて、就職活動の行動を止めてしまうことです。

就活生のなかには10社、20社からサイレントお祈り状態にされたり、サイレントお祈りを重く受け止めて精神的に追い詰められてうつ病になってしまったりする人もいます。不安な気持ちは当然ですし、不誠実な対応をしている企業への不満も理解できます。

ただ、ショックを受けても精神的に追い詰められても、何も解決しないのも事実です。

企業側が合理的に判断した結果なのであれば、学生側も待つか待たないのかの判断を合理的に行い、他の企業への就職活動を進めることを忘れないでください。

 

サイレントお祈りは人気企業にしかできない戦略

shutterstock_110328875
サイレントお祈りは応募が集まる人気企業でしか選択できない戦略といえます。

企業にとっては、不誠実な対応が口コミサイトやソーシャルメディア等で叩かれるリスクはあるものの、それだけといえばそれだけです。現実にサイレントお祈りをしている企業は、そのリスクを加味してもサイレントお祈りに取り組んだ方が合理的であると判断しているのです。

サイレントお祈りがどうしても許せない学生は、サイレントお祈りをされた企業を就職の選択肢から外すのがオススメです。就職で人気がある企業と良い企業、将来性のある企業は必ずしもイコールではありません。

現代経営学の神様、ピーター・F・ドラッカーは著書のなかで「真摯さに欠ける者は組織を腐敗させ、人材を台無しにし、組織の文化を破壊し、業績を低下させる」と記しています。

サイレントお祈りは真摯さに欠ける行為なので、ドラッカーの考えに従うとサイレントお祈りをする企業は衰退していきます。ドラッカーの考えに従うのであれば、入社しないと判断するほうが良さそうですね。


カテゴリー